渋谷区南平台の7億円マンション、使い方が分からない最先端設備も

7億1000万円住戸のリビングダイニングは、普通の3LDKが収まる広さ。筆者撮影

 都心の渋谷区内で、「ザ・パークハウス 渋谷南平台」(三菱地所レジデンス、大林新星和不動産、東急不動産)の分譲が始まった。建設地は、渋谷区南平台町。「南平台(なんぺいだい)」と呼ばれる場所で、JR山手線の外周部に位置し、松濤、神山町と並ぶ渋谷の高級住宅エリアである。

 といっても、建設地はセルリアンタワー東急ホテルに近く、南平台の本筋エリアからは、少し外れている。南平台らしいのは、もう一歩奥に入って「都心の喧噪から離れた」場所。その“奥座敷”で、低層・小規模の建物が、南平台で求められる本筋マンションの姿だ。

 それに対し、「ザ・パークハウス 渋谷南平台」は、渋谷の“奥座敷”というよりも表舞台に近く、JR山手線渋谷駅から徒歩7分と便利な立地。地上10階地下1階建て全100戸の堂々たる規模で、セルリアンタワー東急ホテルの会員制フィットネスクラブが利用できたり、東急百貨店との連携サービスがあったり、とアクティブな生活を想定している。

堂々たる外観の「ザ・パークハウス南平台」。三菱地所レジデンス提供
堂々たる外観の「ザ・パークハウス南平台」。三菱地所レジデンス提供

 昔からの南平台ファンからすると、「らしくない」とも言われそうだが、渋谷駅周辺の再開発が進行している現在、「渋谷駅徒歩7分」は十分に魅力的な立地といえる。

 そして、今、渋谷区内では新築分譲マンションの数が激減している。都内有数の注目スポットであるため、商業ビル、オフィスビル、ホテルの新設が盛んで、分譲マンションを開発しにくくなっているためだ。

 渋谷駅周辺の新築物件が不足していることもあり、「ザ・パークハウス 渋谷南平台」の注目度は高い。が、誰にでも買えるマンションではない。

最高額住戸は7億円で215平米、約65坪の広さ

 その住戸は、約56平米~約215平米の1LDK~3LDK。販売価格は、1億2000万円台から7億1000万円台。今や、都心マンションとして見慣れた価格設定となってしまったが、約56平米の1LDKでも1億円を超えるのは、やはり尋常ではない。

 1億円以上だが、1LDKの間取りは普通だ。リビングダイニングが10畳大で、寝室が7畳大。浴室は一般的な3LDK住戸と同じ1418サイズ。驚くべき要素はない。

 一方で驚きに満ちているのは、7億1000万円台で約215平米の広さを持つ住戸のモデルルームだ。

 坪表記でいえば約65坪で、平均的な3LDKが3戸入ってしまうくらい広い。その広大な専有面積に3つの寝室とLDKを収めるため、全体に夢のようなゆとりがある。リビングダイニングは約41畳大で、主寝室は約16畳大。夫婦の寝室だけで一般的住戸のリビングダイニングを凌ぐ広さとなる。

 さらに、主寝室に付く専用浴室は2024サイズ(浴室の広さが2m×2.4m)。一般的な3LDKの浴室1418(1.4m×1.8m)サイズと比べると、2倍くらい広い印象を受ける。

 この主寝室付き浴室とは別に、家族もしくは来客用の浴室があり、その浴室も1620サイズ(1.6m×2m)と十分広い。

 ちなみに、主寝室のウォークインクローゼットは約3.8畳大の広さ。玄関に付くシューズインクローゼット(靴を履いたまま入ることができる靴収納庫)は約4.4畳大。納戸は約3.9畳大。いずれも「私の部屋より広い」という声が聞こえてきそうなサイズである。

扉の開け方が分からない食器洗い乾燥機

 圧巻は約7.7畳大のキッチン。カウンターには高純度の水晶を含有したクォーツストーンを採用し、ドイツ、ミーレ社製の食器洗い乾燥機を設置するなど、広さだけでなく設備仕様のレベルも高い。

 ミーレ社製食器洗い乾燥機は、扉も大きく、使い勝手がよさそう……と、中を見ようと思ったら、開け方が分からない。

 取っ手もボタンもない。長年、マンションを見続けている専門家が3人集まって考えられるアクション、たとえば、センサーがありそうな場所で手を振ったり、扉上部を押して反動で開くのを待つ等を行ったのだが、ウンともスンともいわない。

 諦めて、係の人に開け方を聞くと、扉を2回ノック。それで、扉がコクッと開き、あとは手で押し下げる方式だった。じつは、製品自体は以前に発表されていたのだが、設置されているのを見たのは今回が初めて。だから、私を含め専門家が軒並みお手上げになってしまった。

扉をノックすると……
扉をノックすると……
自動で、食器洗い乾燥機の扉が開いた。住宅設備の未来を感じさせる。写真はいずれも筆者撮影
自動で、食器洗い乾燥機の扉が開いた。住宅設備の未来を感じさせる。写真はいずれも筆者撮影

 ちなみに、この食器洗い乾燥機、ドイツ製でも扉内側に付けられている使用説明書きは日本語だった。つい最近までは、ドイツ語のままで多くの人にとって役に立たない説明書きだったのだが……。日本市場でのシェアを拡大して行こうと考えているのかもしれない。

 そういえば、ディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)を初めて見たのも、タンクレストイレを初めて見たのも、玄関の電気錠を初めて見たのも都心の超高級マンションだった。

 びっくりするくらい高額の都心マンションは、いつの時代も最先端をいち早く導入する場所でもある。