奇抜なヘアスタイルも話題の韓国GKは何者?不甲斐ないスウェーデン戦の「唯一の収穫」

(写真:ロイター/アフロ)

やはり韓国が敗れてしまった。

ロシア・ワールドカップF組の初戦。韓国はスウェーデンと対戦し、下馬評を覆すことなく0-1で試合を終えた。

試合前には芸能人たちが韓国サポーターの呼び名である「プルグン・アンマ」(赤い悪魔)に扮して応援を呼びかけ、光化門(クァンファムン)広場やソウル市庁前での街頭応援にも約2万人のサポーターが集まり美女応援団も話題になったというが、その期待にも応えることはできなかった。

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何より、試合内容も不甲斐ないものだった。

筆者もニジニ・ノブゴロドスタジアムで直接試合を観ていたが、かねてから弱点と言われてきた不安定な守備も改善されておらず、序盤から守備的に戦いながらあわや失点という場面があまりに多かった。さらには単純なミスも連発し、スウェーデンの守備を崩す攻撃のアイデアも不足していたのだから当然だろう。

試合前後にはKFA(韓国サッカー協会)の専務理事を務めるホン・ミョンボとも話す機会があったが、この日の試合内容には厳しい表情を浮かべるばかりだった。

失点の場面も、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の判定によってPKを献上したことが物議をかもしているが、スタジアムで直接観ていても、あのキム・ミヌ(尚州尚武)のスライディングはPKを取られても仕方なかった。

「チョ・ヒョヌのセーブがなければ、2、3点差もあった」

ただ、韓国記者たちは試合後、こんなことも話していた。

「チョ・ヒョヌのセーブがなければ、2点差、3点差をつけられていたかもしれない」

GKのチョ・ヒョヌの活躍が目立ったことが、この日の唯一の収穫だったということだ。

前半20分には、1対1の場面でマルクス・ベリのシュートを右膝でブロック。その後も後半11分のセットプレーの場面でオラ・トイヴォネンのヘディングシュートを防ぐなど、再三、韓国のピンチを凌いだのだからそれも当然だろう。

もっとも、チョ・ヒョヌがそれほど注目されていることには、その経歴も関係している。

というのも、チョ・ヒョヌの代表経験はこれまで6試合のみ。ワールドカップの出場経験もない。ブラジル・ワールドカップにも出場し、この4年間、正GKとしてプレーしてきたキム・スンギュと比べると、圧倒的に経験が少ないのだ。

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さらに言えば、チョ・ヒョヌはロシアまでわずか半年あまりの間にシン・テヨン監督の信頼を勝ち取っている。

そもそもチョ・ヒョヌは、2013年にKリーグの大邱FCでプロデビューし、クラブでは主力として活躍してきたが、その多くは当時「チャレンジ」と呼ばれていた2部リーグだった。2015年から代表に招集されてきたが、なかなか出場機会も得られなかった。

しかし、昨年の11月にホームで行われたセルビア戦で代表デビューすると、いきなり好セーブを連発。キム・スンギュがケガで離脱した同12月のE-1選手権でも韓国の優勝に貢献し、最優秀GKにも選ばれている。

昨季はKリーグの最優秀GKにも選ばれたチョ・ヒョヌは、その後も存在感を発揮。ロシア前の最後のテストマッチとなった6月11日のセネガル戦でもスタメン起用された。

そして、昨日のスウェーデン戦である。昨年11月のデビューから、半年あまりの間に大出世を果たしたのだから、韓国記者たちが注目するのも不思議ではないだろう。

奇抜な髪形の“モデル”と「公開プロポーズ」

また、日本のメディアでも取り上げられているように、その奇抜な髪形も注目される理由の一つだ。

韓国のGKの奇抜なスタイルと言うと、多くの日本のサッカーファンたちが98年のフランス・ワールドカップにも出場したキム・ビョンジを思い浮かべるのではないだろうか。

なぜか後ろ髪だけロン毛で、しかも金髪というスタイルは強烈だったが、奇しくもチョ・ヒョヌがサッカーを始めたのは、そのキム・ビョンジがきっかけだという。

チョ・ヒョヌは大邱FC入団当時のインタビューで、フランス・ワールドカップのメキシコ戦でキム・ビョンジを観てGKになりたいと思ったと話しているのだ。

もっとも、チョ・ヒョヌはロールモデルとしてスペイン代表のデ・ヘアを挙げており、「(デ・ヘアに)近付けたわけではないけれど、似たような髪型になった」とも語っている。独特なヘアスタイルは、キム・ビョンジよりもデ・ヘアの影響が大きいのかもしれない。

しかもチョ・ヒョヌは、ヘアスタイルのみならず私生活もユニークだ。

2016年12月に3つ歳上のイ・フィヨンさんと結婚したが、自身のプロ100試合目のホーム戦で、大観衆が見守る中で公開プロポーズを行なった。

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こうした経歴と派手なキャラクターも相まって、チョ・ヒョヌの活躍に注目が集まっているのである。

ただ、そんなチョ・ヒョヌの活躍にしか希望を見いだせないほど、韓国の戦いが不甲斐なかったことも事実だ。

まして、左サイドバックでスタメン出場したパク・チュホがハムストリングを負傷。開幕直前から怪我人が続出し、“ワールドカップ恒例の魔のジンクス”などと言われたが、ただでさえ手薄なサイドバックからまたも故障者が出たのだから痛い。

不安が残る結果となった韓国のロシア初戦。次のメキシコ戦で勝ち点を取らなければグループリーグ突破は絶望的だが、この状態では次の試合も厳しい戦いになることは間違いなさそうだ。