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米国、武装集団ハマスからのロケット弾迎撃に向けてイスラエルにアイアンドーム2機を追加提供へ

佐藤仁学術研究員・著述家
夜間のハマスからのロケット攻撃を迎撃するアイアンドーム(写真:ロイター/アフロ)

2週間で6900発以上のロケット弾

2023年10月7日に、イスラエルに向けて武装組織ハマスから大量のロケット弾が発射された。ハマスからの執拗なロケット弾攻撃は続き、イスラエル国防軍によるとハマスが攻撃してから2週間で6900発以上のロケット弾がイスラエルに向けて撃ち込まれていた。450発以上は発射に失敗してガザ内に落下したとイスラエル国防軍は伝えている。

ハマスからの大量のロケット弾の攻撃に対して、イスラエル軍は朝から晩までアイアンドームで迎撃してイスラエル領土をロケット弾から防衛している。

2023年10月13日には米国ブリンケン国務長官に次いで、オースティン国防長官もイスラエルを訪問してネタニヤフ首相、ガランド国防大臣らと会談し、イスラエルへの強力な支援を明らかにしていた。オースティン国防長官は自身の公式SNSで「アメリカ軍はすぐにイスラエル国防軍に対して弾薬や米国に在庫のあるアイアンドームのミサイルを含む軍事物資を供与します。これら重要な兵器はイスラエルが国土と市民を守るのに必要なものです」と語っていた。

そしてイスラエルの当局と米国の2人の当局からの情報によって、米国政府が2機のアイアンドームを追加でイスラエルに提供することが10月19日に報じられていた。

アイアンドームはイスラエルの軍事企業のラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズとイスラエル国防軍で共同開発した。アイアンドームは地上にいる人たちや建物への攻撃を回避させダメージを最小化させることが目的。アイアンドームは上空のロケット弾やドローンをレーダーが察知すると、地上からミサイルが発射されて、地上の標的が攻撃されて大惨事になる前に、敵のロケット弾や攻撃ドローンを上空で爆破させている。昼間では太陽が出て明るいので、アイアンドームで迎撃しても白い煙が写っているだけだが、夜間でのアイアンドームでの迎撃は空が暗いので、迎撃してロケット弾を破壊しているシーンが鮮明である。

イスラエルでハマスからのロケット弾や攻撃ドローンを迎撃しているのが、そのイスラエル軍の「アイアンドーム」と呼ばれるミサイル迎撃システムである。2011年に完成した。2021年5月にも約3000発のハマスからのロケット弾や攻撃ドローンの9割を迎撃したと報じられていた。

イスラエルとパレスチナの間で衝突が起きて緊張関係が高まり、パレスチナ側の上空からのミサイルやロケット弾、攻撃ドローンが飛来してくると、アイアンドームで迎撃している。2023年4月7日にもパレスチナからのロケット弾34発中、25発をイスラエルのアイアンドームで迎撃したと報じられていた。

イスラエル国防軍は武装組織ハマスから2週間で6900発以上のロケット弾が発射された(450発以上はガザ領内で落下)ことを発表していたが、そのうち何発をアイアンドームで迎撃したかは現時点では明らかにしていない。武装集団ハマスからのロケット弾での攻撃は続いており、ハマスのロケット弾の在庫は尽きていないようだ。

イスラエルにはロケット弾や攻撃ドローン迎撃のためのアイアンドームやアイアンビーム、さらには地対空ミサイルなどが充実している。以前からパレスチナ、ハマスからの攻撃ドローンやミサイルを迎撃してイスラエルの国土防衛に大きく貢献している。

2022年2月にロシアがウクライナに侵攻してから、ロシア軍はイラン製軍事ドローンやミサイルなどでウクライナ軍や民間施設などを奇襲している。ウクライナ政府にとってはイスラエルが所有しているアイアンドームは喉から手が出るほど欲しい防空システムだ。今までにもゼレンスキー大統領らが何回もイスラエル政府にアイアンドームの提供を要請していた。だがイスラエル政府はウクライナにはアイアンドームは提供していない。

▼アイアンドームでハマスからのロケット弾を迎撃(夜)

▼アイアンドームでハマスからのロケット弾を迎撃(昼間)

▼2週間で6900発以上のロケット弾が発射されたこと、450発以上が発射に失敗してガザ内に落下したことを発表するイスラエル国防軍

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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