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オランダ、犬のフンを検知して回収するドローン開発へ

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:アフロ)

オランダでは多くの人が犬を飼っている。そして散歩に連れて行くのだが、フンの始末をしないことが多いので道路だけでなく公園や運河沿い、芝生の上や街路樹の下には犬のフンが大量に落ちている。子どもが遊んでいる公園や芝生でフンを踏んでしまうだけでなく、大人でも注意して道路を歩かないといけない。オランダでの1日の犬のフンはなんと345,000kgも放置されており、1年間では1億2,600万kgもの犬のフンが公園や芝生など屋外に放置されているそうだ。

上空からフンを検知する「Watchdog 1」 (Tinki)
上空からフンを検知する「Watchdog 1」 (Tinki)
地上でフンを回収する「Patroldog 1」(Tinki)
地上でフンを回収する「Patroldog 1」(Tinki)
ドローンによる犬のフン回収の実験の様子 (Tinki)
ドローンによる犬のフン回収の実験の様子 (Tinki)

上空からフンを検知して地上で回収

そのオランダで同国のスタートアップTinkiがSpace53と提携し地元のトゥウェンテ大学の協力を得て、ドローンで犬のフンを上空から検知して、地上でフンを回収するドローンを開発しようとしている。上空から犬のフンの検知するドローン「Watchdog 1」が、上空から犬のフンを熱量から検知し、その位置情報や画像を地上のドローン「Patroldog 1」に通知し、地上のドローンが犬のフンを回収する仕組みだ。

上空のドローンは周辺の地上との熱量の違いでフンを検知するそうなので、犬のフンが放置されてから長時間が経ってしまった場合は検知できないようだ。具体的な商用時期やビジネスモデルはまだこれからのようだ。

犬のフン検知と回収に向けたドローンの開発には多くのオランダ人が期待している。子どもが遊んでいる時に踏んでしまうだけでなく触ってしまい病気になることもある。また当然ながら公園や芝生では犬のフンのせいで異臭を放っているところも多い。「犬の散歩の時に、オランダ人が犬のフンの始末をしっかりすればいい」と思うかもしれないが、そう簡単に国民の習慣は変わらないのだろう。

オランダでの犬のフンの量 (Tinki)
オランダでの犬のフンの量 (Tinki)
学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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