Yahoo!ニュース

東京メトロ、訪日外国人の視点でマナーポスター:ドア付近の人、スマホに夢中になってませんか?

佐藤仁学術研究員・著述家
(東京メトロ提供)

訪日外国人の視点から描く地下鉄のマナーポスター

 東京メトロでは、2018年4月から2019年3月まで、マナーポスターを毎月違ったテーマで各駅と電車内に掲出する。2018年度のマナーポスターのコンセプトは「世界に誇れる、東京のマナーを目指そう」だ。スローガンは「GOOD MANNERS, GOOD TOKYO」。

 東京メトロによると、電車内やホームでのマナーを年々増えている訪日外国人の視点で描き、私たち日本人のマナーの良い面や、見直すべき部分に改めて気づいていくシリーズを展開していく。視点を日本人から訪日外国人に変え、世界に誇れるようなよりよいマナー(GOOD MANNERS)で、よりよい東京を目指していく(GOOD TOKYO)という、これまでのマナーポスターとは違う角度から、マナーについての「気づき」を促すポスターとなっている。

 以下が東京メトロが製作したポスターの第一弾。

(東京メトロ提供)
(東京メトロ提供)

ドア付近の人、降りてますか?スマホに夢中になっていませんか?

 第一弾のポスターには「ドア付近の人はいったん降りてる!協力し合うとスムーズですね」と書かれてる。ドア付近の人が一旦降りて、協力しあいながら乗降ができると非常にスムーズだが、実際には車内ではスムーズに降りれないことが多い。その原因の1つがドア付近の人たちが車内でスマホに夢中になっているからだ。

 ドアが開いて、後ろから乗客が降りようとしていても、ドア付近に立っている人がスマホの画面に夢中で、後ろから人が降りてくることに気が付かない。気が付いても、自分には関係がないと思ったり、スマホの中の動画やニュース、SNSに夢中で、いったん降りようとしない。それで後ろの人がスムーズに降りることが出来ずに、時間がかかり、その分が電車の遅延につながることが多い。

 電車走行中はドア付近でスマホに夢中になっていても、ドアが開いたら、いったんスマホから目を離して、後ろから人が降りてこないかの気配りを心掛けたいものだ。

 2018年度の東京メトロのポスターのコンセプトは「訪日外国人の視点で見た世界に誇れる良いマナー」だ。果たして、現在の日本人の電車での乗り降りは、世界に誇れるような良いマナーだろうか。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

佐藤仁の最近の記事