Yahoo!ニュース

サラ・ジェシカ・パーカー「セックス・アンド・ザ・シティ新章」の猫を引き取る。キャリーよりずっと安心

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
キャリーは子猫にシューという名前をつける

 ドラマの中で起きたことが、現実に。

「AND JUST LIKE THAT.../セックス・アンド・ザ・シティ新章」でキャリーが引き取った子猫が、撮影を終えた後、サラ・ジェシカ・パーカーの家に引き取られていたことがわかった。パーカーは、猫のかわいらしいアップの写真と共に、「この子の本当の名前はロータスです。@cthumansocietyによって保護された時、子猫だったこの子ときょうだいはみんな植物の名前をつけられました」とのメッセージを投稿して、2023年4月にパーカーと夫マシュー・ブロデリックの家の一員になったと報告している。

(サラ・ジェシカ・パーカーのインスタグラムより)
(サラ・ジェシカ・パーカーのインスタグラムより)

 ドラマの中でキャリー(パーカー)が“シュー(靴)”という名前をつけるこの子猫が登場するのは、第2シーズンの第9話。コメディ番組に主演する話が出てロサンゼルスに引っ越すも、結局うまく行かずニューヨークに戻ってきたチェ(サラ・ラミレス)は、かつて勤めていた動物病院にスタッフとして戻る。ある日、受付に座っていると、誰かが「うちの建物の前に置かれていた」と、4匹ほどの子猫が入った箱を持ち込んできた。最初は「ここは動物病院だから」と近くにあるアニマルシェルターを教えるが、持ち込んできた人が自分のファンだったとわかると話が弾み、会話の最後にチェは「どうにかします」とその箱を受け取る。

 次のシーンでキャリーが自宅に戻り、家に来ているはずのチェに「帰ってきたわよ」と声をかけると、チェより先に子猫が出てきた。驚いているキャリーに、チェは、「かわいいでしょ?欲しい?」と聞く。キャリーは「1秒だけよ」と言って子猫を抱っこするが、その後すぐまたチェに猫を手渡して、今の状況で猫は飼えないと言う。しかし、第10話でキャリーが引っ越しの用意をしているシーンにその猫が登場し、キャリーは結局引き取ったのだとわかる。そしてシーズン最終回の第11話で、キャリーは、ディナーパーティに集まった親しい人たちに子猫を見せて、名前はシューだと紹介。この回の最後でエイダン(ジョン・コーベット)を見送る時も、キャリーはシューを抱っこしている。

チェは子猫を連れてきて、キャリーに「かわいいでしょ?欲しい?」と聞く
チェは子猫を連れてきて、キャリーに「かわいいでしょ?欲しい?」と聞く

 猫飼育歴27年の筆者は、実はこのストーリー展開に、やや不安と抵抗を持っていた。何よりもまず、キャリーが猫を欲しがっていたわけでもないのに、かわいいからと勝手に猫をあげるのは無責任だ。チェは動物好きであるだけに、そんなことは知っているはずではないか。そもそもキャリーは56歳の今までペットを飼ったことがなく、動物に興味を示したこともない。エイダンと付き合っている時も、エイダンの犬ピートをとくにかわいがることもせず、一度ひとりで散歩に連れて行った時にはピートをうっかり逃してしまい、雨の中を必死で探し回ることになっている(幸い、ピートはひとりで家に戻っていた)。「AND JUST LIKE THAT...〜」第2シーズン第7話でも、チェと街を歩いている時に野良犬に遭遇し、チェが助けると、キャリーはその犬に思いやりを見せることなく、「知らない動物に触るのは良くないわよ」と言う。そんな彼女は、ちゃんと責任を持ってシューを最後まで面倒見てくれるだろうか。

2008年、長男と一緒に愛犬を散歩するサラ・ジェシカ・パーカー
2008年、長男と一緒に愛犬を散歩するサラ・ジェシカ・パーカー写真:Splash/アフロ

 幸いにも、パーカーと夫ブロデリックは、ペットの親として、キャリーよりずっとしっかりしているようだ。彼らが犬を連れている様子は、以前からたびたびパパラッチされているのである。さらに、パーカーは、ロータスを迎え入れたと発表するインスタグラムの中で、彼らの家にはすでに猫が2匹いることも明かしている。名前はレミーとスミラで、昨年5月に迎え入れたのだそうだ。とあれば、パーカーも、ブロデリックも、彼らの子供たちも、猫のお世話にはもうすっかり慣れているはず。ロータスは猫好きの家に引き取られたということで、何よりだ。

キャリーはシューの良いママになってくれるだろうか
キャリーはシューの良いママになってくれるだろうか

「AND JUST LIKE THAT…〜」第2シーズン最終回は先週配信されたばかりだが、すでに第3シーズンの製作は発表されている。第3シーズンには、きっと大きくなったシューが登場するだろう。キャリーとシューは、キャリーがグラマシー・パークに新しく買った4つのベッドルームと3つのバスルームがある家で、どんな暮らしをしているだろうか。ロータスはもう“役者”を引退したので、きっと別の猫がシューを演じると思われる。ちょっと気が早いが、その“大きくなったシュー”を演じる猫ちゃんにも、ちゃんと温かい家庭を得られることになって欲しい。

場面写真:Craig Blankenhorn/Max

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

猿渡由紀の最近の記事