Twitter:伸びない利用者、ついに米国では減少 次の一手は月額99ドルのプロモーションプラン
Twitterは2017年7月27日、2017年第2四半期(2017年4~6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比5%減の5億7,400万ドル(約640億円)。純損失は1億1,600万ドル(約112億円)の赤字で、前年同期の1億700万ドルから赤字幅は縮小した。
利用者伸びずに3億2,800万人のまま、米国では減少
Twitterの売上高のうち約85%は、広告収入。だがその広告の売上も8%減4億8,900万ドル、データライシングなどの売上は22%増の8,500万ドルだった。
全世界でのTwitterの月間利用者数(MAU)は前年同期比5%増の3億2,800万人。利用者のうちアメリカが6,800万人で、前期よりも200万人減少している。Twitterにとって稼ぎ頭のアメリカ市場での利用者の減少は大きい。
Twitterは2015年第1四半期に3億人を突破してから、ずっと微増のままだ。いつまで経っても4億人を超えないで伸び悩んでいる。日本やアメリカ、インドネシアなど一部の国ではTwitterは人気だが、利用者数の観点では、現状のままでは今後爆発的な成長は見込めない。2017年4月には新興国など通信事情がよくない地域でも利用しやすい「Twitter Lite」をリリース。データ通信量を最小限に抑えることができるアプリだが、ほとんど効果はなかったようだ。
トランプ大統領がTwitterを多用していることから、ニュースでもTwitterの名前は聞く機会は多くなったが、それで利用者が急増することはない。日本ではタレントなどの多くは今でもTwitterを利用しているが、最近ではほとんどがInstagramへ情報発信の軸足を移している。
次の一手はビジネス向け有料プロモーションプラン?
なかなか黒字化が見えず、利用者数も伸び悩んでいるTwitterだが、2017年7月には月額99ドルで自社のつぶやきを自動的にプロモーションすることができる有料サービスのβ版の提供を開始した。「広告やキャンペーンを行わなくても、多くの人にアクセスできる」ことをウリにしており、いつものように」ツイートするだけで、関係しそうな利用者へ広告として配信される仕組みのようだ。
だが、そもそも利用者数が伸び悩んでおり、しかもアメリカでは減少している。「広告を出稿するメディアとしてTwitterに現在、どれだけの価値があるのか」が問われてくる。たしかに広告やキャンペーンを制作しないで、いつものつぶやきがそのまま広告になるのは利便性は高いかもしれないが、リーチできる利用者数が少なければ、広告を出稿しても仕方ない。それよりも、全世界で20億人以上が利用しているFacebookに広告を出稿した方が遥かに多くの人にリーチできるから効果的だ。この有料プロモーションプランを導入したからといって、Twitterが多額の赤字を解消できるとは思えない。