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Amazonドイツ、「ベルリンのホロコースト記念碑」の枕カバー販売で炎上

佐藤仁学術研究員・著述家
ベルリン・ホロコースト記念碑(写真:アフロ)

 Amazonドイツでベルリンのホロコースト記念碑の写真が描かれた枕カバーを販売されていた。Annyer Willerという店舗が、12.99ユーロ(約1500円)で販売していた。Amazonドイツだけでなくイギリス、フランスでも販売されている。ホロコースト記念碑の写真を枕カバーにして販売するのが不謹慎ということでネットが炎上している。

 親ユダヤ団体「We Stand With Israel」ドイツ支部は、Amazonでホロコースト記念碑の枕カバーが販売されていたことについて「ホロコーストの思い出で利益を上げよう!これこそがユダヤ人がやりたかったことだ( Let's make some profit from the memory of the Holocaust. This is what the Jews would have wanted.)」と皮肉を込めてコメントしていた。Amazonからはコメントは出ていない。

炎上の原因となった枕カバー(Amazonドイツ)
炎上の原因となった枕カバー(Amazonドイツ)

SNSへの写真アップでもよく炎上していたホロコースト記念碑

 ベルリン・ホロコースト記念碑は正式名は「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」と呼ばれ、2005年5月に開設された。ベルリンのブランデンブルグ門近くの一等地にある広大な記念碑だ。各国の要人などもベルリンを訪問するとよく訪れている。

 場所柄から、ベルリンを訪れた多くの人々が訪問する観光地となっている。地下にはホロコーストに関する情報センターがあり、ホロコースト犠牲者の氏名や資料などが展示さているが、この場所自体、強制収容所の跡地ではなかった。ホロコースト記念碑と知らない人にとっては、広大なオブジェ群である。

 そのため、世界中から訪れた多くの観光客がホロコースト記念碑で、ふざけたポーズなどで記念写真を撮影し、それらの写真をインスタグラムやFacebookなどSNSにアップしていた。そのようなふざけたポーズが不謹慎だと、2017年にはこちらもよく炎上の話題になっていた。

 だがSNSに写真をアップしていた人たちは歴史を知らなかったため「観光地で撮影した1枚の写真」という感覚だった。彼らの多くが不謹慎や罪の意識はなかったようで、どうして炎上したのかわからないという人もいたようだ。

ホロコースト記念碑でふざけたポーズで写真を撮影してインスタにアップしてよく炎上していた (The Forward)
ホロコースト記念碑でふざけたポーズで写真を撮影してインスタにアップしてよく炎上していた (The Forward)
学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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