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「スーパーファミコン」配信後も改善されない、「Nintendo Switch Online」の問題点

鴫原盛之ライター/日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表
「スーパーファミコン Nintendo Switch Online」(筆者撮影)

9月6日より、任天堂は懐かしのスーパーファミコン用ソフトが遊べるオンライン配信サービス、「スーパーファミコン Nintendo Switch Online」を開始した。

本サービスは、「スーパーマリオワールド」や「スーパーメトロイド」など、スーパーファミコン用ソフト20タイトル(※9月6日時点)をNintendo Switchで遊べるというもの。料金は30日間で300円(※1ヶ月の個人プランの場合)で、加入するとすでに配信している、「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」のソフトもすべて遊ぶことができる。

往年の名作が遊び放題で、なおかつ「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」と同様に、いつでもプレイデータを保存できる「どこでもセーブ」と、直前の任意のタイミングに戻して再開できる「巻き戻し」機能が用意されているので、もし途中で失敗してもすぐにやり直すことができるのもうれしい。

「ぷよぷよ通」より。すでに配信中のファミリーコンピュータ用ソフトと同様に、ミスをしても直前の状態から再開できる「巻き戻し」機能が搭載されている(筆者撮影)
「ぷよぷよ通」より。すでに配信中のファミリーコンピュータ用ソフトと同様に、ミスをしても直前の状態から再開できる「巻き戻し」機能が搭載されている(筆者撮影)

プレイヤー目線では、どうしても気になる点が……

懐かしのゲームが手軽に遊べるのは実にありがたいのだが、どうしても気になる点がある。以前に拙稿、「これだけはすぐに対処してほしい! 『Nintendo Switch Online』唯一無二の問題点」でも指摘したことと同じく、各配信タイトルのマニュアル(説明書)が読めないことだ。

マニュアルがなければ、基本操作すら自力で把握するのが難しいゲームもなかにはあるので、とりわけプレイ経験のないゲームを遊ぶ際には困ってしまう。しかも、スーパーファミコン用のコントローラーは旧ファミコンよりもボタンの数が多く、より複雑な操作が必要とされるゲームもあるのだから、なおさら深刻な問題だ。

ちなみに、2017年に発売された「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」の公式サイトには、各タイトルのマニュアルが公開されており、メニュー画面にサイトのQRコードを表示する機能も付いている。なぜ、「Nintendo Switch Online」ではマニュアルを公開してくれないのだろうか?

「操作ガイド」を起動しても、ファミコン版と同様にJoy-Conのボタンの配置と名称が表示されるだけで、タイトルごとの基本操作がわからない(筆者撮影)
「操作ガイド」を起動しても、ファミコン版と同様にJoy-Conのボタンの配置と名称が表示されるだけで、タイトルごとの基本操作がわからない(筆者撮影)
「スーパーメトロイド」より。新たな武器を取得すると使用法が表示される仕様が元々存在するが、「Nintendo Switch Online」独自のチュートリアル機能は存在しない(筆者撮影)
「スーパーメトロイド」より。新たな武器を取得すると使用法が表示される仕様が元々存在するが、「Nintendo Switch Online」独自のチュートリアル機能は存在しない(筆者撮影)
「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」の公式サイトに公開された「スーパーメトロイド」のマニュアルより。これらの操作を自力で把握するのは困難だろう(筆者撮影)
「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」の公式サイトに公開された「スーパーメトロイド」のマニュアルより。これらの操作を自力で把握するのは困難だろう(筆者撮影)

また、本サービスの利用直後は画面下部がポップアップして、前述の「どこでもセーブ」や「巻き戻し」機能の使用法を教えてくれるようになっている。初心者に向けた配慮なのだろうが、一部のゲームではこれのせいでプレイ中に見たい情報が隠れてしまい、逆に困ってしまうケースが見受けられたのが残念だった。

せっかく往年の名作がたくさん遊べるようになったのに、わざわざ遊びにくくしてしまっては本末転倒だろう。各タイトルの基本操作とルール、そして世界観が読めるマニュアルの公開または追加配信と、プレイの妨げとなるポップアップの改善を早急にお願いしたい。

「F-ZERO」より。ポップアップによって、コースマップやCHECK(※後方から接近する車の位置を示すマーク)表示などが一部隠れてしまい、プレイ中に支障が生じる(筆者撮影)
「F-ZERO」より。ポップアップによって、コースマップやCHECK(※後方から接近する車の位置を示すマーク)表示などが一部隠れてしまい、プレイ中に支障が生じる(筆者撮影)

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ライター/日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表

1993年に「月刊ゲーメスト」の攻略ライターとしてデビュー。その後、ゲームセンター店長やメーカー営業などの職を経て、2004年からゲームメディアを中心に活動するフリーライターとなり、文化庁のメディア芸術連携促進事業 連携共同事業などにも参加し、ゲーム産業史のオーラル・ヒストリーの収集・記録も手掛ける。主な著書は「ファミダス ファミコン裏技編」「ゲーム職人第1集」(共にマイクロマガジン社)、「ナムコはいかにして世界を変えたのか──ゲーム音楽の誕生」(Pヴァイン)、共著では「デジタルゲームの教科書」(SBクリエイティブ)「ビジネスを変える『ゲームニクス』」(日経BP)などがある。

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