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【2015 鈴鹿8時間耐久ロードレース】元世界王者ケーシー・ストーナーが今年の鈴鹿8耐で復帰!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
元MotoGP王者 ケーシー・ストーナー

元MotoGP王者のケーシー・ストーナーが、「2015 FIM 世界耐久選手権シリーズ第2戦“コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第38回大会」に参戦することが決定した。これは今年の8耐では間違いなく最大のニュースであろう。

チームは2013年と2014年の鈴鹿8耐を連覇している「ムサシ・アールティ・ハルクプロ(MuSASHi RT HARC-PRO)」から参戦。チームメートはスーパーバイク世界選手権に参戦中のマイケル・ファン・デル・マークと、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦しHRCテストライダーでもある高橋巧との3人体制と盤石の構えだ。

ホンダは現在、鈴鹿8耐では5連覇中で今年勝てば6連覇、ハルクプロとしても史上初となる同一チームで3連覇を狙うことになる。そこに白羽の矢が立ったのが元世界王者のケーシー・ストーナーだ。今年初めにセパンで行われたテストでは好感触を掴んだ模様が伝えられ、初めての8耐への意欲も十二分のストーナー。次は鈴鹿8耐に向けた合同テスト(第1回7月7日・8日、第2回7月14日・15日)に参加する予定となっている。

ストーナーはオーストラリア出身。4歳からバイクに乗り始め2001年には15歳でロードレース世界選手権に参戦。2006年にはLCRホンダよりRC211VでMotoGPクラスにデビューし、第3戦トルコGPでは最高峰クラス初の表彰台(2位)を獲得している。

2007年からはドゥカティワークスに移籍し、開幕戦カタールGPで初優勝を達成すると勢いに乗り年間10勝を挙げて年間タイトルを獲得。クラス6シーズン目となる2011年からはレプソル・ホンダチームに移籍し、RC212Vで自身2度目となるシリーズチャンピオンを獲得した。2012年に引退後は故郷のオーストラリアで4輪レースなどに参加しつつ、2013年からはHRCのテストライダーとしてマシン開発などに協力している。

現役時代のストーナーと言えば、大胆なスライドを駆使した絶妙なマシンコントロールが持ち味。天才肌のライダーとして知られ、2007年における最高峰クラスでの21歳11ヶ月でのタイトル獲得は当時、1983年のフレディ・スペンサーに次ぐ史上2番目の若さでの快挙だった。ストーナーと入れ替わる形で最高峰クラスに入ってきたマルク・マルケスとはその若さと才能、天才的なライディングセンスで比較されることも多い。

今度の舞台は鈴鹿8耐ということで、マシンも違えば走り方も異なるし、コースもGPで慣れ親しんだ「もてぎ」ではなく、耐久のメッカ「鈴鹿」である。

ただ、HRC契約ライダーとして最新マシンにも普段から慣れ親しんでいることであろうし、8耐用のCBR1000RRでもきっと現役時代並みの走りを見せてくれるに違いない。

なお、「2015 FIM 世界耐久選手権シリーズ第2戦“コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第38回大会」の決勝は7月26日(日)。真夏の鈴鹿に鳴り響くスタートの号砲が今から待ち遠しい。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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