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ロシア海軍「AI搭載の水中攻撃ドローンを開発、水面から上空の飛行機への攻撃も」露メディア報じる

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

水中からだけでなく水面から上空の飛行機への攻撃も可能

ロシア海軍は水中での攻撃ドローンを開発しているとロシアのメディアGazetaが報じていた。水中ドローンはSwarmDiver(スワームダイバー)と呼ばれている。

ロシア軍が開発している水中攻撃ドローンはAI(人工知能)技術を搭載し、水中だけでなく、水上でも攻撃が行える。つまり水中で敵の船を攻撃することも、水上に出て水面から敵の船や上空の飛行機へ攻撃することも可能のようだ。AI技術を搭載しているので自律的な運用も可能らしい。

進む自律型殺傷兵器の開発

AI技術の発展で、AI技術の軍事分野での積極的な活用が進められている。AI技術を搭載することによって、兵器の無人化も進んでいる。ロシア海軍が開発していると報じられている水中攻撃ドローンも自律型兵器である。一方で、兵器の無人化が進むとともに「キラーロボット」と称される人間の判断を介さないで攻撃を行う自律型殺傷兵器が開発されようとしている。

人間の判断を介さないで標的を攻撃することが非倫理的・非道徳的であるということから国際NGOや世界30か国の政府、AI技術者らが自律型殺傷兵器の開発と使用には反対している。

ロシア政府は自律型殺傷兵器の開発と使用には反対していない。むしろこのように積極的にAI技術を軍事に活用しており、このままいけば近い将来「キラーロボット」と呼ばれる自律型殺傷兵器が登場して、戦場でも利用されるだろう。プーチン大統領もロシアにおいて軍事だけでなくあらゆる分野でのAI技術開発を積極的に推進しようとしている。

ロシアだけでなくアメリカ、イスラエル、中国、インドなどでもAI技術の軍事への活用は積極的に進められている。中国政府は自律型殺傷兵器の使用には反対しているが、開発には反対していない。

▼ロシア「海軍記念日」

写真:ロイター/アフロ

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学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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