実は珍しい「周囲に眺望を遮る建物がない超高層マンション」が北千住に誕生

買い物客で賑わう千住本町商店街を歩くと、敷地の大きな建設現場に出会う。筆者撮影

 東京23区内で「千住ザ・タワー」というマンションが、3月7日から登録受付を始める。三菱地所レジデンスほかが事業主となるこの超高層マンション、かなり特殊な物件といえる。理由は、中層、低層の建物が集まる商店街エリアに、1棟だけ地上30階建ての建物が姿を現す……そんな“飛び抜け感”のある超高層となるからだ。

多くの超高層は、複数の建物と一緒に開発される

 「高さ60m(階数にしてだいたい20階)を超える」という基準を持つ超高層マンションは、どこにでも建設できるものではない。多くは、再開発事業のなかで、特別に許可されて建設される。再開発事業は駅前や埋め立て地で大きな面積をもって行われる。そして、超高層マンションは複数の高層建築物と一緒に誕生するのが普通だ。

 つまり、超高層マンションの隣に別の超高層があり、お互いの視線を感じる“お見合い”状態が生じてしまうことが多い。これを避けるため、建物をずらしたり、ハスに構えるように配置するのだが、近くに別の建物があることは変わらない。

「千住ザ・タワー」の全体完成予想図。三菱地所レジデンス提供
「千住ザ・タワー」の全体完成予想図。三菱地所レジデンス提供

 これに対し、「千住ザ・タワー」は駅から徒歩3分の再開発エリアに立地するのだが、建設されるのは同マンションだけだ。駅前再開発のように広大な面積ではないため、周囲に超高層建築物がつくられない。買い物客で賑わう商店街を歩いていると、突然地上30階建てのマンションが目の前に現れる。そんな印象となるマンションなのだ。その結果、超高層マンションとして非常に好ましい特徴が生まれることになる。

360度の眺望が開けるし、外からの視線もない

 「千住ザ・タワー」は、周囲に高層の建築物がないので、眺望が開ける住戸が多くなる。下層階には商業施設と子育て支援施設などが入り、住戸が設置されるのは4階以上。そのため、下層の住戸でも都心や湾岸エリアのビル群が見渡せるし、西向きの上層階であれば、天気のよい日は富士山まで見えそうだ。夏には、隅田川や荒川の花火大会を満喫できる住戸もある。

 加えて、周囲に高層の建物がないため、多くの住戸で外からの視線を感じない、という長所も生まれる。夜、カーテンを開け放して、夜景を楽しみながら生活できる住戸が多くなるわけだ。

 この「眺望が開ける」ことと「まわりからの視線を気にせず生活できる」ことが、超高層マンションに暮らす醍醐味だ。

 超高層マンションが東京に増え始めた頃、超高層の上層階に住んだ人は、この醍醐味に魅了された。そのため、目の前に別の建物ができて眺望を遮られると、あっさりマンションを買い替えた。眺望が開けて、まわりからの視線を気にせず生活できる別の超高層マンション上層階に移り住んだのである。

 「千住ザ・タワー」に住めば、そんな買い替えは不要だろう。

建設地は、まだ注目度が低い「北千住」

 「千住ザ・タワー」の最寄り駅は、東京メトロ日比谷線・千代田線、JR常磐線など5路線が利用できる北千住駅。近年、東京藝術大学や東京電機大学など4つの大学が新キャンパスを設置したことで駅周辺の活気が増し、街の洗練度が増した。各種住みたい街ランキングで、ベスト10入りすることが多くなった足立区内の街である。

5路線が利用できる北千住駅周辺。複数の大学キャンパスが新設され、賑わいを増している。筆者撮影
5路線が利用できる北千住駅周辺。複数の大学キャンパスが新設され、賑わいを増している。筆者撮影

 といっても、首都圏全体での「北千住」の注目度はまだ低く、穴場とも評価される。実際、同マンションは2月中旬までに4000件に迫る数の資料請求が来ているのだが、その多くは北千住周辺に住んでいる人たち。北千住の住みやすさ、将来性の高さなどを実地に知っている人たちが中心だ。

 「千住ザ・タワー」の予定価格は23区内で駅から徒歩3分以内・再開発・超高層マンションとしては抑えられている。約57平米で9階の2LDKが5500万円台から、約71平米で20階に位置する3LDKが7200万円台から、といったところ。キッチンにディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)と食器洗い乾燥機、浴室にミストサウナを標準設置する点、建物に制震構造を採用し、安心感が大きい内廊下方式を採用している点などを勘案すると、納得感ある設定だ。 

 北千住の住みやすさを知っている人がこの価格設定にも注目し、資料請求しているものと思われた。