凍結路面による死亡事故発生 ラニーニャの冬はまだまだ油断禁物
今年の冬は記録的に寒い
今年の冬はラニーニャ現象の影響により、例年より寒さの厳しい冬になっていると言われています。その証拠に先週は東京都心でも記録的な寒さとなり、最低気温が-4.0℃まで冷え込む日もあり、大雪が降った22日(月)以降、連続8日間続く冬日は34年ぶりのことです。
さらに東京で積雪が8日間連続で記録されるのは1961年の統計開始以来初めてだとか。それだけ気温が低く雪が解けにくいということです。
都内でもバイク転倒など47件発生
今季最強寒波の影響により先週は日本各地で雪や路面の凍結による事故が相次ぎました。
新聞報道などによると、大雪となった22日の夕方、東京湾にかかるレインボーブリッジでも複数台のクルマによる玉突き事故が発生し約300台が立ち往生。これ以外にも東京都内では22日を通じて交通事故が766件発生し、バイクで転倒などの人身事故が47件、物損事故が719件発生するなど交通は大混乱しました。そして、その多くは雪の影響とみられています。
路面凍結によるバイク事故も
27日午前には大阪府の国道で転倒したバイクがトラックにひかれて男性(47)が死亡。 警察などによると午前10時すぎ、国道423号で走行車線を走っていたバイクが転倒し、隣の追い越し車線のトラックの下に後ろから滑り込む形でひかれてしまったとのこと。事故当時、現場周辺の道路は凍結していた可能性もあるということです。
また、30日の午前8時頃、茨城県阿見町の直線道路でも原付バイクで登校中だった男子高校生が凍結した路面で転倒し、対向車線にはみ出したところを走ってきたトラックにはねられて意識不明の重体に。現場付近は前夜に雨が降り、路面が凍結していたということです。
「橋」や「陸橋」が危ない
では、雪や凍結路面に遭遇してしまったらどう対処したらよいのでしょうか。
JAFによると、「雪道で運転する際にはクルマの運転方法だけではなく、滑りやすいポイントを事前に知っておくことも重要」ということです。「事故の起こりやすい場所として、もっとも危険なのが、風通しのよい橋の上や陸橋、そしてトンネルの出入り口付近です。他よりも気温が低いため、路面が凍結しやすく、大変危険です」と指摘しています。
またクルマが停止・発進を繰り返す交差点も圧接路面が磨かれてアイスバーンになっている場合があり、滑りやすいので注意が必要とのこと。いずれも、事前に速度を落として慎重な運転を心掛けることが大事としています。
凍結リスクを常に考えておこう
ちなみに自分も数日前、早朝ロケに向かうため首都高をバイクで走っていて危うい場面がありました。ETC出口のスロープを降りようとしたら、路面の一部に雪が解け残っていたのです。
速度が低かったので落ち着いて雪の塊を避けて通りましたが、内心かなり焦りました。4輪が通るワダチの部分はすでに乾いていたのですが、特に日陰では車線のセンター部分や路肩などに残雪がある場合があるので油断は禁物です。
また、大型車両の後ろを走っていると、死角から急に目の前に氷の塊が現れる可能性もありますので注意しましょう。昼間はシャリシャリのシャーベット状でも、朝夕の急激な気温低下によって再凍結することも多いようです。
今思えば、その当日も凍結リスクの条件がそろっていました。危ないと前述した首都高の「高架線」で、しかもよく晴れた「早朝」ということで放射冷却が起こりやすいようです。天気が良いとつい油断しがち、と自省しています。
乗らない勇気も必要
長期予報によると今年の冬は寒く、立春を過ぎても2月いっぱいは低温が続くようです。
皆さん、そろそろツーリングに行きたくてうずうずしている頃だと思いますが、ここしばらくは雪や路面凍結の可能性も高いと思います。仲間とツーリングの計画を立てている方も多いと思いますがムリは禁物。起こり得るリスクは避けるに越したことはありません。
現地の天気や路面の情報を収集して、危なそうだったらやめる勇気も必要です。乗れない時期にこそ、愛車のメンテナンスをしたり、今年必ず行きたい場所やスキルアップの目標を立てるなど、今シーズンの自分のバイクライフをプランニングするのもいいでしょう。春はもうすぐそこまで来ているのですから。