NBA唯一無二のスター"KING"レブロン・ジェームズの不在
2勝5敗。
12月25日、ゴールデンステイト・ウォーリアーズ戦の第3Qで、左足の付け根を捻挫したレブロン・ジェームズは治療が長引き、目下欠場中である。KINGを欠いたレイカースは、ウォーリアーズ戦以降、1月8日までに7試合を消化し、2勝しかあげられていない。
特に、12月28日に行われたクリッパーズとのLA対決は、リードされながらも追いつき、一度は逆転に成功しながら、最終的には107-118で振り切られた(この日の試合会場となったステイプルセンターには1万8997人の観客が足を運び、チケットは完売した)。
ウォーリアーズ戦では、レイカースの司令塔、レイジョン・ロンド(今季、レイカースに移籍)[過去記事 [https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20180501-00084680/]も右薬指の靭帯を負傷し、3日後に手術を受けている。完治までに4~5週間かかる見込みだ。2人の大黒柱を失ったレイカースは、若手中心で構成せざるを得ない状況に置かれている。
クリッパーズ戦も、スターティング5のうち、カイル・クーズマ(23)、ジョシュ・ハート(23)、ロンゾ・ボール(21)の3名がNBAのキャリア2年目、ブランドン・イングラム(21)、イヴィチャ・ズバッチ(21)2名が3年目という布陣であった。
彼らは、NBA唯一無二の存在であるKINGレブロンから、プレーはもちろん、プロとして生きるための術を学習中である。各々が光るものを持っているからこそ、レイカースの一員になれた訳だが、まだまだ、NBAの舞台で相手を凌駕するレベルには到達していない。
レブロンより年長の36歳でプロ生活17年を誇る216センチのセンター、タイソン・チャンドラーは、クリッパーズ戦で24分プレーし、6得点、3アシスト、15リバウンドをマークしたが、試合後の控え室で苦虫を噛み潰したような表情で話した。
「若い選手には、『とにかく、目の前のことに集中しよう。ミスを恐れるな。失敗してもチーム全員でカバーすればいいから、アグレッシブに戦おう』と声を掛けた。今日は一時、10ポイントリードしていたのに…。若さが出てしまったかな。まぁ、この負けから学習して次に繋げないとね。やっぱりレブロンの不在は痛いね…」
八村塁の大学の先輩であるルーキー、ジョナサン・ウィリアムズに、レブロンの存在を質してみると「デカすぎて言葉で表現できないよ」との回答であった。
<KING>と呼ばれて久しいレブロンも、自分より10歳も若いチームメイトを育てながらチャンピオンリングを目指す立場となった。
「俺が生まれ育ったオハイオ州アクロンでは、何かを与えられるなんてことはまるで無かった。自分で懸命に働き、全てを手にして来た」
かつて、レブロンが語った言葉だ。アクロンの貧民エリアを出発点とするKINGの口から吐かれるセリフを耳にできるだけで、レイカースの若手はプロ意識を身に付けられるであろう。
KINGのいないドレッシングルームは、どこか寂し気だ。レブロンが怪我から回復し、若手を引っ張りながらコートで暴れる姿を、一日も早く目にしたい。