仏では「ネタバレしたら殺す」とも。世界で122の賞を受賞した映画『パラサイト』

日本プロモーション時のソン・ガンホ(左)とポン・ジュノ監督(右)(写真:Keizo Mori/アフロ)

韓国の巨匠ポン・ジュノ監督の最新作『パラサイト 半地下の家族』(以下、『パラサイト』)が、いよいよ本日1月10日から日本全国で公開される。

韓国では『パラサイト』は昨年5月に公開され、観客動員数1000万人を突破した。映画ファンから絶大な信頼を得ているポン・ジュノ監督の最新作であることもさることながら、“カンヌ効果” が加わった結果であると言えるだろう。

『パラサイト』は昨年の第72回カンヌ国際映画祭長編コンペティション部門で最高賞パルムドールに輝いたことを皮切りに、世界各国でこれまで122の賞を受賞し、賞賛の嵐を巻き起こしている。

(参考記事:カンヌ最高賞に輝くポン・ジュノ監督『パラサイト』、何が評価されたか)

先日開催された“アカデミー賞の前哨戦”とされる第77回ゴールデン・グローブ賞では、外国語映画賞を受賞して再び映画業界を騒がせた。

昨年6月に公開されたフランスでは観客動員170万人を突破。アメリカでは昨年の外国映画興行収入ランキングで1位だったというのだから、芸術性と娯楽性の両方を兼ね備えたことに疑いの余地はない。

アメリカ・メディアの『ハリウッドレポーター』などは「アカデミー賞の歴史を変えるか!?」と、アカデミー賞の可能性にも期待しているようだ。

実際に韓国映画振興委員会は、来る2月に開催される第92回アカデミー賞の国際長編映画賞(旧外国語映画賞)の韓国代表作品として『パラサイト』を選定している。

今年の国際長編映画の大本命との声もあり、もし『パラサイト』が受賞すれば韓国映画史上初の快挙となるため、多くの関係者が動向を注視している状況だ。

日本では全国公開に先駆け、特別先行公開が行われたが、満席続出だったと聞く。

ポン・ジュノ監督作品と言えば、『殺人の追憶』『母なる証明』『グエムル-漢江の怪物-』『スノーピアサー』などが有名だ。いずれも鋭い洞察力を下地にしつつ、ユーモアや風刺もあって独創的。『パラサイト』はそれに加えて世界的に共感できる普遍的なテーマを巧みに描いているだけに、日本での興行成績も期待したいところだ。

ちなみに、昨年のカンヌ国際映画祭では公式上映前にポン・ジュノ監督が直々に作成したネタバレ厳禁を乞うメッセージが配布された。

フランスでの公開時には「ネタバレしたら殺す」という穏やかではないコピーのポスターが話題になり、日本のプロモーションビデオに至ってはポン監督が自ら日本語で「ネタバレしないでください」と呼びかけていた。

『パラサイト』は1分たりとも無駄なシーンがなく、最後まで見逃せない作品だ。特にチェ・ウシク演じる長男ギウが最後に言い放つセリフを聞いた瞬間、頭を殴られたかのような感覚に陥るかもしれない。

日本の映画ファンもネタバレに注意しつつ、ポン・ジュノ監督が切り開いた想像を絶する物語をぜひ楽しんでほしい。