ホンダ「モンキー125」がついに発売 新時代のレジャーバイクの魅力とは!?
アソビの達人
ホンダから「モンキー125」が7月12日(木)に発売される。昨年、生誕50周年記念モデルをもって生産終了となった旧モンキー以来、ついにというかようやく新型の発売が正式にアナウンスされたのだ。
コンセプトは“アソビの達人”で、楽しさをスケールアップし遊び心で自分らしさを演出するという思いが込められている。従来の50ccモンキーの特徴だった「シンプル」「コンパクト」「愛らしさ」などの魅力はそのままに、排気量アップにより力強く扱いやすい出力特性と取り回しやすいサイズ感を両立しているのが特徴だ。
見た目は懐かしいが中身は現代的
▲モンキー125<ABS>
スタイリングは前後長が短く、上下にボリューム感を持たせた台形シルエットを基調に、丸型ヘッドライトやスチール製前後フェンダー、クローム仕上げのマフラーカバーを採用するなど往年の雰囲気を演出。
エンジンは空冷4ストOHC単気筒に4速ミッションを組み合わせることで、市街地からツーリングまでをカバー。メインフレームには適度な剛性としなり感を持つバックボーンタイプを採用し、足まわりはバネ下を軽減する倒立フォークと伝統的なツインショックに専用設計のスイングアームでまとめている。
確かな足まわりと上質な装備
▲モンキー125
ブレーキは前後ディスクにフロントのみABS装備(タイプ設定)として制動力と安全性を確保。タイヤはちょっとした不整地走行も楽しめる12インチのブロックパターンでレジャー感を演出。高密度ウレタンを使ったシートの採用などにより快適な乗り心地を確保した。
また、艶やかに塗り分けされた燃料タンクには歴史を伝えるオールドウイングマークの立体エンブレムを採用。全ての灯火器には高輝度LEDを採用し、スピードメーターにもLCDタイプを採用するなど、クラシカルな雰囲気の中にも上質感と新しさを盛り込んでいる点も魅力だ。
新型モンキーのメリットとは…
歴史が古いだけにモンキーには熱狂的なファンが多いことは周知のとおり。一方で旧モデルのことはよく知らないという人も多いだろう。ということで、旧モンキーとの違いをざっくりと整理しつつ、新型のメリットを探ってみたい。
1. 行動範囲が広がった
従来のモンキーは元々が子供用の遊具として開発された経緯があり、極端にミニマムな作りだったが、新型では普段から移動手段としても使えるファンバイクへと進化した。排気量は50ccから125ccとなり車格もざっくりと1.5倍ぐらいに拡大され、大人でもゆったり乗れるサイズ感になっている。
エンジンはグロムがベースということで、クルマの流れをリードできるパワーもあるはずだし、原二カテゴリーとなったことで制限速度や二段階右折の制限も受けずにどこまでも行ける。高速道路こそ乗れないが、その気になれば下道を使ったロングツーリングにも使えるだろう。個人的には林道ツーリングも楽しそうだと思っている。
2. 所有感が高まった
▲旧モンキー「50周年アニバーサリー」
旧モンキーのほうがデフォルメされていて可愛かった!という反論も無論あるだろうが、全体的なクオリティは断然高まっていると思う。
デジタル液晶メーターのアニメーションの美しさは今までの原付クラスにはなかったものだし、丸型を基調にしたクラシカルなヘッドライトやテールランプ、ウインカーの灯火類すべてがなんとLEDタイプ。足まわりも倒立フォークに前後ディスクブレーキ、アルミ製キャストホイールなど本格的で、タンクの塗装やエンジンカバーも高級感がある。
このまんまモンキー250とか出してもいいぐらいのクオリティなのだ。もちろん、旧モンキー同様、カスタム素材としての可能性も無限大だ。
3. 走りの性能がアップ
125ccのパワーとそれに見合う現代的な足まわりが装備され、しかも前後ホイールも旧モンキーの8インチから12インチへと大径化し、ステップも可倒式となりバンク角も確保されている。タイプ設定ではあるがABS付きも用意されるなど安全性も強化され、スペックだけでもその走りの良さは予想できる。
グロムがサーキット走行も楽しめるポテンシャルを持っていることを考え合わせると、ほぼ似たような車体構成を持つモンキー125の走りも期待できそうだ。きっとアフターメーカーからはさらに走りを強化するリヤシッョクやスイングアームなどのキットも出てくるに違いない。
ちなみにモンキー125が39万9,600円ということで、旧モンキーに比べると高額になったが、排気量と装備の充実を考えればコスパとしては十分に納得できるものだろう。
【参考価格情報】※共に税込
■モンキー125 ABS:43万2,000円
■旧モンキー 50周年アニバーサリー:35万2,080円
旧モンキーをオマージュしつつ実は最新式の装備と走りという、今どきのネオクラシック路線の定石を踏んだプロダクトとも言えるが、それはそれとしてホンダの本気度が伝わってくる一台である。発売が楽しみだ!