韓国を訪れる外国人観光客が1年ぶりに好転!! だからこそ改善したいインバウンドの根本問題

韓国を訪れた中国人観光客は前年同月比11.8%増加している(写真:ロイター/アフロ)

ゴールデンウィークが終わった。海外で大型連休を過ごした人々も多いことだろう。今年は香港や韓国などの近場が人気だったそうだが、実は韓国でも日本からの訪韓外国人が多くなると見込んでいた。

韓国観光公社は、今年のゴールデンウィーク期間中に日本からの観光客が7万5000人強になると予想していたのだ。昨年のゴールデンウィーク期間中は6万5449人だったが、それよりも約15%は増加すると見ていた。

実際にその予想数字に到達したかは現時点では不明だが、韓国観光公社が昨年よりも約15%増を予想したくなるのも当然だろう。

というのも、韓国を訪れる外国人観光客が1年ぶりに増加しつつあるからだ。

韓国観光公社が発表したところによれば、去る3月の訪韓外国人観光客数は前年同月比10.7%増加した136万6000人。その要因としては、平昌五輪の成功で韓国の認知度が上昇したこと、朝鮮半島の緊張が緩和されたこと、中韓関係が改善傾向にあることなどが挙げられていた。

では、どの国の人が韓国を訪れているのだろうか。数字を見ると、軒並み増加していることがわかる。

世界各国の人が韓国を訪れている?

例えば中国からは前年同月比11.8%増の40万3000人、アジア中東地域からは同16.4%増の44万1000人。アメリカ(10.5%増)、カナダ(15.3%増)、ロシア(12.1%増)、ドイツ(6.5%増)、台湾(26.3%増)、香港(30.3%増)、ベトナム(49.7%増)といった具合だ。

日本からの観光客も増えているらしい。3月に訪韓した日本人は7.3%増の29万4000人にも上る。

韓国メディアもこうした状況を詳しく報じており、「3月の外国人観光客、1年ぶりに二桁成長」(『ヘラルド経済』)、「3月の訪韓外国人観光客137万人…1年ぶりに成長傾向に転換」(『聨合ニュース』)と、歓迎するムードだ。

とはいえ、このまま増加傾向が続くと考えるのは早計かもしれない。

「もう二度とごめんだ!!」と嘆く中国人観光客

例えば中国人観光客が減少した原因は“禁韓令”にあるとされていたが、それ以前から「韓国旅行はもう二度とごめんだ」と嘆いていた中国人観光客が少なくなかったという現実があった。

(参考記事:「もう二度とごめんだ!!」 中国人観光客が韓国にガッカリする理由とは

韓国を取り巻く情勢が変化したとしても、たびたび指摘される「観光資源の不足」などの根本問題は、いまだに解決されていないというのも現実なのだ。その証拠といえるのが、外国人観光客のリピート率の低さでもある。

その数字を日本と比べてみるとわかりやすい。

以前、『聨合ニュース』が報じたところによると、日本を訪れた外国人観光客のリピート率は61.6%もあったが、韓国は38.6%に過ぎなかった。

日本と韓国の差は“リピート率”

外国人観光客が日本と韓国で「主に何をしているのか」という点にも差があった。

例えば「食事」に関してみると、訪日外国人観光客が95.0%に対して、訪韓外国人観光客は51.0%と、日本と韓国で倍近くも数字のズレがあった。

この数字だけ見て、「訪日外国人は日本食を楽しむ人たちが多いが、訪韓外国人は韓国料理をさほど好んでいない」と決めつけることはできないが、韓国でも日本の和食や外食チェーンが人気なくらいなのだ。

(参考記事:「サムギョプサル寿司」に「プルコギカレー」。韓国で“現地化”する日本の外食チェーンの実態)

韓国としては外国人観光客に好まれるような“食の多様化”も推し進めなければならないだろう。

航空会社や空港のトラブルも…

また、韓国への入口となる空港や空の交通網の“整備”も急務だろう。

というのも、韓国を代表する仁川空港は、定時運航率(出発予定時刻以降15分以内に出発した便数の割合)が世界最低レベルと指摘されたことがある。

アメリカの航空統計専門サイト「FlightStats」によれば、仁川空港の出発遅延時間は平均43.9分というのだから改善が求められる。

また、大韓航空などはナッツ姫に続き“水かけ姫”がパラハラ問題を起こし、今やイメージ暴落どころか信用失墜という状況だ。“水かけ姫”ことチョ・ヒョンミン専務は公に謝罪し警察に出頭もしたが、依然として国民たちの怒りは収まらない。

(参考記事:あの“ナッツ姫”の妹が「パワハラ騒動」!! 激怒して水をぶっかけた彼女の謝罪文の中身とは?)

今回発覚した不祥事で大韓航空の“不乗運動”なるものが韓国国民たちの間で起きているようだが、それが世界にまで広がればKAL機を使って韓国にやって来る外国人観光客も少なくなってしまうかもしれない。

女性観光客にとって危ない国とも

何よりも最近の韓国では外国人観光客、とりわけ女性観光客のトラブルが増えているという。

オーストラリアでは、これまで「女性観光客にとって危ない国ランキング」のトップはインドだったが、最近は韓国の名が挙がるようになってしまったほどだ。

こうした不安要素や課題を抱えつつも、少しずつだが好転の兆しも見え始めた。先月の南北首脳会談によって朝鮮半島の緊張状態がさらに緩和し、訪韓外国人観光客の増加傾向は、ますます加速するかもしれない。

実際に、4月に入ってDMZ(非武装地帯)を観光コースに申請した数字が42%も増加したという報道もあった。ゴールデンウィーク期間中に韓国を訪れた日本の観光客も多いことだろう。

だからこそ韓国を訪れた人たちが安全・安心・快適に楽しめるように、韓国は一層の努力が必要になってくる。

次は夏の観光シーズン。韓国を訪れる外国人観光客たちが満足し、「また行きたい!!」と思われるような取り組みが行われていくことを引き続き期待したい。