ニューヨーク国連本部に教室を模したインスタレーション設置

新型コロナウィルス感染拡大によって日本だけでなく海外でも学校が閉鎖された。そして世界中の学校で1兆8000億時間以上の対面授業の学習機会を失ったとユニセフが発表した。ユニセフでは、このような教育機会の損失危機をアピールするために、2021年9月17日から9月27日までニューヨークの国連本部で「No Time to Lose」(もう時間がない)というタイトルのインスタレーションを設置している。誰もいない教室に模した黒板に1兆8264億0291万6679時間と「すぐに学校を再開するように(REOPEN SCHOOL ASAP)」と書かれている。

ユニセフによると世界11か国で約1億3100万人の子供が2020年3月から2021年9月の18か月の間に対面授業の4分の3を失った。そのうち約6割の約7700万人が、ほとんど対面授業を受けられなかった。また現在でも世界の約27%の国で学校が閉鎖または一部閉鎖されたまま。

学校が閉鎖でもオンライン学習も受けられない子供たち

日本でも新型コロナウィルス感染拡大によって2020年には多くの学校が休校になり、オンライン学習が導入された。小中学校や高校は再開したが、大学では今でもオンライン学習が主流だ。日本だけでなく世界中で新型コロナウィルス感染拡大によって学校が閉鎖され、オンライン学習やリモート学習が導入されたが、特に途上国では自宅にネットの回線がない、パソコンだけでなく学習用のスマホやタブレットを所有していない、たとえスマホを所有していても長時間の授業を受けられるほどの通信費を払えない子供が多い。

そのような子供たちはパンデミックで学校が閉鎖されてしまうと、教育を受ける機会はゼロになってしまい、また家計を助けるために働かざるをえない。特に女子は学校に行かないで家計を助けるためだけでなく、家族の世話をするためにも働くことが多い。さらに様々な犯罪に巻き込まれる可能性もある。そして学校が再開されても、授業についていけなかったり、仕事をやめるわけにいかずに学校をやめてしまうことも多い。また、たとえスマホやタブレットなど機器や回線のデジタルツールが整備され、リモート学習が可能な環境になったとしても、家では家族が多くて、狭くて自分の部屋もなくてオンライン学習で授業を受けられない子供も多い。

さらに授業は学校で受けるものという思い込みがあり「家にいるなら働いて家計を助けろ」とリモート学習に対する理解を示さない保護者への対応も必要になってくる。日本では考えられないだろうが「女子が学校に行く必要はない」「女子に教育は必要ない」と本気で今でも思っている人が多い。そのためデジタルツールの整備が完了しても、家でリモート学習ができない現在の環境と保護者のリモート学習への理解を得ることへの対応が重要になってくる。

▼ニューヨークの国連本部に設置された教室を模したインスタレーション

 (C) UNICEF
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