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インド、ロボコップ開発「市民の不満登録や緊急通報、動画の記録から」警察もロボットの時代へ

佐藤仁学術研究員・著述家
(The Indian Express)

 インドのハイデラバードにあるスタートアップH-BOTSが、ロボット警察、いわゆるロボコップを開発した。ロボコップが行う業務はまずは市民の不満を登録したり、緊急通報、動画の録画などを行う。

爆発物や容疑者検知も

 人工知能(AI)を搭載したロボコップは動くことも可能で、爆発物や容疑者の検知、人々からの問い合わせにも対応できる。また360度カメラやセンサーも搭載しており、リアルタイムに周辺の人々や状況のデータや情報を収集することも可能。モールや駅、空港、展示会場など人が多く集まる場所に設置して、人間の警察官の支援を実施する。

 1.5メートルで43キロのロボコップは現時点ではまだベータ版で、これから数カ月をかけてテストを実施。7月までに実用化していく予定。1台50万ルピー(約90万円)。

 ロボコップを開発したH-BOTSのCEOのKisshhan氏によると「英語の他にも、これからすぐにヒンディー語とテルグ語も認識できるようになる」とのこと。物凄く人や車が多いインドでロボコップは正常に稼働するだろうか。

▼警察ロボットの登場を報じるインドの現地メディア

ドバイではロボコップ導入

ドバイで導入されたロボコップ
ドバイで導入されたロボコップ

 アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ警察は2017年5月から、ロボコップを正式に採用している。人間の顔認識も行い、搭載されたカメラで不審な人物を特定すると、その動画が警察署に送信される。また交通違反の罰金の取締も行い、ロボット経由で罰金を支払えるようになる。

 2030年までにドバイでは、警察官の25%はロボット警察に置き換える予定。つまり警察官の4人に1人がロボットになる。ドバイ警察は「ロボットなら病気で休むことも、産休をとることもなく24時間働いてくれる」とコメントしていた。

 世界規模で警察官もロボットに仕事を奪われる時代になってくる。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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