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解散してしまった元K-POPアイドルの告白。日本でも人気だったRAINBOWのジスクはいま…その3

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
ジスク(写真提供=Dmost Entertainment)

【日本のファンへの直筆メッセージも!】

近年、韓国で急速に認知されつつある「オドック」という造語をご存じだろうか。

オタクを韓国風に発音して生まれた造語で、最近では「夢中になれるような趣味を持つ人」を意味する名詞として、一般的に使われるようになった。

(参考記事:日本アニメのコスプレが韓国でも人気。日韓関係を好転させる可能性秘めた“オドック”とは?)

日本語直筆メッセージも書く“オドック”ジスク

「ドラえもん」のオドックとして有名な俳優シム・ヒョンタクや、「コスプレ」オドックとして知られる“美しすぎる声優”ソ・ユリのように、韓国では芸能人の中にもオドックを名乗る人が増えている。

そんな中で女性アイドルでありながらオドックであることを告白した人物こそが、RAINBOW出身のジスクだ。

彼女は「ゲーム」や「機械いじり」のオドックとして名高く、アイドル時代に立ち上げたブログでは自身の趣味を事細かく紹介しており、本業よりも“パワーブロガー”として注目を浴びたほどだ。

そんな多彩な趣味を持っていることについて問うてみると、ジスクは目を輝かせながらこう語る。

取材終了後、何か書き始めたジスク(撮影=LEE HANA)
取材終了後、何か書き始めたジスク(撮影=LEE HANA)

「子供の頃からモノに触ったり、何かを作ったりするのが好きでした。自分でパソコンの部品を交換・追加していましたし、ゲームやフィギュアにも興味があったんです。

ブログを立ち上げたのは、そういう趣味についてファンの方々と共有し、情報を提供したかったから。アルバムの準備でブランクができるとその期間を有意義に過ごしたいという考えもありました。

私が特に好きなのは、IT関係の機械ですね。新しい機械に出会ったらとりあえず取説を見ないでいじったりします。今は某電子会社のコラムも書かせて頂いているんですよ」

ゲームにフィギュアにIT関連のウンチクコラム。誤解を恐れずに言えば、どれも“女性にしては珍しい”と言えるものばかりだが、しかも、それだけではないらしい。

「写真にもすごく興味がありますね。もともとカメラは(機械として)好きでしたが、ブログを運営しながら写真を撮るようになって、どうすればもっといい写真が撮れるんだろうと、本格的に学ぶようになりました」

写真が趣味で個展まで開いてしまったジスク

写真を趣味とする芸能人やアイドルは多い。韓国芸能界ではインスタグラムに関連したさまざまなランキングもあるほどだ。

(参考記事:真のインスタグラマーは誰だ? 今年最も“いいね”されたK-POPアイドルが判明!!)

ただ、ジスクの場合はかなり本格的で、彼女の作品はオンラインを飛び出して現実世界で写真展を開くほどの腕前だというのだから、その多才さには驚きだ。

「趣味に夢中で写真ばかり撮っていたら、写真展を開くという貴重な経験もできて。私の趣味を集めたブログが、また新たな趣味を与えてくれたんですね(笑)。そういえば、写真展の時に日本のファンの方もいらっしゃいましたよ。とても嬉しかったです」

ここで一つ気になったことがある。ゲームにフィギュアにカメラなど、ジスクの趣味は日本でも人気のものばかりだ。訪日の際は、趣味に関する情報を求めたりするのだろうか。

「趣味が趣味なだけに、日本に遊びに行くと中古のカメラ店を巡ったり、フィギュアもたくさん見たりします。特に韓国で未発売のゲームをたくさんチェックしますね。私は日本のゲームが大好きで、いろいろ情報を仕入れるんです。

最近好きなのはPCゲームの『アトリエ』シリーズ。実は、『ソフィーのアトリエ』と『フィリスのアトリエ』韓国版OSTにボーカルとして参加させていただいているので、愛着を感じます。

ストーリーやグラフィック、サウンドなどが、日本特有の美しさで満ちていますよね。日本のゲームのクオリティーにはいつも驚かされます。思えば、私の趣味部屋にあるほとんどの商品がMade in Japanのような…(笑)」

日本のサブカルチャーを愛し楽しむ韓国アイドルたちは多い。ガールズアイドルたちの間で「姫カット」に「ことりベージュ」など日本のアニメキャラのヘアスタイルが流行ったこともある。

RAINBOWファンたちへの直筆メッセージ

それに“オドック”としての魅力は、ジスクのタレント活動にもポジティブな影響をもたらしているという。バラエティ番組でトークのネタが尽きることはないし、一風異なるユニークな元アイドル・キャラとして、存在感を高めているところだ。

(参考記事:KARAの後輩グループ「RAINBOW」のメンバーたちは今、何をしているのか)

日本のファンたちへのメッセージ(撮影=LEE HANA)
日本のファンたちへのメッセージ(撮影=LEE HANA)

「今はバラエティ番組や、MCの仕事が多いですね。昨年にはBTOBのILHOON君とコラボソングを発表しました。もし機会があればラジオのDJとかもやってみたいですね。

もちろん、また日本でも活動したい。和食が大好きなので、頑張れる気がするんですよ(笑)。とにかく、これからも自分らしく前に進みたいと思います。究極的な夢は人々にポジティブなメッセージを伝えられる人になること。そんな私になれるよう、これからも頑張ります!」

そう言ったあとで、日本のファンに向けた直筆メッセージまで寄せてくれたジスク。アイドルを卒業し、ソロとして新しい魅力を発散するジスクのこれからを応援したい。

ジスクの直筆メッセージ
ジスクの直筆メッセージ
ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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