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YouTubeが「遺体動画」で炎上したローガン・ポールのチャンネルへの広告掲載を停止

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
「死」を強調する動画のサムネイル。反省とは何だったのか 写真:YouTube

 2月9日、YouTubeは「遺体動画」で炎上したアメリカの人気YouTuber、ローガン・ポールが運営するチャンネルへの広告掲載を一時的に停止したと発表しました。

 YouTubeは広告の掲載を停止した理由について「ローガン・ポールの最近のふるまいによるもの」としています。

自殺者を撮影した動画を投稿して炎上

 ローガン・ポールは2018年1月に来日した際、富士・青木ヶ原の樹海で発見した自殺者の遺体を撮影した動画を投稿。それを見た大勢の視聴者から批判され、炎上しました。

 この事態を受けてYouTubeはローガン・ポールと提携していた優先広告枠「Google Preferred(グーグル・プリファード)」の解除や、共同制作していた独自コンテンツの中断を発表したものの、通常の広告掲載については継続されていました。

 今回の発表では、その通常の広告すら掲載されなくなったかたちです。実際にローガン・ポールが運営する「Logan Paul Vlogs」にていくつかの動画を再生しましたが、広告はひとつも表示されない状態でした。

問題とされた「最近のふるまい」とは?

 YouTubeはどのような行動が広告の一時停止に踏み切ることになったのかは明らかにしていません。

 しかし、ローガン・ポールが最近投稿した動画をチェックしてみると、「ローガン・ポールが帰ってきた」のタイトルで自殺動画で批判した人たちをからかう、変装して「ローガン・ポールについてどう思う?」と聞いて回る、「(スカイダイビングの事故で)私が死んだはずの日」と題して視聴者を騙すといった内容の動画を確認できます。

 おそらくはこのどれかが、というよりもその全部。さらには炎上事件の反省のために「自殺防止」を訴える動画を投稿しておきながら、ジョークとして「死」を取り扱ったことがYouTubeの逆鱗に触れたのかもしれません。

 ただ、個人的に残念なのは復帰後に投稿されたこれらの動画には圧倒的多数の高評価が彼のファンからつけられていることです。遺体動画で炎上しようが他国で迷惑行為を繰り返そうが、ローガン・ポールを支持する人が減らないかぎり彼は同じことを繰り返すのではないでしょうか。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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