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東京大学が「中国人は採用しません」の大澤特任准教授を懲戒解雇。差別や中傷など5つの事実を認定

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
東京大学の赤門(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

 東京大学は「中国人は採用しません」のツイートで炎上した東京大学大学院情報学環・学際情報学府の大澤昇平特任准教授を、1月15日付けで懲戒解雇の懲戒処分としたと同日に発表しました。

 懲戒解雇の理由としては、大澤特任准教授による以下の行為を事実として認定したためとのことです。

東京大学が認定した事実

  1. 国籍又は民族を理由とする差別的な投稿
  2. 本学大学院情報学環に設置されたアジア情報社会コースが反日勢力に支配されているかのような印象を与え、社会的評価を低下させる投稿
  3. 本学東洋文化研究所が特定の国の支配下にあるかのような印象を与え、社会的評価を低下させる投稿
  4. 元本学特任教員を根拠なく誹謗・中傷する投稿
  5. 本学大学院情報学環に所属する教員の人格権を侵害する投稿

 これらの事実から、大澤特任准教授の行為は教職員就業規則に違反することが認められ懲戒解雇の懲戒処分となりました。

軽い炎上だったはずなのに

 大澤特任准教授は2019年11月7日に『AbemaTV』で放送された「アドレスバーに鍵マークがついているサイト(HTTPS化)であれば90%ぐらいは安全」というセキュリティ上誤った内容のコメントをきっかけに注目され、そこから加速度的に炎上していきました。

 本来であれば最初の段階でコメント内容を訂正すればそれでおしまいというような軽い炎上だったのですが、コメントへの指摘を突っぱねたあとに47氏こと故・金子勇さんを犯罪者呼ばわりしたり、中国人への差別発言をしたり、最終的にはいわゆるネトウヨ的な発言を繰り返すようになりました。

 その結果が今回の懲戒解雇です。どうしてこうなってしまったのか、いまになっても本当によくわかりません。

 東京大学がきちんとした対応を行ったことだけが救いでしょうか……。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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