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NBA選手のなかで、コロナウィルスに感染した一人目となったルディ・ゴベールが50万ドル以上を募金

林壮一ノンフィクションライター
ユタ・ジャズのセンターで、背番号も年齢も27(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2013年のNBAドラフトで全体27位でデンバー・ナゲッツにコールされ、即、ユタ・ジャズにトレードされたルディ・ゴベール。身長216センチ、体重111キロの恵まれた体躯を活かし、現在はスターターのセンターとしてジャズを牽引する。

 そのゴべールが、新型コロナウィルスに感染したことが判明したのは3月11日、オクラホマシティー・サンダース戦の直前であった。これを受けたNBAは活動休止を決める。周囲に危険を及ぼしたとして非難されたゴベールは、まず映像でファンにメッセージを伝えた(※NBA-JAPANの許可を得、その映像をここでお届けする【NBAE】)

 「やぁ皆さん、ルディ・ゴベールです。サポートして下さり、ポジティブなエネルギーを送って下さり、心から感謝しています。私の体調は日々回復しております。ジャズのヘルスケアの方々、オクラホマシティーの皆様、そして私の周囲にいる人々にもお礼を申し上げます。

 ご存知だと思いますが、頻繁に石鹸と水で手をよく洗い、顔、鼻、を触らないようにして下さい。そして他者との体の接触も避けて下さいね。どうか、自分の身は自分で守って下さい。

 私は本件について、もっと真剣に考えるべきでした。皆さんも(COVID-19を)重く受け止め、打ち克ちましょう。お体を大事に。皆さんが平穏に過ごせますように」

 その後ゴベールは、COVID-19(コロナウィルス)の影響でNBAが中断され、収入を絶たれたジャズのホームアリーナで働くパートタイマーたちに20万ドル、同ウィルスに感染したユタとオクラホマシティーの住民に10万ドルずつ。そして、彼の母国であるフランスにも10万ユーロを募金すると、チームを通じて発表した。

 「ユタやフランスでCOVID-19の影響を受けた方々が、たゆまぬ努力を続けている事実について、私は真摯に受け止めています。ジャズの皆さんは勿論のこと、オクラホマにも感謝しています。私は自分の行為が数え切れないほどの人々に悪影響を及ぼしたことを理解しています。募金など小さな行為ですが、自分の感謝の意を込め、COVID-19について学習すべき私に出来る第一歩として、今回の行動を決めました」

 ジャズのホームアリーナには800名以上のパートタイマーがいる。突然収入を失った彼らにとって、ゴベールの募金はどれほどの救いとなるであろうか。NBA選手としてCOVID-19に感染した一人目として扱下ろされたジャズの背番号27が、どのように復活するか、ファンに勇気を与えていくか。是非、見届けたい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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