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ウクライナ軍が破壊したロシア軍のドローン、2022年2月の侵攻直後から1月2日までに1800機突破

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

ウクライナ軍では2022年2月24日にロシア軍に侵攻されてから殺害したロシア軍の兵士の数、破壊した戦車、戦闘機など兵器の数をほぼ毎日公表している。

ウクライナ軍によると2022年2月24日から2023年1月2日までの約10か月の間でロシア軍兵士の戦死者は107,440人以上で、破壊したドローンは1800機を超えた。12月24日に1700機だったので、9日で100機のドローンを破壊した。

2022年10月にはロシア軍はミサイルとイラン政府が提供した標的に向かって突っ込んでいき爆発する、いわゆる神風ドローンの「シャハド136(Shahed136)」、「シャハド131(Shahed131)」で首都キーウを攻撃して、国際人道法(武力紛争法)の軍事目標主義を無視して軍事施設ではない民間の建物を爆破するなどの攻撃を行っている。一般市民の犠牲者も出ていた。

2022年9月30日までの約7か月間に破壊したロシア軍のドローンが累計1000機だった。そして10月に入ってからロシア軍がイラン製軍事ドローンを多く使用して首都キーウだけでなくウクライナへ攻撃をしかけていた。そのため迎撃して破壊するドローンの数も多くなっていった。だが、11月は以前のペースと比べると100機を破壊するまでにだいぶ日数がかかっていた。この頃には英国国防省がイラン製軍事ドローンが枯渇したのではないかという見解を示していた。

12月になってからはロシア軍はイラン製軍事ドローンを再び多く使用して攻撃をしてきた。特に民間施設や電力施設への攻撃が相次ぎ、オデーサ近郊では150万人以上の市民生活に打撃を与えていた。12月になってからはイラン製軍事ドローンでの攻撃が再び目立てきており、大規模な攻撃がキーウやオデーサで行われており、民間施設も多く標的になっている。特に早朝や深夜のドローンによる襲撃が目立っている。1月になってからも新年早々からロシア軍のドローン攻撃が行われており、ウクライナ空軍が迎撃していた。

2022年10月1日から10月11日までの11日間で100機(累計1100機)

2022年10月12日から10月15日までの4日間で100機(累計1200機)

2022年10月16日から10月20日までの5日間で100機(累計1300機)

2022年10月21日から10月28日までの8日間で100機(累計1400機)

2022年10月29日から11月11日までの14日間で100機(累計1500機)

2022年11月12日から12月7日までの26日間で100機(累計1600機)

2022年12月8日から12月24日までの17日間で100機(累計1700機)

2022年12月25日から2023年1月2日までの9日間で100機(累計1800機)

2022年10月には400機以上のロシア軍の軍事ドローンを迎撃して破壊していた。以前は1日に数機程度で10機以下の日が多かったが、10月に入ってからは1日に20~30機のロシア軍のドローンを破壊していた。ロシア軍がウクライナに軍事侵攻してから8か月間で1400機のロシア軍のドローンが撃墜されたが、そのうち約3割の400機が2022年10月の1か月間で撃墜されたことになる。11月に入ってからは、10月半ばに比べるとペースは落ちていた。

12月に入ってからは年末年始、クリスマスでもイラン製軍事ドローンによる襲撃が続いているので、再び迎撃のペースも上がっている。ウクライナ軍では「移動式ドローン迎撃車」で攻撃ドローンを探知すると、すぐに車で移動して迎撃している。

両軍とも監視・偵察ドローンや攻撃ドローンをかなりの規模で飛ばしているので、カウントされずに破壊されたドローンを含めるともっと多いだろう。

▼ウクライナ軍が開発した「移動式ドローン迎撃車」でイラン製軍事ドローンを迎え撃つ。ウクライナ軍公式SNSより

ドローンは攻撃用も監視用も探知したらすぐに迎撃して破壊してしまうか、機能停止する必要がある。上空のドローンを迎撃するのは、電波を妨害(ジャミング)してドローンの機能を停止させるいわゆる"ソフトキル(soft kill)"と、対空機関砲のように上空のドローンを爆破する、いわゆる"ハードキル(hard kill)"がある。

特に偵察ドローンには探知されやすく、すぐに迎撃しなくてはならない。偵察ドローンは攻撃をしてこないから迎撃しなくても良いということは絶対にない。偵察ドローンに自軍の居場所を察知されてしまったら、その場所にめがけて大量のミサイルを撃ち込まれてしまい大きな被害を招きかねないので、偵察ドローンを検知したら、すぐに迎撃して爆破したり機能停止したりする必要がある。回収されて再利用されないためにもドローンは上空で徹底的に破壊しておいた方が効果的である。ウクライナ軍もロシア軍のドローンをソフトキルで機能停止させて再利用すると宣言している。

破壊された装甲戦闘車両が6093台、戦車が3031台、大砲が2027門なのでそれらに比べると破壊されたドローンは1800機なので多くはない。また戦車や大砲の多くも上空からウクライナ軍がドローンで爆弾を投下したり、ドローンごと突っ込んでいき破壊したりしている。また塹壕などに隠れているロシア兵にも小型民生品ドローンで爆弾を投下して兵士を殺傷している。

▼ウクライナ軍の発表

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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