京都地裁、運転中の「ポケモンGO」女性死亡事故で有罪判決

(ペイレスイメージズ/アフロ)

2016年9月に京都府長岡京市で、大型クレーン車を運転中に「ポケモンGO」をしていて、ミニバイクの39歳の女性を死なせたとして自動車運転処罰法違反(過失致死)で起訴されていた47歳の男性に京都地裁は2017年1月17日、禁錮1年6か月、執行猶予5年(求刑禁錮1年6か月)の判決を言い渡した。NHKが報じていたので下記に引用しておく。

ポケモンGOしたあと死亡事故 運転手に有罪判決

去年9月、京都府長岡京市で、大型クレーン車で信号待ちをしている時にスマートフォン向けのゲームアプリ、ポケモンGOをしていて、その後、発進した際にミニバイクに追突して女性を死亡させたとして、過失運転致死の罪に問われた大型クレーン車の元運転手に、京都地方裁判所は執行猶予のついた禁錮1年6か月の有罪判決を言い渡しました。

京都市山科区の大型クレーン車の元運転手、根上弘樹被告(48)は去年9月、長岡京市の交差点で赤信号で停止したあと、発進してミニバイクに追突し、乗っていた39歳の女性をおよそ130メートル引きずって死亡させたとして、過失運転致死の罪に問われました。

これまでの裁判の中で、被告は「走行中にはゲームをしておらず、ミニバイクに追突したことには気が付かなかった」などと主張していました。

17日の判決で、京都地方裁判所の奥山雅哉裁判官は「ミニバイクは目視出来ない位置に停止していたが、車内のモニターを注視していれば容易に気付くことが出来た。少なくとも信号停止中にはポケモンGOをしていて、『目視出来ない位置にミニバイクが停止していることはない』という過信と相まって、安全確認の義務に違反した」と指摘し、禁錮1年6か月、執行猶予5年の判決を言い渡しました。

17日の裁判では、判決の言い渡しの前に、亡くなった女性の母親の檜森素江さん(75)が意見陳述を行い「何の落ち度もない万里が一方的に命を奪われ、悲しみで胸が張り裂けそうです。今後はゲームの操作で起こした事故には厳しい刑罰を与え、娘の命をむだにしないように強く望みます」と述べました。

裁判のあと、素江さんはNHKの取材に「大切な娘を亡くしてこの先、何も考えられません。こんな悲しみは私たちで最後にしてほしいです」と話しました。

裁判のあと被告の弁護士は、NHKなどの取材に「5年間の執行猶予というのは限りなく実刑に近い判決で重く受け止めている」と述べ、控訴しない方針を示しました。

出典:NHK(2016年1月17日)

「ポケモンGO」だけでなく運転中のスマホ操作は絶対禁止

「ポケモンGO」だけでなく、LINEやFacebookなどのSNSやニュースのチェックなど、運転中でも多くの人スマホが気になってしまう。だが運転中のスマホ操作の危険度は「歩きスマホ」の比ではない。自分が事故で大怪我をするだけでなく、歩行者や同乗者を怪我させたり、死亡させてしまう。

国交省は「運転中のスマホ操作は『道路交通法で禁止されている極めて危険な行為』である」と指摘しているが、国交省に指摘されなくとも、運転中にスマホを操作していたらどのような惨事を招くかは想像できるだろう。

死亡事故を起こしたクレーン車の運転手は信号で止まった時に「ポケモンGO」をしていたと供述しているようだが、信号で停止した後に前方をよく確認しないで発進して、停止中だったバイクにぶつかったそうだ。検察側は「停車中も運転行為の一環。危険性が非常に高く、過失の程度は大きい」としていた。停止中でもスマホに集中していると、神経がまだスマホの世界にいっているので、信号が変わってからも周囲への注意が散漫になってしまい、咄嗟の判断ができない状態なので非常に危険だ。

「ポケモンGO」だけがやたらと目立ってしまうが、スマホをしながらの運転は危険極まりない。だが「ポケモンGO」に起因する交通事故はたしかに目立っている。警察庁によると「ポケモンGO」の配信が開始された2016年7月22日から2016年11月21日までの4か月間で、運転中の「ポケモンGO」操作による人身事故は17都道府県で26件発生しており、そのうち3件が死亡事故だ。2016年10月には愛知県一宮市で「ポケモンGO」をしていた運転手のトラックに小学生がはねられて死亡する悲惨な事故もあり、遺族らが運転中のスマホ操作の厳罰化などの対策強化を訴えている。

他にも公共交通機関であるバスの運転手が乗務中に「ポケモンGO」を操作していることが各地で発覚して会社が謝罪するケースも相次いでいる。まだ乗客が乗っているバスが事故に巻き込まれる大惨事は発生していない。国土交通省も2016年11月に、業務中の携帯電話・スマホの使用禁止の徹底について、バスやタクシーなどの関係団体あてに通知している。

重大な人身事故や死亡事故にならずとも摘発された件数はさらに多い。「ポケモンGO」が配信直後の2016年7月22日から27日までの6日間のでは運転中の「ポケモンGO」での摘発、信号無視などによる取り締まり件数が45都道府県で406件もあった。これらは氷山の一角で、実際には警察に摘発されないまでも運転中に「ポケモンGO」もしくはLINEやニュースチェックなどのスマホ操作をしている人は多かったのではないだろうか。

「今なら大丈夫。ここなら安全だろう」と思い込んで、ついつい運転中にスマホを操作してしまうのだろうが、運転中のスマホ操作で「自分だけは大丈夫」ということは絶対にない。スマホを操作しながらの運転で人生を台無しにしてはいけない。