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IZ*ONEの再始動を求めて2億円を集めたファンたち‥‥気になる“解散後の動き”

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
IZ*ONEのチョ・ユリ、 キム・チェウォン、 チェ・イェナ(写真:アフロ)

日本と韓国で大人気のK-POPガールズグループ「IZ*ONE(アイズワン)」が、4月末でついに解散となる。

何か問題や不祥事を起こしたわけではない。今年4月の解散は、もともと予定されていたものだ。

そもそも12人組のプロジェクトグループであるIZ*ONEは、2018年にオーディション番組『PRODUCE 48』を通じて結成された。

『PRODUCE 48』は様々な芸能事務所に所属する練習生たちが競争し、サバイバルを繰り広げ、グループとしてデビューする番組だった。そのため一定期間が過ぎれば、IZ*ONEは解散となり、各メンバーはそれぞれの所属事務所で活動することになっていた。

つまり、その「一定期間」の最後が今年4月であり、解散は既定路線でもある。

「解散しないで」2億円を集めたファンたち

もし想定外があるとしたら、彼女たちの人気があまりに高いということだ。

新曲を発表するたびに日韓の音楽チャートを席巻し、YouTubeのミュージックビデオも再生回数1億回を超える。日本人メンバーの宮脇咲良などは韓国でも非常に人気が高く、インスタグラムをアップするたびにメディアに取り上げられるほどだ。

(参考記事:【写真】IZ*ONE宮脇咲良、大胆すぎる肩見せ衣装で美スタイル披露

そのため活動期限である今年4月が近づくにつれ、「こんなに人気のガールズグループを本当に解散させるのか」といった声があちこちから出てきた。

だが、『PRODUCE 48』を制作・放送した韓国の音楽専門チャンネルMnetは先月3月10日、「アジアを代表するガールズグループに成長したIZ*ONEのプロジェクト活動は、予定通り4月に終了することとなりました」と発表。

解散の経緯についてMnetは、「MnetとSWINGエンターテインメント、OFF THE RECORDエンターテインメントはプロジェクトの終了を前に12人のメンバーにとって最善の活動を考え、各自の所属事務所の意見を聴取しながら議論を続けてきた」と説明した。

残念ながら解散は決定事項というわけだ。

ただ、熱烈な一部のファンたちはまだ、一縷の望みをもって解散をあきらめきれていないのかもしれない。

というのも4月21日、韓国のクラウドファンディング・プラットフォーム「wadiz」には、「IZ*ONEの再ローンチのための小さな一歩、並行宇宙プロジェクト」というタイトルのクラウドファンディングが掲載されていたのだ。

これはIZ*ONEのファン連合「並行宇宙プロジェクト運営委員会」が展開するクラウドファンディングで、彼らは4月以降のIZ*ONE活動再開を目標にこのプロジェクトを立ち上げたそうだが、その募金の勢いがすごい。

目標額は10億ウォン(約1億円)となっていたのだが、4月21日9時30分の開始から30分も経たずに達成。同日15時には17億4000万ウォンまで増加し、翌4月22日には20億ウォンを超えた。

現金な話になるが、IZ*ONEが再結成すれば、これだけの購買力があるということを証明したとも言えるだろう。すでにサポーター数は1万2000人に達しており、韓国メディアによれば、1000万ウォン(約100万円)を出した人が12人、100万ウォン(約10万円)を出した人が830人に上ったそうだ。

すでに解散後を見据えた動きが…

ただ、その熱い思いは届かない可能性が高い。すでに韓国では“解散後”を見据えた動きが報じられているからだ。

IZ*ONEメンバーたちには現在、広告業界からラブコールが続いており、解散後の所属事務所も準備に追われているという。『スポーツソウル』芸能班の取材に応じたとあるメンバーの所属事務所関係者によると、「具体的な提案が持続的に入ってきている。ひとまずは解散日まで待ってもらっている状態」だそうだ。

また、メンバーの何名かは新しいガールズグループへの参加を検討している者もいるらしく、女優業転身を目指して当面はソロで活動したいという意向を示した者もいるらしい。

いずれにしてもIZ*ONEの多くのメンバーたちが“4月29日”以降を準備していることだけは間違いなさそうなのだ。

ファンの熱い気持ちも十分に理解できるものの、IZ*ONEメンバーたちはすでに解散後を見据えているのだろう。次のステップに進む彼女たちを素直に応援したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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