WBSSバンタム級決勝、井上尚弥vs.ノニト・ドネア戦は足元にも注目だ!
2018年ロシアW杯決勝、フランスvs.クロアチア戦はNIKE社にとって大きなコマーシャルとなった。両チームのユニフォームが同社の製品だったからだ。その4年前、ブラジルW杯ファイナル、ドイツvs.アルゼンチン戦では、両チーム共にadidas社のユニフォームを着ていた。
さて、ついに明日ゴングが鳴るWBSSバンタム級の決勝で拳を交える両者は、日本が誇るミズノ社のリングシューズ、トランクスを身にまとって戦う。
井上はデビュー時から、ドネアはここ3年ほどミズノを愛用している。今回の来日以来、ドネアの足元、及びチームスタッフのいで立ちは、ミズノのオレンジが光る。
本コーナーで過去にも取り上げたが、ミズノを愛した最初の世界的ファイターは、WBCウエルター級チャンプのミルトン・マクローリーである。KRONKジムで汗を流していたマクローリーのシューズに目を留めた名伯楽、エマニュエル・スチュワードがその品質の高さを認め、トーマス・ハーンズやレノックス・ルイスにミズノを勧める。
その前後も、ジョージ・フォアマン、テリー&オーリンのノリス兄弟、マルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレス、リッキー・ハットンらがミズノを選んだ。
「ミズノがベスト。セカンドベストはない」
名王者たちは口々にそう語った。
具志堅用高と一緒にずっとミズノで現役生活を送った「200年に一人の天才ボクサー」亀田昭雄も言う。
「軽くて、踏み込みの時にグッと力を入れることが出来る。本当にいいシューズです。敢えて述べるなら、井上もドネアも同じ品質のシューズを履く訳だから、条件は同じ。あとはファイターとしての技量で勝敗がつきますね」
亀田に明日の試合を予想してもらった。
「井上は短期決戦にもっていくべきです。百戦錬磨のドネアはラウンドが進めば進むほど、経験を生かして井上を苦しめるでしょう。したたかにホールディングなどをする可能性もある。のらりくらりとドネアにペースを握られたら、流石の井上でも苦戦するかもしれない。
5階級制覇し、36歳ながら決勝まで登って来たドネアが底力を見せるような気がしますね。僕は50/50としておきます。井上にとっては、最強の相手になるでしょう。まぁ、井上にはまだまだ輝かしい未来がありますがね」
勝者としてミズノを脱ぐのは、どちらのチャンピオンか? 熱いファイトを期待したい。