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「障がい者やろ」またプロゲーマーが不適切発言で炎上。所属チームは「2022年末まで活動停止」と発表

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
プロゲーミングチーム『REJECT』所属のSara選手。同社サイトより

 5月1日、プロゲーミングチーム『REJECT』に所属しているプロゲーマーのSaRa選手による「障がい者やろ」との不適切な発言がチームメイトのゲーム配信に流れて騒ぎとなり、所属チームが処分を下したことを発表しました。

「障がい者やろマジで」発言、チームメイトの配信で流れる

 問題の発言が出たのは同じチームに所属する別のチームメイトのゲーム配信画面で、ゲームのプレイ中にSaRa選手の「なんでそこクリアリングすんの? お前障がい者やろマジで」との音声が流れました。

 これに対してチームメイトは「Saraさん? 配信つけてるよ?」と不適切な発言が配信で流れたことを指摘しました。

 そして、この場面を切り抜いた動画がSNSを中心に拡散し、炎上する事態となりました。

SaRa選手「プロ選手として、社会人として、あるまじき発言をしてしまった」

 これを受けて所属チームは翌5月2日には「不適切発言に関するお詫び」をTwitterで発表

 その発表を引用リツイートするかたちで、SaRa選手は同日、

僕の不適切な発言によって、不快な思いをされた方々に心からお詫びします。

特定の誰かに向けた言葉ではなかったとはいえ、プロ選手として、社会人として、あるまじき発言をしてしまったことを深く反省し、

チームから正式な処分があるまで活動を自粛します。大変申し訳ございませんでした。

 と同じくTwitterで謝罪しました。

2022年12月末までの活動停止や選手報酬全額カットの処分

 そして5月3日、プロゲーミングチーム『REJECT』はSaRa選手に対して

  1. 2022年12月末までの選手活動停止
  2. 当該期間の選手報酬全額カット
  3. 社会貢献活動への参加

 の3つの処分を下すとともに、不適切発言は同社の監督不行き届きであり、選手やストリーマー、マネージャーを始めとする全スタッフに対して、コンプライアンス意識の徹底を図るために教育の見直しと研修を実施すると発表しました。

普段から、気をつけましょう。言葉遣い

 プロゲーマーによる不適切発言の炎上事例といえば、今年2月に起きた「人権ない」発言が思い出されますが、あのときも当事者は「いつもの配信の身内ノリで言葉が悪くなっちゃいました」と釈明していました(現在は削除)。

 今回の件はゲーム配信中における誰かに対しての発言ではなく、チームメイトの配信に不適切な発言が乗ってしまったかたちですが、「なんでそこクリアリングすんの? お前障がい者やろマジで」のセリフを聞くかぎりでは、特定の誰かに対して普通に喋っていると推測できます。

 つまり、普段からこのような不適切な発言をしていると考えられます。

 そうすると、今回のようにネットに流れてしまったときに騒ぎになってしまいますし、使い慣れているとゲーム配信中でもつい口から出てしまう可能性もあります。

 思わず小学校の壁に貼られてる標語みたいな小見出しをつけてしまいましたが、普段から言葉遣いに気をつけていれば、今回のようなことは起きません。

 どういった状況で「お前障がい者やろ」と相手を貶したのかはわかりませんが、「○○という理由でそこのクリアリング(敵がいるかいないか確認する作業)はしなくていい」などと適切な言葉で具体的な指摘をすれば、相手は不快な思いをしなくてすみますし、今回のようなことも起きません。

 さらに言えば配信に乗った場合や、配信中に喋ってしまったとしても、そういった適切な指摘であればゲーム配信をしているユーザーの役に立つかもしれません。

 コンプライアンス云々もけっこうですが、もう子供ではなく社会人なのですから、普段からまともな言葉遣いをするよう気をつけて欲しいものです。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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