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NBAが16年ぶりにやって来る!

林壮一ノンフィクションライター
マルク・ガソールとジェームズ・ハーデンは日本でも火花を散らすか(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月8日(火)と10日(木)の両日、さいたまスーパーアリーナにおいて、NBAのプレシーズンマッチが催される。昨日、同イベントをプロデュースする楽天が記者会見を設けた。

 現在、楽天がスポンサードしている昨シーズンのチャンピオン、ゴールデンステート・ウォリアーズでも、渡辺雄太が在籍するメンフィス・グリズリーズでもなく、トロント・ラプターズvs.ヒューストン・ロケッツの2試合の開催が決まった。ちょっと意外な気がした。

 「今回の2チームについては、全30チームのスケジュールや移動面などを考慮し、NBA側と協議して、ラプターズとロケッツにご参加いただくことになりました。ウォリアーズはもちろん現チャンピオンチームですが、この2チームに関しても現在各ディビジョン首位の強豪ですので、日本でそのスーパープレーを楽しんでいただけるものと考えております」(楽天広報)

 過去にNBAのチームが来日し、本場の風を送り込んだのは全てシーズンの開幕戦であった。『スラムダンク』の大ヒットにより、日本にバスケットボールが根付きつつあった頃である。1990年から96年までは1年おきに、その後も99年、2003年と世界最高峰のプレーを日本のファンの前で披露した。

 個人的に期待しているのが、写真のマルク・ガソールである。2メートル16センチのセンター。スペイン出身の彼は、FCバルセロナのユースバスケットチームで頭角を現した。

 4歳上の兄を追うように2008年にNBA入りし、その後ずっとメンフィス・グリズリーズの一員として過ごした。が、今年の2月上旬にラプターズにトレードされ、新たなユニフォームを身に纏っている。オールスターにも3度選出されたベテランだけあって、他の選手の手本となる男だ。

 そして、ロケッツも勢いのあるチームである。(※昨シーズンは現地レポートしたhttps://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20180401-00083404/

 マルク・ガソールとヒューストンの顔であるジェームズ・ハーデン。どちらが多くの日本人ファンを獲得するであろうか。現場の記者により愛されているのは饒舌なガソールだ。ハーデンは口数が少なく、メディア泣かせと言ってもいい。

 全日本がワールドカップ出場を決め、Bリーグもそこそこ人気を得ているようだが、本場の一級品とは比較にならない。是非とも今回、日本のバスケファンは世界トップ選手の芸術的なプレーを体感してほしい。<本物のバスケットボール>は、NBAを見なければ決して味わえない。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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