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Apple「iPhone X」が絶好調で増収増益「他のどのiPhoneよりも選ばれている」

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

「iPhone Xが、他のどのiPhone機種よりもお客様に選ばれた」

 Appleは2018年5月1日に2018年Q2(2018年1~3月期)の業績発表を行った。売上高は前年同期比16%増の611億3700万ドル(約6.7兆円)、純利益は25%増の138億3300万ドル(約1.5兆円)だった。前期の10月~12月期は全世界でクリスマスシーズンだったので、前期に比べると落ちているが、それでも前年同期比では増収増益で過去最高を達成、絶好調だった。

 特に今期も昨年11月に発売された「iPhone X」が売上に大きく貢献した。1台10万円以上で世界中どこでも値引き販売はしていい「iPhone X」が好調であることはAppleの収益にも好影響で、iPhoneがAppleの売上に占めるシェアは約6割とiPhone依存の収益構造だ。iPhoneが売れる時期は7割くらいを占めることもあるが、それでもまだほとんどの売上をiPhoneに依拠しているメーカーだ。特にiPhone Xのようなハイエンドの高価な端末は利益率もかなり高いので収益に大きく貢献する。

(Apple決算資料を元に作成)
(Apple決算資料を元に作成)

旧正月の中国では「iPhone X」が絶好調

 また今期は、アメリカ、イギリス、オーストラリアで音声スマートスピーカーの「Home Pod」を販売開始している。さらに、今期はApple Music、Apple Pay、iCloudなどのサービス分野の売上も大きく伸ばしている。サービス分野の売上はすでにiPadやMacよりも大きい。今後サービス分野の売上はもっと増加するだろう。

 地域別にみると、日本と中華圏が20%増の売上を達成した。日本は3月の卒業・入学前シーズンの売れる時期で、ドコモやソフトバンクなど通信事業者も積極的にiPhoneを販売する時期だ。中国では「iPhone X」の売れ行きが絶好調のようだ。特に中国は2月の旧正月シーズンがセールで爆発的に物が売れる時期だから、新製品の「iPhone X」が売れるのも不思議ではない。

(Apple決算資料を元に作成)
(Apple決算資料を元に作成)

 ティム・クックCEOは「iPhone、サービス、ウェアラブルが絶好調だった。iPhone Xが、他のどのiPhone機種よりもお客様に選ばれた。すべての地域で売上を伸ばすことができて、中華圏と日本では20%以上の伸びを見せたことが喜ばしい」とコメント。

▼Appleが販売開始した「Home Pod」の紹介動画

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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