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最上階住戸も設備仕様は標準のまま。プレミアム住戸を設けない都心タワマンの新しい方向性とは

櫻井幸雄住宅評論家
「シティタワー新宿」で公開されている建物内モデルルームのひとつ。筆者撮影

 タワマンと呼ばれることが多くなった超高層マンションでは、最上層の数フロアを特別仕様にすることが広まっている。

 特別仕様のフロアでは、特大サイズの住戸を配置し、天井をひときわ高くする。そして、イタリア製のシステムキッチンにドイツ製の食器洗い乾燥機、ジェット噴流付き浴槽など格上の設備機器を網羅して、文字通り雲上の生活が実現するプレミアム住戸とするわけだ。

 プレミアム住戸は価格設定も高く、中層階の3LDKが2億円程度で購入できるときに、5億円から10億円の価格が付けられたりする。そのインパクトが大きいため、超高層マンションの住戸はすべて富裕層が投資目的やセカンドハウスのために購入するもの、と思われるようになった側面がある。

 しかし、実際には、投資目的の富裕層だけでなく、自ら住むマイホームとして都心超高層マンションを買う人たちがいる。

 投資やセカンドハウスとして購入する人と、マイホームとして買う人は、どちらが多いのか。ここ数年は、投資・セカンドハウス目的の購入者が多い印象があった。しかし、これからは、マイホームとして購入する人が増えるのではないか。そのように感じさせるマンションが今、都心部で分譲されている。

 そのマンションの名前は「シティタワー新宿」。住友不動産が事業主となる地上35階建て全428戸の大規模超高層マンションだ。

 「シティタワー新宿」には、このマンションならではの特性がある。その特性とは何か。そして、同マンションの特性から「これからの都心超高層マンションに増えそうな新しい方向性」を解説したい。

すべての住戸で天井が高い

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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