インド軍、国内企業から初めて「攻撃ドローン迎撃システム」導入:中国とパキスタンの空からの脅威に対抗
インドとパキスタンの国境地域のカシミールのジャンムーにあるインド空軍の基地に2021年6月にドローンによる攻撃が行われ、2か所が爆破され、2人が負傷した。インドの空軍基地がドローンで攻撃されるのは初めて。屋根が吹っ飛ばされたようだが安全保障にかかわる重要施設への大きな影響はなかったようだ。地元警察ではパキスタンのテロリスト集団による攻撃だろうと推察しているとインドのメディアが報じていた。またインドは中国との国境紛争もかかえている。インドにとってはパキスタンと中国からのドローンによる攻撃からの防衛は喫緊の課題であり、インドの安全保障においても重要である。
そして2021年8月には、インド国防省は攻撃ドローン迎撃システムをインドの軍事企業のバーラト・エレクトロニクスから導入することを発表した。インド国内の軍事企業が攻撃ドローン迎撃システムを開発するのは初めて。
この攻撃ドローン迎撃システムは、上空のドローンを察知するとレーザービームでドローンの機能を停止させることができる。またレーザー砲で上空の攻撃ドローンを爆破することも可能。いわゆる"ソフトキル(soft kiill)"と"ハードキル(hard kill)"を搭載している。まずはインド海軍が導入する予定。
「敵国からの侵略に屈することは決してありません」
シャー内務大臣は以前に「インド国内のテクノロジーを活用して、新たな脅威と危険に対峙していきます。近いうちに"Made in India(Swadeshi)"のドローン迎撃システムが開発されます。もちろん、インドが望んでいるのは平和です。しかし敵やテロリストからの攻撃に対するモディ政権の安全保障政策は明確です。我々インドは他国に依存しない国防政策があります。インドは国際社会の中でのポジションも強化しています。敵国からの侵略に屈することは決してありません」と強い口調で語っていた。
ドローンの大群が上空から地上に突っ込んできて攻撃をしてくることは大きな脅威であり、標的である敵陣に与える心理的影響と破壊力も甚大である。またドローンはコストも高くないので、大国でなくとも、テロリストでも購入が可能であり、攻撃側は人間の軍人やテロリストが傷つくリスクは低減されるので、攻撃側にとって優位であり有益だ。そのためドローン迎撃システムの開発と対策はインドだけでなく、あらゆる国の防衛において重要である。