GoogleがAIを活用したメッセンジャーアプリを開発中?:メッセンジャーは「情報の宝庫」で収入源
Googleがメッセンジャーアプリを開発していると報じられている。Googleがメッセンジャーアプリを開発していると報じられるのは、今回が初めてではない。過去に何回も報じられてきた。
■人工知能(AI)「Chatbot(チャットボット)」を活用
今回の報道によると、Googleが開発を進めてきた人工知能(AI)を活用して、ユーザーの質問に答える「Chatbot(チャットボット)」を組み込んだメッセンジャーアプリになるのではないかということ。例えばユーザーからの質問に対して、それらを人工知能(AI)を活用して自動回答する仕組みになるのではないかと推測されている。
Googleは世界中から、あらゆる情報を収集、蓄積して解析する人工知能(AI)の開発に注力している。2015円11月には、「Inbox by Gmail」アプリに人工知能(AI)の機械学習で返信メールを自動生成する機能「Smart Reply」を追加することを発表した。
Facebookも自社のMessengerに人工知能(AI)を活用したサービス「M」の提供を開発しようとしている。これも人工知能(AI)を活用して、お勧めのレストランの予約や友人へのプレゼントなどができる仕組みを提供しようとしている。
■Googleが欲しいメッセンジャーは「情報の宝庫」であり、重要な収入源
GoogleにはHangoutsなどがあるが、全世界で9億人が利用しているFacebook傘下のWhatsAppや7億人が利用しているMessenger、2億人以上が利用しているLINEやWeChatなどには大きく差がある。Googleはソーシャルメディア分野が非常に弱い。SNSにはGoogle Plusがあるが、全世界で15億人以上が利用しているFacebookには比べ物にならない。
Googleは検索や動画、Gmail、Androidなどのサービスを通じて、世界中からあらゆる情報を収集して、蓄積し、それらを解析して、ユーザー1人1人に適した広告を配信してきた。Googleの売上高の90%以上が広告収入であり、個人個人に適した広告が配信されることは、Googleの更なる収入基盤確立にとって非常に重要である。そして人工知能(AI)の発展にも、さらに多くの情報が必要である。収集、蓄積される情報は多ければ多いほど、良い。
個人が毎日メッセンジャーでやり取りしている情報なんて些末なものだと思うかもしれないが、メッセンジャーアプリは「情報の宝庫」である。誰が誰と繋がっていて、いつ、どこで、誰と、どういう会話をしているのかという「人間関係とコミュニケーションの情報」が入手できる。そしてメッセンジャーアプリからの情報を収集、蓄積、解析することで、Googleは企業向けに適切な広告を販売することも可能であり、更なる広告の増収も期待される。メッセージのやり取りから、例えばユーザーごとに適切な地域のレストランやホテル、ショップのお勧め情報やセールなどを配信できる。
世界中の情報を収集、蓄積して解析したいGoogleとしてはメッセンジャー、ソーシャルメディアの情報は「喉から手が出るほど欲しい情報」なのだ。