韓国第一野党の新代表に黄教安元総理…「2022年に政権交代」を宣言

当選後に挨拶する自由韓国党の黄教安(ファン・ギョアン)新代表。27日、筆者撮影。

韓国の第一野党・自由韓国党の新代表に、朴槿恵政権下で国務総理・大統領代行を務めた黄教安氏が当選した。同氏は北朝鮮との安全保障問題や経済政策で、文在寅政権との対決姿勢を明らかにした。

●朴槿恵政権の「顔」

27日、京畿道高陽市で、韓国の第一野党(旧与党)自由韓国党の党大会が開催され、黄教安(ファン・ギョアン)元総理が党代表に選ばれた。

ソウル出身の黄氏は61歳。30年間、検事一筋で勤務した。退官後、2013年3月から15年6月まで朴槿恵政権で法務省長官、さらに続けて国務総理を務めるなど、政権の「顔」として朴大統領を支えた。

また、2016年12月に国会で弾劾議決案が可決され、朴大統領が職務停止になってからは、17年3月10日の憲法裁判所の弾劾認容判決が出るまでの間、大統領代行を務めた。

この日の党代表選挙には、黄氏の他に過去(06年7月~11年8月)ソウル市長を務めた呉世勲(オ・セフン、58)氏、現役国会議員の金鎮台(キム・ジンテ、54)氏が立候補。

会場には数千人の党員が詰めかけ、4時間以上にわたる党大会を盛り上げた。党員投票が7割、世論調査が3割という方式で行われた結果、世論調査では呉氏を下回ったものの、当初の下馬評通り、黄教安氏が当選した。

●「文在寅の暴政に立ち向かう」、北朝鮮の人権問題も

当選後のスピーチで黄教安氏は「我々は戦争の廃墟でも諦めずに、貧困と空腹にも夢を諦めなかった。ふたたび一つになるならば、できないことはない」と保守勢力の結集を訴えた。

また、昨今の文在寅政権に対する青年層の不満を意識してか、「青年が夢と希望を持って走ることができる、若くて躍動的な国を作る」とした。

党代表に立候補した3名。左から二人目から順に、金鎮台・呉世勲・黄教安氏。27日、筆者撮影。
党代表に立候補した3名。左から二人目から順に、金鎮台・呉世勲・黄教安氏。27日、筆者撮影。

また、ベトナム・ハノイで米朝会談を行う文在寅大統領に当てつけるかのように、「8000万の同胞が、自由と繁栄を共に謳歌する真に平和な朝鮮半島に向けて進んでいく」と強調した。

これは文政権が北朝鮮の金正恩委員長に過度に譲歩しているという、保守層の不満を代弁したものだ。この日、黄氏は候補者演説の中で「北朝鮮の人権問題もしっかり提起していく」としていた。

さらに、「勝利の喜びはここまで。壇上を降りた瞬間から文政権の暴政に立ち向かい、国民と国を守る戦闘を始める」とした。黄氏はやはりこの日の候補者演説で、「文在寅政府は左派独裁政権で新たな積弊が生まれている。文政権の国政ろう断の根を断つ」と主張した。

その上で、「来年の総選挙の圧勝と、2022年の政権交代に向けて勝利の大長征を始める。国民の懐に入り、政策政党・民生政党・未来政党として自由韓国党を果敢に変えていく」と高らかに宣言した。

●朴元大統領のイメージから脱却なるか

黄教安氏は、14日に及んだ党代表選の期間中、朴槿恵大統領の弾劾を不服とするような言説を行い、世間の批判を浴びた。同氏が自由韓国党の代表となることで、保守勢力の革新が遅れ、「むしろ退行するのでは」という懸念が党員の間にも広まっていた。

黄氏は、当選後のインタビューで「憲法裁判所の判決を尊重する」と重ねて答えたが、選挙戦を通じ世間に定着した「時代おくれ」のイメージを覆すのは容易ではない。政治経験も無く、今後は苦戦が予想される。いかに党内の人材を使いこなせるかがカギとなるだろう。

この日は他にも、青年議員代表が1人、最高議員3人が選出された。今後、党を引っ張っていくことになる。27日、筆者撮影。
この日は他にも、青年議員代表が1人、最高議員3人が選出された。今後、党を引っ張っていくことになる。27日、筆者撮影。