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中国、浙江省温州市:交差点での「歩きスマホ」罰金を導入へ

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

 「歩きスマホ」のトラブルは日本だけでなく、世界中で社会問題になっている。中国浙江省温州市では2019年1月から「歩きスマホ」をしながら交差点の横断歩道を歩いた時に、10元(約160円)の罰金を科す条例が施行されたと報じられていた。下記に引用しておく。

中国で歩きスマホ規制の動き 温州市、交差点で罰金

中国浙江省温州市が今年から、スマートフォンを見ながら交差点の横断歩道を歩いた場合、10元(約160円)の罰金を科す条例を施行している。上海紙「新聞晨報」が2019年1月18日付で伝えた。1月16日までに2人に罰金が科されたという。条例には賛否両論が出ているが、約7割がスマホを手に交差点を渡った経験があるとの調査結果があり、同紙は「安全を考慮すればこうした条例は必要」と指摘する識者の声を伝えている。

出典:毎日新聞(2019年1月21日)

日本よりも多い中国人の「歩きスマホ」

 中国では日本以上にスマホが普及しており、都市部ではほぼ全員がスマホを所有しており、「歩きスマホ」はよく見る光景だ。特にスマホ決済も進んでいる中国ではスマホがないと生活ができないと言っても過言ではない。他にもメッセージのやり取りやSNSのチェックなど、いつでもスマホが気になって仕方ない。そのため「歩きスマホ」による事故やトラブルも多い。中国ではかつて「歩きスマホ」をしていたら、気がつかないで川に落ちて死亡事故につながった悲惨な例もある。

ホノルルでも「歩きスマホ」は罰金

 また「歩きスマホ」による罰金も中国の浙江省温州市が初めてではない。ハワイのホノルル市では2017年10月、道路横断中のスマホのチェックやゲームなどの行為を禁止する条例が施行された。違反すると罰金を科される。いわゆる「歩きスマホ」禁止だ。スマホだけでなく、タブレット、ノートパソコン、ゲーム機器、デジタルカメラも罰則の対象となる。「歩きスマホ」による罰金はアメリカの主要都市では初めて。交通安全や「歩きスマホ」での事故防止のため、多くのアメリカの都市でも「歩きスマホ」への罰金導入が検討されている。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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