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小室圭さん文書公表後、「泥沼化」した眞子さま結婚騒動はどうなる!?

篠田博之月刊『創』編集長
眞子さまと佳子さま(写真:Motoo Naka/アフロ)

バッシングはエスカレートし、交渉も難航

 小室圭さんがいわゆる金銭トラブルについて説明した4月8日発表の文書をめぐって、週刊誌のバッシングはエスカレートし、元婚約者とのやりとりも難航。騒動全体が「泥沼化」の様相を呈している。前回、文書が公表された直後に下記の記事を書いたが、その続きを書いておこう。

https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20210410-00232047/

眞子さま結婚問題で小室圭さん文書発表の背後にちょっと匂うものがある

 小室文書ではこれまでの週刊誌報道を「名誉棄損、侮辱、プライバシー侵害など数多くの違法行為」と激しく非難していたから、逆襲にあうのではと思ったが予想通りだ。

 『女性自身』4月27日号は「小室圭さん『眞子さまより母守る』断ち切れない佳代さんの呪縛」、『週刊女性』4月27日号は「小室圭さん、新文書は空前の空振りマザコン文書」。『女性セブン』4月29日号に至っては「小室圭さん、秋篠宮家を屈服させた『録音する男』」だ。

 「録音する男」とは、文書の中に、圭さんが録音した母親と元婚約者の話し合いの一部を引用していたことを指している。そして宮内庁関係者のこういうコメントが書かれている。

 「小室さんは咄嗟に”隠し録り”をする人なのです」「これまでの眞子さまとのプライベートなやりとりも、音声録音や動画、写真、さまざまな方法で保存されている可能性があります。今後、結婚の行方が小室さんにとって納得のできない事態になれば、それらが暴露されてしまう可能性を、関係者たちは本当に恐れている」

 『週刊ポスト』4月30日号も「騒動の波紋『小室圭さんは秋篠宮殿下との会話まで隠し録りしていたかもしれない」という同趣旨の記事を載せている。

『週刊文春』が公開したプライバシー情報

 気になるのは『週刊文春』4月22日号「小室圭さんのウソ 証拠音声を公開する」だ。ここでは小室さんが録音したのと別の話し合いのやりとりが文字化され、同誌電子版では何と、その生の音声の一部が公開された。こちらは元婚約者側が録音したものだろう。

 つまり双方が話しあいを録音したテープの、自己に都合の良い部分を公開しているのだ。この間、私的にやりとりしたLINEが週刊誌に公開されてしまうといった事例が続発しているが、プライバシーをめぐるこうした風潮には危うさを感じざるをえない。

 元婚約者側が録音したと思われる内容は、翌週の『女性セブン』5月6・13日号も公開した。見出しは「眞子さまが異様な心酔 小室圭さん母の泣き落とし肉声独占公開」だ。

 小室さん側は文書公表から4日後の12日に、元婚約者に解決金を支払うという提案を発表した。騒動を早く収束させて結婚話を進めたいという意向の表明なのだろうが、元婚約者側がそれを拒否したため、宙に浮いた形になってしまった。

エスカレートした週刊誌のバッシング

 週刊誌のバッシングは、その後、さらにエスカレートしている。

 『週刊女性』5月4日号「宮内庁が一転 小室圭さんの背信エゴに大激怒!」、『女性自身』「眞子さま”共謀の代償”で皇室追放へ」。何ともすさまじいタイトルだ。 

 ただ記事の中身はというと、宮内庁が一転して小室さんに大激怒したというのは、客観的事実ではなく関係者の匿名コメントだ。

 眞子さまが小室さんと行動を共にした「共謀」により「皇室追放へ」というのももちろん匿名コメントなのだが、これについては前回の記事でも説明した。「小室さんと結婚される前に眞子さまが”皇籍離脱”をする、そして一般人となられた上で結婚する」といったものだ。そうすれば納采の儀などの儀式は行わなくてよいことになるという。

 この考え方は以前から報じられており、どうも眞子さまは結婚に踏み切るひとつの方策として真剣に考えているようなことも伝えられてきた。それは「追放」と呼ぶべきものでなく、結婚を前へ進めるための手段として検討されていると考えるのが実態に近いのだと思う。それを敢えて見出しで「追放!」と謳うところが週刊誌の手法なのだが、確かにこのタイトルにはぎょっとした人も多かったろう。

母親佳代さんが元婚約者に送ったメール

 さらに驚いたのは『週刊文春』4月29日号「小室母『年金詐取』計画口止めメール」だ。

「週刊文春」4月29日号(筆者撮影)
「週刊文春」4月29日号(筆者撮影)

 何と母親佳代さんが元婚約者に送ったメールが写真入りで詳細に紹介されている。夫を亡くして遺族年金を得ていた彼女が、それを受け取るために正式入籍までは事実婚のことを伏せてほしいなどと元婚約者に依頼した内容だ。その内容以前に、そんなプライバシーまでもが暴露される騒動のあり方に驚いてしまう。

 元婚約者自身は、関係の深い『週刊現代』4月24日号「母の元婚約者独占インタビュー 小室圭さんの『文書』を読んで」に登場、4月12日に小室圭さんが提示した解決金は受け取らないと言明。同時に「自分という存在が眞子さまと圭君の結婚の障害になっていると自覚があり、悩み続けていた」とも語っている。

 彼は以前から、金銭トラブルが結婚の障害になっているのは本意ではないと言っているのだが、そうであれば自分のもとへ届いた私的メールまで週刊誌に流出しているのはどういう事情によるのだろうか。

『週刊現代』4月24日号(筆者撮影)
『週刊現代』4月24日号(筆者撮影)

 ちなみに元婚約者と『週刊現代』の関係だが、本人も同誌で語っているように、正式に弁護士をつけると費用がかかると言った理由で、取材で知り合った同誌記者に小室家側との交渉で代理人になってもらっている。こういう騒動の渦中でメディアがこんなふうに関わるというのは、微妙な問題でもあるが、同誌は4月24日号の記事中で、報酬は受け取っていないし、小室家と元婚約者との交渉の過程で知り得た事実を記事に反映させることもない、と書いている。

宮内庁に抗議電話が殺到?

 『週刊新潮』4月29日号によると、小室さんの文書公表以降、宮内庁への抗議電話が殺到しているという。ワイドショーのコメンテーターが言ったことまで「一体どうなっているのか」と質してくる人もいるそうだ。

 『週刊朝日』4月30日号が小室さん文書についての緊急アンケートの結果を掲載している。文書が十分な説明になっていないと回答した人が94%だが、回答者が「女性が八割超」だったことも特徴的だという。40~50代女性が、自分の娘の結婚をイメージして、眞子さまの小室さんとの結婚についていろいろ危惧しているのでは、と記事は分析している。

  小室圭さんの文書発表に際して、眞子さまのコメントが披露されたり、宮内庁長官が文書を評価する感想を述べたりと、4月8日の文書公開には明らかに、暗礁に乗り上げている結婚問題を何とかして打開し前へ進めようという意思が働いていた。

 しかし、結果的にそれはそう簡単でないことが明らかになってしまった。眞子さまと小室さんという当事者の意思が固ければ、それでもなお事態は進んでいく可能性もあるが、今回の騒動の成り行きには、関係者は改めて頭を抱えたのではないだろうか。

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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