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「人権ない」不適切発言で炎上の女性プロゲーマー、チームが選手契約を解除。プロゲーマー復帰は絶望的か?

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
削除されたたぬかな選手のページ。CYCLOPS athlete gamingより

 配信中に「身長170cmない男は人権がない」と不適切な発言をして炎上したプロゲーマーたぬかな選手の契約を解除したと、所属チームの『CYCLOPS athlete gaming(サイクロプス アスリート ゲーミング)』が17日に発表しました。

「人権ない」「骨延長手術して」と発言して炎上

 不適切な発言がされたのは2月15日に行われたライブ配信中のことです。

 たぬかな選手がデリバリーサービス『UberEats』を利用した際に配達員に「連絡先を教えて欲しい」と言い寄られて困った体験を話すなかで、配達員の男性の身長が低かったことに言及。

 その話の流れのなかで「(身長が)170cmはないと。正直、あの、人権ないんで。170cmない方は、俺って人権ないんだって思いながら生きていってください。骨延長の手術を検討してください」と低身長の男性に対して差別と取れる発言をし、炎上しました。

スポンサーのレッドブルがHPから選手情報を削除

 炎上後、たぬかな選手は「配信の内容をヘイトスピーチだと指摘されました。そういう意図ではありませんでしたが、不快に思われた方が多いようなので撤回します、すみませんでした。高身長が好きって言いたいだけでした…いつもの配信の身内ノリで言葉が悪くなっちゃいました、ごめんなさい~…」とTwitterで同15日に謝罪(現在は削除済み)。

 しかしながら発言の攻撃性や謝罪の文面なども影響してか炎上は収まらず、たぬかな選手の所属先である『CYCLOPS athlete gaming』が16日に「心よりお詫び申し上げます」と謝罪と同選手に対して厳重に対処することを発表

 スポンサーであったレッドブルも公式サイトからたぬかな選手のページを同16日に削除する事態となりました。

 また、たぬかな選手のTwitterのプロフィールに記載されていたゲームカルチャーブランド『GRAPHT(グラフト)』も、「2020年3月に契約は満了しており、すでにスポンサー関係にない」と現在は関係性がないこと発表しました。『GRAPHT』は炎上に巻き込まれたかたちになります。

所属チームとの選手契約は解除に

 そして炎上から2日後の17日、『CYCLOPS athlete gaming』はたぬかな選手との選手契約を解除したと発表しました。

 同チームは「たぬかな選手の配信中における不適切な発言と姿勢は、当社として決して容認できるものではなく、選手契約解除という判断に至りました。当社は、いかなる差別的・侮辱的な行為や言動・SNS等での発言も許されるものではないと認識しており、すべての人にとっての多様性を大切にしております」とコメントしています。

たぬかな選手は過去にも炎上例が

 今回の炎上により、たぬかな選手がプロゲーマーとして生活を続けるのはかなり難しくなったと筆者は見ています。

 と言うのもたぬかな選手は今回の不適切発言だけに限らず、過去にも過激な発言が原因で騒ぎになっているからです。

 今回の件ではかなり話が大きくなったためにその過去の発言も掘り起こされており、新たなスポンサーが出てくるとは考えにくいです。また、騒動になるたぬかな選手をあえて起用するチームも現れないでしょう。

 今後もファンを対象に配信者として活動を続けることは可能かもしれませんが、プロゲーマーとしての活動や人気配信者としてイベント出演などは非常に難しいと思われます。

 本人はライブ配信を見てくれている「身内に対してのノリ」だったのかもしれませんが、自身の選手生命を終わらせる最悪のノリだったと言えます。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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