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大田区の町工場を「ニューメディア」で救え!中小企業診断士たちが立ち上がった

鎮目博道テレビプロデューサー・演出・ライター。
大田区の町工場「ハタノ製作所」 (川崎悟さん提供)

コロナ禍で多くの企業が大きな打撃を受けているが、ご多分に漏れず、町工場もその多くが危機に瀕している。そんな中、元気をなくしている大田区の町工場をなんとかして救えないかと中小企業診断士たちが行動を起こした。

大田区の町工場を中心に、販路開拓・営業支援のコンサルティング会社「合同会社セールス・トータルサポーターズ」を経営する中小企業診断士の川崎悟さんは、コロナ禍に町工場のコンサルティングを行い、町工場からの声を聴いていくうちに、元気がない町工場が多いことに気がついた。

また、町工場のなかにはコロナ禍で資金繰りなどが悪化、コンサルタントなどの支援者への報酬の支払いが困難になってしまったところもかなり見受けられた。そこで「コンサル以外で何か支援ができないか」と考え、町工場に特化したメディアを運営しようと考えたのだという。

そこで川崎さんらは、「中小企業診断士やコンサルタントなどのプロが書いた記事を無料で読めれば、自ら経営改善をすることができるのではないか」という思いで町工場に特化した新しいオンラインメディア「So×Zo」を立ち上げることを決意した。

川崎さんたちは大田区などの町工場40社にアンケートを行い、その結果まずは掲載内容を

①注目の取り組みを行なっている経営者のインタビュー

②中小企業診断士・コンサルタント・専門家によるお役立ち記事

(販路開拓、人材育成、補助金・助成金情報、健康、SDGsなど)

の2つに絞り込んだという。そして記事は、趣旨に賛同した仲間のコンサルタントたちが無料で執筆してくれた。今年5月にプレリリースを開始し、今月1日に正式ローンチに漕ぎ着けた。

川﨑悟さん(本人提供)
川﨑悟さん(本人提供)

川崎悟さん

「コロナ禍で日本の中小企業が大変な時だからこそ、我々中小企業診断士を中心とした経営コンサルタントが一丸となって日本の町工場をサポートすべきと考え、本メディアの立ち上げを決意しました。

今後は更に様々な方々のご協力のもと『So×Zo』をより良いメディアにしていき、1社でも多くの町工場の経営改善に繋げたいと考えております」

川崎さんは、将来的には大田区以外にもこのメディアを展開していけたらと考えているという。

テレビプロデューサー・演出・ライター。

92年テレビ朝日入社。社会部記者として阪神大震災やオウム真理教を取材した後、スーパーJチャンネル、スーパーモーニング、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。中国・朝鮮半島やアメリカ同時多発テロなどを取材。またABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」「Wの悲喜劇」などの番組を企画・プロデュース。2019年8月に独立し、テレビ・動画制作のみならず、多メディアで活動。公共コミュニケーション学会会員として地域メディアについて学び、顔ハメパネルをライフワークとして研究。近著に『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)

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