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アルゼンチン人コーチが語る「やべっちF.C終了は寂しいですね」

林壮一ノンフィクションライター
日本代表選手、関係者、ファンに愛された「やべっちF.C.」(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、栃木SC所属のエスクデロ競飛王。

 自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。

 昨年末から、川越市のフットサル場で自らスクールを始め、この程、埼玉県のジュニアユース、トリコロールFCのコーチとなった彼が、「やべっちFC終了」について語った。

撮影:著者
撮影:著者

 「やべっちFC」(テレビ朝日)が、今月いっぱいで終わってしまうんですね。あと2回ですか……とても残念です。そして寂しい。

 ウチの息子(栃木SC所属の背番号9、エスクデロ競飛王)が13歳の時にスタートしたんですよね。オンエアが遅い時間でしたから、息子が浦和レッズのジュニアユース&ユースにいた時は、必死で録画していましたよ。

 

 お笑い芸人がサッカーをバカにするような番組だったら見ようとも思いませんが、日本代表の試合やJリーグの映像をきちんと流していました。世界の数々のスーパースターも出演し、とても楽しめました。強いサッカー愛が感じられる素晴らしい番組でしたね。息子も何回か出させて頂き、親子で喜んだものです。

 もし、アルゼンチンの歴代名選手が出演するような機会があれば、僕も協力出来るのにな。リベルタドーレス杯のリポートや、リバー・プレート、ボカ・ジュニアーズ等の名門クラブ特集をやらないかな、なんて思ったこともありました。

 今、僕は小中学生を教えていますし、かつては埼玉栄高校を指導していましたが、ほぼ全員が夢中で見ていた番組です。プロを目指す子は、「活躍して、やべっちFCに出る!」と話す子も多かった。現在、ザスパクサツ群馬の左サイドバックとして頑張っている高瀬優孝も、学生時代はそんな事を話していた記憶があります。

 「やべっちFC」は、日本サッカー界に多大なる貢献をしました。日本もサッカー文化が根付いて来たのですから、また良質のサッカー番組が生まれてほしいです。どんな形でもいいから、「やべっちFC」で培ったものを今後に役立ててもらいたいですね。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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