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ウクライナ軍、ロシア軍侵攻後からロシア軍のドローン破壊4600機突破:9月に入って200機破壊

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

ウクライナ軍によると2022年2月24日から2023年9月11日までに破壊したドローンは4600機を超えた。

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。ウクライナ軍では2022年2月24日にロシア軍に侵攻されてから殺害したロシア軍の兵士の数、破壊した戦車、戦闘機など兵器の数をほぼ毎日公表している。

2022年9月30日に破壊したドローンが1000機を突破した。1年間で約3500機破壊している。2022年10月以降にロシア軍が頻繁に軍事ドローンで攻撃を行っており、ウクライナ軍は昼夜問わずにロシア軍の軍事ドローンを破壊している。ロシア軍のドローンやミサイルによる攻撃はウクライナの軍事施設だけでなく国際人道法(戦争法)を無視して民間人や民間インフラ、住宅、病院なども標的になっており一般市民の犠牲者も出ているので、徹底的な迎撃が必要である。

2023年5月以降もロシア軍の攻撃ドローンでの激しい奇襲は続いている。2023年5月には600機以上を破壊、6月には400機以上、7月にも400機以上、8月には300機以上を破壊している。2023年9月に入ってからもロシア軍のドローンでの奇襲はやまずに11日間で200機のドローンを破壊した。最近はミサイルと攻撃ドローンを組み合わせて攻撃をしているので被害も大きい。2023年9月4日には破壊したロシア軍のドローンの数は、破壊したロシア軍の戦車の数を抜いて、毎日破壊したドローンの数は増えている。

ロシア軍はイラン製軍事ドローン「シャハド136」やロシア製軍事ドローン「Lancet」を使用してウクライナの軍事施設や民間インフラを早朝や深夜に攻撃している。そのような軍事ドローンを多い日には1日数十機迎撃して破壊している。ミサイルと軍事ドローンの組み合わせで攻撃されることが多いが、安価な軍事ドローンはミサイルよりも多く使用されている。ウクライナ軍やウクライナのメディアではイラン製軍事ドローン「シャハド」での攻撃による民間インフラや一般市民の被害状況やウクライナ軍による破壊状況については頻繁に伝えている。

ウクライナ軍はドローンを撃破すると公式SNSでよく報告をしている。特にイラン製軍事ドローン「シャハド」での奇襲が激しいことから、同機を破壊すると破壊した数まで詳細に伝えている。またロシア軍の軍事ドローンで破壊された民間施設のビルや建物などの写真や動画も多く公開して国際人道法(戦争法)違反を訴えている。

実際にはもっと多くのドローンを破壊しているだろうが、カウントされて公式に公開されているドローンの数は4600機である。ドローンは戦車や大砲のように大型ではない。上空で破壊してもバラバラになってしまって残骸や破片が見つからずにカウントされないことも多い。

(ウクライナ軍提供)
(ウクライナ軍提供)

2022年10月1日から10月11日までの11日間で100機(累計1100機)

2022年10月12日から10月15日までの4日間で100機(累計1200機)

2022年10月16日から10月20日までの5日間で100機(累計1300機)

2022年10月21日から10月28日までの8日間で100機(累計1400機)

2022年10月29日から11月11日までの14日間で100機(累計1500機)

2022年11月12日から12月7日までの26日間で100機(累計1600機)

2022年12月8日から12月24日までの17日間で100機(累計1700機)

2022年12月25日から2023年1月2日までの9日間で100機(累計1800機)

2023年1月3日から1月25日までの23日間で100機(累計1900機)

2023年1月26日から2月12日までの18日間で100機(累計2000機)

2023年2月13日から3月10日までの26日間で100機(累計2100機)

2023年3月11日から3月23日までの13日間で100機(累計2200機)

2023年3月24日から4月9日までの17日間で100機(累計2300機)

2023年4月10日から4月23日までの14日間で100機(累計2400機)

2023年4月24日から5月3日までの10日間で100機(累計2500機)

2023年5月4日から5月8日までの5日間で100機(累計2600機)

2023年5月9日から5月15日までの7日間で100機(累計2700機)

2023年5月16日から5月20日までの5日間で100機(累計2800機)

2023年5月21日から5月25日までの5日間で100機(累計2900機)

2023年5月26日から5月29日までの4日間で100機(累計3000機)

2023年5月30日から5月31日までの2日間で100機(累計3100機)

2023年6月1日から6月6日までの6日間で100機(累計3200機)

2023年6月7日から6月11日までの5日間で100機(累計3300機)

2023年6月12日から6月21日までの10日間で100機(累計3400機)

2023年6月22日から6月29日までの8日間で100機(累計3500機)

2023年6月30日から7月4日までの5日間で100機(累計3600機)

2023年7月5日から7月12日までの8日間で100機(累計3700機)

2023年7月13日から7月15日までの3日間で100機(累計3800機)

2023年7月16日から7月20日までの5日間で100機(累計3900機)

2023年7月21日から7月28日までの8日間で100機(累計4000機)

2023年7月29日から8月4日までの7日間で100機(累計4100機)

2023年8月5日から8月12日までの8日間で100機(累計4200機)

2023年8月13日から8月20日までの8日間で100機(累計4300機)

2023年8月21日から8月31日までの11日間で100機(累計4400機)

2023年9月1日から9月5日までの5日間で100機(累計4500機)

2023年9月6日から9月11日までの6日間で100機(累計4600機)

▼破壊したロシア製攻撃ドローン「Lancet」の残骸を公開するウクライナ政府

▼ロシア軍のロシア製ドローン「ZALA」を迎撃

▼イラン製軍事ドローン「シャハド」を夜間に迎撃しているシーン

▼イラン製軍事ドローン「シャハド」4機を夜間に迎撃する国境警備隊

▼イラン製軍事ドローン「シャハド」33機中26機を迎撃するウクライナ空軍

▼イラン製軍事ドローン「シャハド」をキーウ上空で迎撃

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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