5年ぶり主演映画『蝶の眠り』も公開。中山美穂はなぜ、今も韓国で変わらぬ人気と知名度を誇るのか

『蝶の眠り』公式パンフレットより

5月12日から全国ロードショーされている映画『蝶の眠り』。女優・中山美穂が5年ぶりに映画主演したことで話題だが、実はこの映画、昨年秋に一足早く韓国で公開されている。

釜山映画祭レッドカーペットにも登場

昨年10月に行われた第22回釜山国際映画祭のガラ・プレゼンテーション部門に招待出品されて話題を呼んだ。長編デビュー作『子猫をお願い』(2001年)で日本でも有名な女性演出家チョン・ジェウン監督の13年ぶりの新作であったこともさることながら、『蝶の眠り』の主演女優が中山美穂であったことも、その理由だろう。

(参考記事:中山美穂も登場!!歴代の釜山国際映画祭レッドカーペットからピックアップ!! 人気女優による“露出バトル”)

もっとも、多くの韓国メディアが盛り上がるのは無理もなかった。韓国において中山美穂の知名度と影響力は計り知れない。

それを物語るひとつの例が、韓国で都市伝説のように囁かれている「オゲンキデスカ」だろう。

日本語の定番挨拶は「こんにちは」や「こんばんわ」だが、なぜか韓国では「お元気ですか?」という挨拶が広く知れ渡っており、筆者も韓国での仕事で30代後半から40代の男性と顔見知りになると、「オゲンキデスカ?」と冗談交じりで声をかけられることが多いのだ。

『Love Letter』の韓国における人気度

そして、この「お元気ですか?」というフレーズを韓国に定着させたのが、中山美穂でもある。岩井俊二監督の映画『Love Letter』で主人公を演じた中山美穂が、劇中内で「お元気ですかー?」と叫ぶシーンが元になっているのだ。

そんな名残りもあって、昨年10月の釜山国際映画祭にやって来た中山美穂の釜山国際映画祭参加を伝えるニュースの中には、「中山美穂、オゲンキデスカ~」(『TVリポート』)と伝えるところも多かったほどだ。

ちなみに韓国で映画『Love Letter』が公開されたのは、1999年。韓国では前年1998年に日本の大衆文化が開放となり、その流れの中で公開された『Love Letter』は当時、全国的に観客動員数115万人を記録する大ヒットとなった。

以降、韓国では多くの日本映画が公開され、『君の名は。』といったアニメが人気で、特にジブリ作品は『千と千尋の神隠し』が日本映画史上初の観客動員数200万人突破、『ハウルの動く城』が初の300万人突破などを果たしているが、韓国で初めて100万任突破した映画は『Love Letter』だった。

(参考記事:韓国の映画ファンが評価するスタジオジブリ作品のベスト10とワースト1位は?)

しかも、『Love Letter』は2013年と2016年にリバイバル上映もされている。「恋愛映画のクラシック」「“冬に見たい映画”の最高峰」と言われているほどで、中山美穂を今でも“清純の象徴”というファンも少なくない。

最近は日韓で活動する藤井美菜が韓国で“清純のアイコン”と呼ばれているが、中山美穂は韓国人の心を初めて掴んだ日本人女優とも言えるだろう。

中山美穂の同年代の韓国女優は誰?

そんな彼女が映画『蝶の眠り』では、実年齢よりも年齢が上の50代の女性作家に扮し、アルツハイマーに侵されていく日々の中で出会った韓国人留学生に惹かれていくという新境地を披露したのだから、釜山映画祭でも韓国メディアの評価も上々だった。

「映画『Love Letter』で人気を集めた日本の中山美穂は小説家の涼子に扮し、堅実で優雅な人物像を完成させた。 何よりも涼子は女性監督が手掛けたこともあって、より主体的で意志が強い人物として描かれている。これまでのメロドラマでは見られなかった女性キャラクターの登場だ」(韓国メディア『MNBニュース』)

1970年生まれの中山美穂も今年で48歳。韓国で彼女と同世代の女優といえば、キム・ヘスが挙げられる。

現在、フジテレビで放映中のドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』の韓国オリジル版で、吉瀬美智子と同じ役どころの女性刑事を演じた女優だが、キム・ヘスも中山美穂と同じように中学時代に芸能界デビューし、今も第一線で活躍しているだけに、中山美穂も『蝶の眠り』で第二の全盛期を迎えることができるだろうか。

(参考記事:アンチはゼロ!? セクシー&ゴージャス女優、キム・ヘスの知られざる凄さとは)

韓国では9月に公開されることが決まっている『蝶の眠り』。韓国の中山美穂ファンや映画マニアたちも、まずは日本での反響や評価に注目しているに違いない。