メッセンジャーでUberが呼べる:アメリカで実験、Facebookが欲しい「配車情報」

(写真:ロイター/アフロ)

Facebookは2015年12月16日、アメリカでUberと提携してFacebookのMessengerで配車できるサービスの試験的な運用を開始したことを発表した。Uberはスマートフォンのアプリでタクシーが呼べるサービスでアメリカだけでなく多くの国で利用できる。

今回のFacebookとUberの提携によって、利用者はUberアプリをダウンロードしなくともMessengerから車を簡単に呼ぶことができるのが特徴で、初めてMessengerでUberを利用した人には20ドル分のUberポイントが付与されるなどのサービスもある。

■使い慣れているMessengerでUber手配

FacebookのMessengerは全世界で7億人以上が利用しており、アメリカでも同じくFacebook傘下のWhatsAppに次いで人気がある。Facebookとしては、もっとMessengerを利用してもらうことによって多くの利用者の情報を吸い上げて、さらにFacebookのサービス強化を図っていきたいところだ。

日本では東京や大阪などの大都会では公共交通機関が発達しているので、Uberなどに頼らなくても移動手段に困ることは少ないかもしれないが、車社会のアメリカではUberのようなサービスは、車を運転しない人には非常に重要で便利なサービスである。長いこと来ないバスを待つよりも、近くのUberの車を手配した方が効率が良い。そして利用者にとっても不慣れなUberのアプリよりも、ふだんから利用しているFacebookのMessengerの方が使い勝手が慣れていて便利である。

■移動手段である配車手配は貴重な情報

世界中からの情報を吸い上げて人工知能に学習させて、利用者ごとに適切な広告や情報を配信していきたいFacebookとしては、Uberのような配車手配に関する情報は貴重な情報である。「どの地域で」、「何時に」、「どのような人」が車を手配しているのかを把握することによって、利用者の行動パターンや車の運転状況が把握できる。そこに適切な地域情報や周辺店舗の広告や、別の機会にもUberの情報などを利用者ごとに配信することもできるだろう。

Uber利用に関する情報が蓄積・解析されて、さらに利用者に多くの情報や広告を発信することができ、新たな収入の増加につなげることが期待できる。売上の95%以上を広告収入で占めているFacebookから見たら、Uberの利用者の行動パターンと自動車の運行状況に関する情報が蓄積されて、将来の収入につながるのであれば、1人20ドルまでのポイントなんて安いものなのだろう。