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6月19日、幕張メッセ。WBAライトフライ級スーパーチャンピオン、京口紘人に注目だ!

林壮一ノンフィクションライター
13日にSHIBUYA109前で開かれた調印式で  撮影:山口裕朗

 WBAライトフライ級スーパーチャンピオンの京口紘人(12戦全勝9KO)が、19日にタナワット・ナコーンを迎え、同タイトルの初防衛戦を行う。ナコーンは11勝(5KO)無敗の元ムエタイ/ルンピニー王者。サウスポーである。

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 京口のトレーナーである井上孝志はナコーンについて、「ムエタイ出身なだけに身体が強いでしょうね。弱い挑戦者を選んだなんて言われるのは嫌ですから、敢えて無敗の選手をセレクトしました。ただ、このくらいの選手にしっかり勝たないと上には行けません」と語った。

 井上トレーナーは「京口はプロに入ってから5~6戦サウスポーとやっており、得意としている」と話したが、チャンピオン本人は「得意という程でもないですよ」と笑った。

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 オーソドックスがサウスポーを相手にした場合、右の使い方が試合を大きく左右する。

 京口は言う。

 「まぁ、右だけじゃなく、全体的にレベルアップを目指しています。どんなパンチでもいいのでノックアウトしたいですね。引き出しを増やすために一歩一歩やっているところですから。

 自分が出来る限りの調整をして、ベストを出せれば勝てると思っています。今回は“自分との戦いだな”と感じています。1週間フィリピンでキャンプを張り、上の階級の人ばかりと計20ラウンドのスパーをこなしました。非常にいい練習でした。海外で自分を追い込めたのが大きいです。成り上がってやろうと、ギラついている選手たちと接し、刺激をもらいました。日本にはいないハングリーなタイプばかりですよ」

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 井上トレーナーは、無敗で2階級制覇した京口の歩みを次のように振り返る。

 「出来過ぎ、予想以上です。上に行きたいという気持ちが強いから、ここまで伸びたのでしょう。ミニマムから階級を上げ、動きは格段に良くなりました。今回は、しっかり食べながら調整できています。ミニマム級時代は、試合直前のこの時期は、ウエイトを落とすことだけを考えて動いていましたから。

 ナコーン戦に向けてのスパーリングは110ラウンド強こなしました。もうバンバン動いて、こちらがビックリするようなパフォーマンスですよ。世界チャンピオンになって、気持ちにゆとりが生まれ、ボクシングにも幅が出ました。19日に勝利して、WBA正規王者と統一戦をやらせ、その後、時期が来たら他団体との統一戦という風に進んでいければなと思っています」

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 京口はKOでの防衛に自信を漲らせている。

 「正直、4ラウンドくらいでストップできるんじゃないかなと感じています」

 6月19日(水)幕張メッセ、イベントホール。WBAライトフライ級スーパーチャンピオン、京口紘人に注目だ!

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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