「実はGLAYファン。ライブには自作ペアTシャツを着て」インスタ60代リンクコーデ夫婦の日常 その2

『ずっと2人で』大好きなGLAYの曲のように 撮影/中原 幸

お揃いコーデで人気の60代夫婦bonpon511のインスタグラムが大変なことになっている。

先日のハロウィンのインスタ写真に対して、9万以上の「いいね!」が押されて、

そのファッションセンスを「可愛い」と絶賛する声がますます増えている。

多くの人をワクワクさせたり、ほっこりさせるこの二人は、一体どんな夫婦なんだろう。

どんなことが好きで、どんな思いを持っているのだろうか。

様々なメディアに取り上げられ、ついに、二人の書籍『bonとpon ふたりの暮らし』まで出版された。 

その反響、生活ぶりはどんなふうに変わったのだろうか。

書籍を出版してからの日常の変化と家族の絆。

インスタを始める前には考えられなかった、

思わぬメリットと波及効果について語る。

インタビューは、二人が上京したタイミングで行った。

一つのインタビューに対して、二人が同時に同じ答えを言ったり、一人がしゃべっていると隣でうんうんと相づちを打ったりと、動作や言葉のシンクロが多い。「ねえ」「ねえ」と顔を見合わせて、まさに二人で1セットという感じの受け答え。言葉の選び方、使い方、言い回し、写真では見えてこない二人のリアルな雰囲気をレポートする。

見ているだけで幸せになるインスタ。ハロウィンのリンクコーデが「可愛い」と大評判に 
見ているだけで幸せになるインスタ。ハロウィンのリンクコーデが「可愛い」と大評判に 

――現在、仙台にお住まいですが、ちなみに、今回上京されたのは、イベントか何かですか。

p(妻)  GLAYのライブのためですね。

b(夫) ですね。

 

――えっ? そうなんですか。GLAYのファンなんですね。いつごろからですか。

p えっと、それも娘の影響なんですけど、娘が小学校5、6年の時にGLAYにはまって、毎日家の中でもGLAYを聞かされて(笑)。

――娘さんに主導権があったんですね(笑)。

p そう(笑)。土日もドライブの時にも。毎日、映像も見せられて。出かける時も、車の中でもGLAYの曲が大好きで。そしたら、GLAYの曲を覚えちゃったんです(笑)。音楽雑誌も、テレビに出ているのも見て、と言われて。そしたら、すっごく人柄がよかったんです。4人の。ああ、いい人たちだなあと思って。曲もいいし。それで、ファンになって、娘と一緒にライブに行くようになって。それからですね。

――その人柄のよさって、どういうところで感じたんですか。

p なんだろう。4人の仲のよさっていうのは。

b  飾らない。

p  飾らないよねえ。売れても飾らない、人柄が。

――二人みたいじゃないですか。

bp (照れる)

p なんか、高校生のノリ、そのまんまでずーっときているみたいな4人なんで。

――仲がいいですよね。分裂とか、解散しないですよね。曲もどんな曲がお好きなんですか。

p なんだろうなあ。『ずっと2人で』とか、『together』とか。昔のそういうバラード系の曲が好き。

――歌がまるで二人のテーマソングのようですね。やはり、歌詞にも胸に響くものがあるんですか。

p  歌詞もすごくよくて。

――でも、GLAYのライブはけっこうな動員数じゃないですか。

p なかなか、チケットも取れなかったりとか。

b ちなみに、私はその頃は、全然ファンでもなかったんです。

p そうね。娘と私が二人でずっと行っていて。

b 私は、行ってらっしゃいって、見送っていました。

――それが、いつぐらいから夫婦で一緒に行くようになったんですか。

p 最近だよね。

b 最近だよね。

――最近とは。

b 仙台とか、山形とか、秋田とか、近県の時は一緒に行くようになりましたね。私、アッシー君なんですよ。日帰りで行ったりしていましたから。

――何回くらい行っているんですか。

p  10回くらいになるかな。

b なんだかんだでなるね。

p 娘が高校ぐらいにはGLAY卒業しちゃったんです。それで、一人で行くのも寂しいなあと思って、引きずり込んで(笑)。

b そうだね(笑)。遠いところだと、函館まで。

p  記念のライブだったからね。

――最近だと。

p  2週間ぐらい前の仙台のライブかな。

――この前すぎませんか(笑)。

p そう、この前(笑)。

――もう、趣味になっていません?

b そうかもしれませんね。

ponさんデザインの二人だけのGLAYオリジナルTシャツ 撮影/佐藤智子
ponさんデザインの二人だけのGLAYオリジナルTシャツ 撮影/佐藤智子

――美術館や映画館に行くファッションと、GLAYのライブとなると、どういう格好をするんですか。黒をベースにとか。

p  前はGLAYのグッズのツアーTシャツを着るっていうのが定番だったんですけど、作っちゃったのね、Tシャツを(笑)。ツアーに関係なく、着られるようなものを。

――え? 誰がですか。

p  私が、デザインして。プリントしてくれるところがあるんで、そこに注文して。

――えー、ウソー!! それを二人で。リンクコーデではなく、ペアルックで。

p  二人でGLAYのライブの行く時の制服にしちゃおうと思って(笑)。デザインも若い人向けのものだと合わなくて。

b 着れないんでね(笑)。

――じゃあ、二人向けのものはどういうデザインなんですか。

p シンプルで。色は黒と白で。

――売ってよと言われたら(笑)?

p 売りますかね(笑)。

b 売ったら捕まるでしょう(笑)。自分たちで楽しむぶんには。売っちゃいけないでしょう。

p 売っちゃいけないね(笑)。

――じゃあ、あとで、そのTシャツに着替えるんですね。

p いや、今から着て会場に向かいます。

b もろじゃなくて、ジャケットを羽織って、柄がちょっと見えるか見えないかで、ライブ始まってから脱ぎます。

――それも楽しみのひとつなんですね。

bp そうですね。

「手がけたGLAYのファンサイトで有名になって」

――GLAYの方たちは、bonponさんたちがファンだとご存知なんでしょうかね。

p どうでしょうか。でも、私が、前にGLAYファンサイトをインターネットでやっていたことがあって。それでけっこう有名になっていて、GLAYファンの中で。テレビにも出たから、もしかして知っているかもしれないけれども。

――え? GLAYのファンサイトで有名だったんですか。

p その時、管理人をやって、サイト作っていたんです。私、インターネットが大好きだったんで、昔から。

――それはいつぐらいの話ですか。

p 2001年から2006年の5年間。公式ではなくて、自分で作って。

――昔から話題になる傾向にあったんですね(笑)、お二人は。なんだかんだ言って。

p  おばちゃんたちのGLAYファンサイトってことで、なかなか若い人のサイトに入れない人のためのサイトだったんですけど。

――何人くらいいたんですか。

p もうすごく多くて。1か月のアクセス数が1万人くらいかなあ。把握しきれないくらいで。大阪でライブがあった時は、100人のオフ会もやったくらいで。

――じゃあやっぱり、人が集まる、何か引きつけるものが二人にはあるんですね。

b その時は、私はまだ、ノータッチだから(笑)。

お揃いのTシャツを着て、ライブ会場へ 撮影/佐藤智子
お揃いのTシャツを着て、ライブ会場へ 撮影/佐藤智子

――いつぐらいから二人ではまったんですか。

b ここ5年くらいですかね。

――ライブはTシャツを着るとして、ライブに行くとなったら、どういう服選びをするんですか。

b 前はジーパンにTシャツ着て、パーカーを羽織ったりして。でも、この歳なんで、普通に黒いパンツに、黒いジャケットを羽織って。

p でも、出かけるとなると、いつもインスタの時と同じ格好です。

――そこは外さないんですね(笑)。

「有名になっても、テレビ出演はしないと決めている」

――では今は、何かするとか、イベントとか、場所によって、服を決められていますけど。インスタをしてなかった1年前は、何を着るとかそういうことでもなく。

p 出かける時だけだよね、ほんとに。土日に家族で。

――インスタを始めたからといって、生活の時間がなくなるとか、そういうことはないですよね。

b  同じだよね。変わらないね。

p  そうだね。

――では、1年前と世の中的には激変しているけれど、そんなに二人の生活自体は変わってないんですか。生活スタイルは。

p スタイルは変わってないね。取材が入ったりするのは、今までに全くなかったことだけど。

――取材って、今、どれくらいオファーが来ますか。今までどれくらい取材を受けましたか。ざっとでいいんですが。

p  新聞もあったし、雑誌関係、ユニクロさんや、guさんとか。

――最近、毎日のように、何かしら媒体に出られていますよね。

p そうですね。明日も新聞の取材を受けるんですけれども。

――そのオファーはだいたい断らないようにしているんですか。

p  テレビ出演は断っています。

――それはどうしてですか。

p 本人たちが、テレビ出演とか、電話インタビューとか、生で流れるのは、とても恥ずかしいし。なんか、プロのモデルでもないし、タレントでもないし。淡々と、自分たちの記録として、インスタをやっているのに、なんかそこまでいくのは怖いなあっていうのがあって。ちょっと違うなあと。テレビ出演はお断りして。あと、マネージメントさせてくださいというのもあるんですけれども、それもみんなお断わりしていて。商品を差し上げますので、これを身に着けたものをインスタで上げてくださいっていうのもあるんですけれども、それもお断わりしています。

――これだけのフォロワー数になると、変な話、商売始めたらとんでもないじゃないですか。そういう気持ちは全然ないんですか。

bp  ないですね。

p  書籍は、インスタから始まった私たちのそのままの姿を本にしてくださるというのがほんとにうれしくて。あとは、写真媒体だといいかなというのがあって。ファッション誌の取材とか、新聞とかは、お引き受けしているんですけれども。

b それで、インスタを紹介してもらえるということであれば。

――それが、インスタが入り口で何かするとなると、ちょっと話が変わってくるということですよね。

p そうですね。商売とか、広告になると、ちょっと違うなと思って。

――それが二人の決まりで。

b  インスタやっているだけでテレビに出ると、テレビってそれなりのことをしゃっべったりしなきゃいけないんだけど、タレント活動されている方とか、モデルさんとかは、ちゃんとそれなりの覚悟でやっていらっしゃるのに、素人が出ていって、何をしゃべるんだろうと自分でもわからなくて。出るんだったら出るで、はっきりさせてからでないといけないんだろうなと。

――なるほど。GLAYを語る会なら出られるんじゃないですか(笑)。

p 出ないです(笑)。

b GLAYの中でこういうサイトがあるとサイトを紹介されるのであればいいですけど、じゃあ、GLAYと対談して、というと、本人はうれしいんですけれども、どうなっちゃうんだろうっていうのがあって。

――どうなっちゃうんだろうという怖さっていうのは、たとえば、1年前までは普通に誰も何も言わなかったけれど、有名になってしまうことの恐怖というのはありますか。

b  悪いことできないなとか(笑)。

p  まあね、品行方正でいなきゃみたいな思いはあるよね。

――自分を律してね(笑)。

b それはありますね。

「ポーズは、直立不動しかできなくて」

――でも、そこらへんはやっぱり、普段からちゃんとされているんじゃないですかね。なんか、いろんな声の中に、お二人のファッションがトラッドじゃないですか。スタイリストの友だちも言っていたんですけど、「トラッドを着こなせるというのはやっぱり、品がよくて、育ちがいい人だ」と。

b 育ちはよくないなあ、そんなに(笑)。

――品のよさ、清潔感というのは、本人に聞くのは難しいんですけれども、ちょっとだらしないことに対しては、一定の自分たちはちゃんとしようというのはあるんですか。

p なんだろうね。

b  個人的には、だらしないかだらしなくないかっていう見え方っていうのは、なんとなくわかりますよね。世の中見ていると。特に私は、モデルさんの撮影とかも広告代理店に勤めている時にやっていたので、そういう意味ではわかるんですけども。奥さんもそういう意味ではなんとなくわかるんですね。

――だらしないというのは、たとえば、おしゃれにしていてもだらしなく見えるのと、すっとして見えるのは、何が違うと思いますか。

b  まず、姿勢だよね。

p  そうだね。姿勢だよね。

b 自分もよく言われるんだけど、言われると、鏡見ると、確かに、背中が丸まっているのと、背筋が伸びているのとでは、全然違うので。

――二人は、鏡を見て、練習したりしたんですか。

b  練習はしないですけどね(笑)。

p  逆に、私たちはただ立っているだけじゃない、私たちの写真は。なんで、それが清潔感につながるのか。なんだろうと思う。

直立不動のポーズがスタイリッシュと支持されている 撮影/佐藤智子
直立不動のポーズがスタイリッシュと支持されている 撮影/佐藤智子

――みなさん、それを目指したいところなんですけどね。立っているだけで清潔感を漂わせるという。

p なんなんだろう。

b  ポーズ取っているわけでもないしね。

p なんか、もっとおしゃれなポーズを取って、写真におさまる人、いっぱいいるじゃないですか。上手な人が。そういうことが全然できないから、私たちは。ただ立っているだけで。

――それが一番難しいですよね。立っているだけで、存在感を持たせるのが。直立不動というのは、娘さんが決めたポーズなんですか。

bp それしかできないから(笑)。

――えー!!

b  記念写真なので。

p  ポーズ取れないんですよ。なんかこう、できないんですよ(笑)。

b ディズニーランドとか行けば、ピースとかやるかもしれないけれども。

p そうそうそうそう。

b 行く場所もただ行っただけになるよね。

p 全くポーズというのができなくてね。

――その直立不動が、みんなには、おしゃれでスタイリッシュに映っています。「イギリス、ロンドンって感じ」とか。

bp  えー。ポーズができないだけなのに。ねえ。

「ファッション関係の人ですか? よく聞かれるけど、全く関係ない」

――いったい二人は何者? みなさん、インスタの写真、二人の洋服、ファッションから入っているじゃないですか。何者なのかというのが、知りたいんですよね。みんな思うことは、「実はファッション関係の人なんじゃないか」って、どうなんですか。ファッション関係の人なんですか。

p ってよく聞かれるけど、全くなんだよね。全く関係ない。

――その、おしゃれさはどこから来ているんですか。もともとファッションが好きなんですか。でも、お二人とも美術系の学校を出られていますよね。センスがいいんでしょうね。

p  トラッドが好きっていうのは、世代的に最初からアイビールックが好きだから。そのまんま来て、好きな柄や色とかが同じでというので。

b  お洋服でもいろんな合わせ方っていうのは、なんとなく好き嫌いがあるので。

――たまたま二人の好きなトラッドのファッションがずっと変わらずにきて。

b あ、そうかもしれない。

――途中で、ルーズに着崩した服が好きになったとかはないんですか。

b 崩すタイミングがなかったんです(笑)。仕事で忙しくて。

p  おしゃれとかにかまっている暇はなくて、とにかくあるものを着るみたいな感じで。そんなにおしゃれじゃなかったよねえ。

b ねえ。

p  おしゃれ、おしゃれと言われるけれども、もっとおしゃれな人たちがたくさんいるし、おしゃれなものを着ているわけでもないし。

――二人が思う、おしゃれな人って、どういう人をイメージしているんですか。

p うんとねえ。私が思う、おしゃれな人っていうのは、コムデギャルソンを着こなせるような人とか。

――え、近くないですか。

p いや、私、体型的にも絶対無理(笑)。

――ちょっと、ベーシックなようで、アバンギャルド的な。

p モード系の。

――でも、モード系のお洋服お持ちですよね。

p 好きなんですよね。お洋服は好きなんですけど、なかなか。モードにしちゃうと、モードのペアっていうのはすごく難しいですからね。

――確かに。コムデギャルソンを着こなす人っていうのは、どういう人ですか。職業とか。

p  川久保玲さんとか。大橋歩さんが大好きで。あの方はご自身のブランドを立ち上げていらっしゃるけど、大橋歩さんのお洋服もすごく大好きですね。そういうおしゃれが私は好き。

――というと、本当の、玄人というか、ファッション業界にいる方というような。

p 普通の主婦じゃないような。

――bonさんはどうですか。広告業界にお勤めだったので。

b  イタリアのちょい悪男みたいな(笑)。絶対、日本人で着こなせるわけじゃないじゃないですか。あの奇抜な服を着てもおさまるっていう、ただ自分はそんなおしゃれな、奇抜な色とかはできないんだけれども。なんか、そこらへんかなあ。

――では、二人は、目指すというものよりも、別格として、おしゃれの憧れは持っていて、自分たちは、自分たちスタイルを貫いているということですか。

bp そうですね。

「こんな真っ赤なギャザースカートを着る人なんていないと思う、60歳で(笑)」

――これも、スタイリストの友だちが言っていたんですけども、年齢が重なってくると、過去の自分にしがみついて、たとえばすっかりLサイズになっているのに、Mを着続けているとか。でも、お二人は、いい感じで、昔の好きだったものを今につなげた着方をしているじゃないですか。古くさくなく、無理してない感じ。無理やり若作りをして、若く見せようとかしてないじゃないですか。

b なんだろうね。

p なんだろうね。

――でも、若いって言われますよね。

p  まあ、こんなの着ている人、いないと思うんですよ。まず、60歳で(笑)。

b 確かにそうだよね(笑)。

p  真っ赤なギャザースカートなんて(笑)。それが目を引くのかもしれないけれど。こういう格好が好きだから、こうしているだけであって。

――もし、それが、同世代の人に「あらあ」って思われてもやめないんですよね。

p  はい、やめないです(笑)。好きな服を着ます。

――若い世代からいいねって言われるのと、同世代や上の世代から言われるのとは、また違うじゃないですか。どうですか。同世代はどう言っているんですか、だいたい。

p  同世代は、あんまり反応がわからないですね。どう思っているのか。

――ああ、インスタをされてないからかな。会社の同僚たちは話題になっている時は、どういう反応だったんですか。

b  単に、出ているね、だけで。着てるものも普段と変わらないので。

――ああ、そうか、そこで、すごく普段と違っていたら、どうしたの? ってなりますよね。

b そう、頭ツンツンにして、髪の毛立てちゃってとか、ピカピカ光るジャケット着ているとか、変わった靴はいているねとかいうんじゃなくて、会社にいる服のコーディネートが普段とちょっと違うねくらいの。奥さんと一緒に立っているんだねとか。

――じゃあ、すんなり、違和感なく、周りは受け入れている。

p どうなんだろう。同世代の声はあんまり聞こえてこないからわからないんだけれども。60代以上のおしゃれな人っていうのは、もっと高級な服を着ているとか、そういう人たちだと思うんですよね。若い人たちから見たら、二人でお揃いにしているだけでおしゃれねって思うかもしれないけれど、同世代以上の人から見たらまた違う印象なんじゃないかな。

いつも自然体な二人。考え方も価値観も同じ 撮影/佐藤智子
いつも自然体な二人。考え方も価値観も同じ 撮影/佐藤智子

――でも、確実に二人は、新しい生き方を提案しましたよね。自分たちもそういうことをやってもいいんだ、そうなりたい、とみんな思うから。

p なんか、お金をかけなくてもおしゃれができるんだなあっていうコメントはあるよね。

b  あるね、あるある。

――それは、頑なに守りたいですか。お金をかけずにおしゃれをすることを。

p  頑なじゃなくて(笑)。

b 要は、自然でそうなっているので。ひょっとして、お金いっぱいもらうとなると。

――でも、こんなにいろんなオファーが来ていて、それこそ、もしかしてこれからどんどんお金が入ってきたとしたら、今まで買えなかったブランドのものが買えます、となったらどうしますか。

b 多少買うかもしれないですけれども(笑)。でも、何億円ももらうわけじゃないじゃないですか。だとすると、たぶん現実的な話で老後のことを考えちゃうと思います。

――というと、貯蓄をする。

p うん、貯蓄ですよね。

――二人は、今、買い物は一度に5000円以下と決められていますけれど、もし自分にありったけのお金があったら、どれくらいまでの金額の服をご褒美として、買えますか。

p それを見つけた時だね。ほんとにこれはほしい、自分のためにあるような服だと思えるものに出会ったら、買うかもしれないけれども。

――それはいくらくらいだと思いますか。

p ああ、わかんないな。どうだろう。

――どれくらいだったら、買いますか。

p  3万。

b それくらいだね。

p  上限ですね。ほんとに見て。それも清水の舞台から飛び降りる気で。

b  でもね、スーツではあるだろうけど、ジャケットで3万っていうのは買う気しないかもしれない。

――それは、どういう意味ですか。

b 同じようなデザインで安くて手に入るじゃんって思っちゃうので。3万円で1着買うくらいなら、色違いで3着買ったほうが着回せるよなあって思う。貧乏性だね(笑)。

p うん。

――では、たとえば、誰かのオーダーメイドで、世界で1着しかないっていうものを作ってくれます、とかだと、どうします? そういう価値観じゃないかもしれませんね。誰も持ってないものがほしいというわけではないですよね。そこじゃないですか。

b  オーダーメイドはいいけども、そしたら体型変わるので、もったいないなあって。

――では、二人にとって、洋服は、変化するものみたいな。一点豪華で、これを持っておきたいというタイプでもない。

b よっぽどよければね。

p よっぽどよければ。

――その、よっぽどよければ、というのを聞いてみたいんですけど。

b  まだ、出会えてない。

p  一生着れるようなもの。まだ、わからないな。

――どういうところで出会いそうですか。ほんとにこれから二人で、たとえば、ロンドンに行って、この旅でしか買えない、このちっちゃな店である人が作っていて、もう二度と、オンラインでも買えないとなると、買います? それが5万とかでも。

bp うーん。

b そこに価値を見出すかどうかは、行ってみないとわかんないけれども、たぶんないかなあ。

――そこが、ちゃんとブレないであるんですね。

b まあ、貧乏性なのかな。贅沢がいいとか悪いとかは別で、そんなにお金にかけなくてもちゃんとしていればいいじゃないかという。でも、貧乏くさいのはいやだし。

「二人の大きな夢がかなった今、ほしいものが今はない」

――二人にとって、服以上にお金をかけているものってなんですか。

p なんだろうなあ。

b たぶん、孫がいれば、孫にお金をかけるとかはあるかもしれない。まだ、孫いないんで。

――たとえば、車とか、インテリアとか、持ち物とか、旅行とか。

p まず、仙台に引っ越して、中古マンションを買ったというのが大きいでしょ。

b そうそうそうそう。

p それから家具を買ったりとか、生活をしていくうえで揃えるものを揃えて。それが、揃っちゃえば、あとはそんなに使わなくていいやみたいな。

b うんうん。

――やっぱり生活というものが基盤で、洋服っていうのはそれを色づけるもの。

p もう、なんか、いっぱいあるから、そんなにいらない感じだよね。着回しできればいいなと。足りないものを買っていけばいいかなみたいな感じで。

――つまりは、無欲なんですね、二人は。欲がない。

p  これがほしい、っていうのがあんまりない。

b  そういう、物に対してはあんまりない。いっぱいあればいいに越したことはないし、高いものもいいものがあればあるに越したことはないし。

――それが写真ににじみ出ているんですよね。その辺のやっぱり、いやらしさが全くない。

p 今はね、セカンドライフの大きな夢がかなったから。

――それはなんですか。

p 仙台に越して、二人暮らしをして、そういう暮らしがしたいっていうのが、ずーっとあって。ずっと忙しかったからね。ゆっくりした時間も取れなくて。今、ようやく夢がかなったから。あとは、そんなにほしいものはないよね。

b うん。

――では、今、二人で暮らしていて、このインスタの二人の世界は、まさに、もってこいですね。

b  それこそ、何もすることがないので、記録ですよね。仙台に来てからの記録にもなる。

「まさか、自分たちの本が出版されるなんて」

――その一つの思いとして、今回、書籍『bonとpon ふたりの暮らし』が出版されましたね。どうですか。周りの反響は。

p  私たちも最初はインスタの写真主体のファッションメインの本になるかと思っていたんですけれども、わりとディープなところまで話があって、お互いのインタビューがあって、娘もインタビューしていただいて、それで、そういうのが感動したという声をたくさんいただいて、自分たちもそうだったんですけれども。

――何が一番感動しましたか。

p  私たちにとっての本のハイライトは娘のインタビュー。そういうのは、今まで口に出して聞いたこともないし。気恥ずかしさもあるから、今回初めてゲラで読んだ時に、二人で号泣しちゃって、娘のその気持ちを知って。

――いやあ、ほんとに、いい方ですよね。娘さんって。

p うん、もう、私たちの人生、この言葉を聞けただけで、あとはいいかなと思えるくらいに。

――どの言葉が一番心に残っていますか。

p  二人の子供でよかったというのもだし。なんだろう。

――けっこうしつけられた言葉もちゃんと残っていましたね。

p そうですね、そうですね。「いつも笑顔でいなさい」「一人でいてもかっこいい人になりなさい」というのは、私自身も言ってきた言葉なので、それをああいうふうにちゃんと受け取ってくれていたんだなと思うと、すごくうれしいし。

――子供さんにとっての親の影響力っていうのはすごいですね。親から見たらなんてことはないことが、その子にとって人生の重大な変わるきっかけになっているというのが、驚きますよね。でまた、ほんとに、いい娘さんだから。その娘さんが、今回インスタをすすめてくれて、それがきっかけでこうなっているし。なんか、愛が循環している感じがして。一方通行で、親がこう言って、いいことしたと思っていても、娘さんに届いていない場合もあるじゃないですか。世間的に。親の愛が子供に伝わって、また、子供から親に、ぐるぐるっと回っていて。いいなあと思うんですけどね。なかなか親子とか、夫婦とかの絆が難しいっていう世の中で、いっぱい聞かれていると思うんですけれども、絆を深める秘訣はなんですか。

p なんだろうなあ。ちゃんと伝わっているんだろうなというのは、今回本になって、インタビューしていただいて、文字になって、私たちも初めて知ったので。それまでは、親として、自信がないし。ねえ。全然、そういうふうに伝わっているっていう実感もなかったから。

――じゃあ、それを知って、さらに深まっていますか。本が出てから、娘さんとはお話しましたか。

b  あんまり照れくさくて、ありがとうって言うぐらいで。

p  私は、娘に、ほんとに、ほんとに、ありがとうって、ほんとにうれしかったって言って。

――娘さんはなんて言われましたか。

p  娘は、やっぱり思いを言葉にすることは大事だなって思ったって。そうだねって、二人で言っていたんですけど。

b 自分たちが子育てをちゃんとやってきたかというと、そうでもないわけですよ。

p 全く自信がない。

――お忙しかったですしね。

b 娘は二人いますが、表裏違うだろうし、どう思ってくれているのかわからなかったのだけれども、そう言ってくれるのはとてもうれしかったです。ただ、一般的にも、みんな、言葉に出さないだけで、そう思っていると思うんですよ。たまたま、私の本で出てしまっているので、あ、共感してもらえているのかなというのがあるんですよね。私たちだけが特別で、秘訣がどうのこうのではなくて、娘も言っていますが、言葉にすることで、そういうことが出てきているので。

――そういう意味では、このインスタを始めての、いろんな影響があるけれども、これは、ほんとに大きなことですね。気持ちを知れたということがね。 

b 自分の母親にも言えないんですよ、やっぱり。男だし、母親に、あんまり、言えないんですよね。かっこつけちゃったりして。もう亡くなっちゃったんですけど。ああ、ちゃんと言ってなかったなあという。

――でも、お二人のことをきっかけに、旦那さんに、ちょっとリンクコーデ頼んでみようかなとか、優しいこと言ってみようかなとか、みなさん、コメントを書かれているから。やっぱり、そういうきっかけになっていますよね。私、娘さんのインスタも泣けましたよ。本が出版された時に、「両親の本が出ました」と紹介されていましたよね。その文章がほんとに泣けましたよ。

p  そうですね、泣けました。

――あれ、泣けますよね。

p  泣いちゃって。朝から泣いちゃったよね。

――どうしたらあんな子を育てられるのかと。

b うん。

p  私たち、しっかりしなきゃいけないねって。あれ読んで。娘のほうがすごく立派で。

b  そうそうそうそう。

「家族全員が、一緒にいても、お互いにいい意味で干渉しない」

――私も関わらせてもらって、娘さんもお二人も、いい人すぎるんですよ。言葉の選び方とか、素晴らしくて。イヤな気持ちに絶対にさせないから。それも、お人柄なんだろうなと。それももともとなんでしょうけれど、気をつけられていますか。教育の中でも。

p  うちの家族というのは、もともとそんなに会話する家族じゃなくて。

――ああ、そうか、みなさん全員B型家族で独立されているというか、お互いにいい意味で干渉されないと言われていましたよね。

p  一緒にいても、お互いがバラバラなことをやっているという感じなので。娘もすっごいシャイで、恥ずかしがりやで、インタビューの記事を読んで、びっくりしたんですが、こんなにしゃべれるんだと思って。すごく聞き出してもらって。

b そうそう。すごいなと思って。

p よくぞ、聞き出してもらえて。ほんとに、しゃべれない子なんで。

――そうですか。すごくしっかりされていましたよ。私は、娘さんにインタビューさせてもらって、こんなにも、ピュアな人がこの世にいるんだくらいに思えました。素晴らしくて。これは、すごいと思いました。娘さんの話と、二人の写真の立ち姿がリンクしていて、とても説得力がありました。なるほど、だからなのかと。

p 娘のインタビューを本に載せてもらったことが、ほんとに。あれでもう、読んでくれた方に訴えるものが全然違うと思って。

――ありがとうございます。娘さんきっかけで、インスタを始められているわけだから、娘さんが両親の写真を載せた時点から始まっているわけなので。娘さんがどう思っているか、というのを知って、それをお土産にお二人に会いたかったんですよね。

b ありがとうございます。

p  宝物になりました。

「まさかこんなことになるなんて」未だに信じられないという二人の初の書籍が出版された 撮影/佐藤智子
「まさかこんなことになるなんて」未だに信じられないという二人の初の書籍が出版された 撮影/佐藤智子

――よかった。それを聞いてよかったですけども。ちょっと話を戻すと。本が出版される。自分たちの本が。今、どんな気持ちですか。

bp (感慨深げに黙り込む)

b なんか、インスタのコメントを見ていると、反響が多くて。こんなに、こう、喜んでくれているのかなと思うと、ちょっと、感動してしまって。

p まさに、このインタビューのテーマどおりで、「まさかこんなことがあるとは」って感じだよね。自分たちが、本になるなんて。

b ちょっと、予測が甘かったというか、こんなに反響が出るとは思ってなかったですね。

――いや、だって、「予約をしました」「今夜届きます」「離島に住んでいるので、台風で遅れそうです」とか、いろんな場所、いろんな環境、こんなにも、いろんな人が自分たちの本を待ちわびて、本屋に行ってくれたり、郵便受けを何度も見に行ってくれたりしているわけじゃないですか。それはどうですか。

b  なんか、ねえ。

p  大変なことだよね。(涙ぐむ)

――しかも、本を買いますというだけでなくて、本を買って、読んで、泣いて、それから、家族に優しくします、みたいなコメントがあって。4段階くらいの反応があるわけじゃないですか。

p そういう本になったというのが、とにかくほんとにうれしいです。

b ほんとに、ちゃんとしなきゃなって。ほんとに、そう思いましたね。

p そうだよね。ほんとに、そうだよね。

――なんか、その、そういう、すごい影響を受けているわけですよ、みなさん。では、その本を買ってくださった方、読んでくださっている方に向けて、何かメッセージをいただけたらなと思いますけど。

p  本を読んでくれた方が幸せな気持ちになってくれたらいいなあと。事実、そう思ってくれている方が多いようなんで、すごくうれしいんですけれども。なんか、もし、夫婦でケンカしたりだとか、そういうことがあった時に、見返してもらえたらというのもあるし。自分たちも何度も何度も見て、読んで、なんか初心忘るべからずじゃないですけど、そんな気持ちでいるので。

――私は、お守りみたいな、手元に置いておきたいような、守ってくれる、幸せのバイブルのような感じですね。

b そこまで言えないんだけれども。せっかく本を読んでいただいたので、少しでも幸せな気持ちになってもらえたら、ありがとうございますっていう。中には、不快な気持ちになる方もいらっしゃるかもしれませんが。

――ないでしょう、それは(笑)。

b でも、ちょっとでもね、幸せになってくれれば、それだけでも十分なので。ありがたいなあっていう。

――いや、もう、確実に、二人は、いろんな人を幸せにしているし。みなさん、インスタのあの写真から伝わるものがいろいろあって、それを感じ取られていますよね。

bp ほんとに、ありがたいですね。

――夫婦の愛や親子の愛、家族の愛。また、娘さんとの親子リンクコーデもされますか。

bp はい。

――わあ、楽しみですね。娘さんもおしゃれな方ですからね。

b そうですね。

p 楽しみにしていてください。

二人のインスタグラム「bonpon511」は、こちら

2016年12月4日に娘さんmay_59にすすめられて始めたインスタグラムが、話題を集めて、10か月で、フォロワー数59万人。

白髪、メガネの60代夫婦。bonとpon。

bon(夫、62歳)秋田県出身。広告代理店勤務。今年春に定年退職。

pon(妻、61歳)千葉県出身。専業主婦。

二人は、4月から定年を機に長年住んでいた秋田から仙台に引っ越したばかり。

二人のリンクコーデ(ペアルックとは違い、一部の色、柄、素材を合わせたり、靴やメガネのアイテムをそろえて、リンク、つながりをもたせたコーディネートのこと)が「おしゃれ」「可愛い」「癒される」「ほのぼのする」「幸せを感じる」「こんな夫婦になりたい」「こんな歳の取り方をしたい」と評判になり、多くのファンを持つ。

台湾、香港、シンガポールなどの海外メディアにも紹介され、その人気は日本にとどまることなく、世界にも波及している。

アカウント名の@bonpon511は、二人の子供の頃からの呼び名bonとponに、二人の結婚記念日5月11日の511をつけたもの。

その3につづく

その1はこちら