ロシアのウクライナ侵攻を一貫して支持している北朝鮮はこれまで外務省がホームページを通じてロシア支持を表明していたが、最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は昨日、プーチン大統領に直に連帯を表明していた。ロシアのウクライナ侵攻が始まってから金総書記がロシア支持を公然と表明したのはこれが初めてである。

 金総書記はロシアの祖国戦争勝利記念日に際して送った祝電の中で先の世界大戦でのロシアの貢献について言及し、「ロシア人民は無比の英雄主義と犠牲的精神を発揮して、人類の運命を脅かしていたファシズムを撃滅する正義の大戦で偉大な勝利を収めた」とロシアを持ち上げていた。

 そのうえで「不滅の勝利の伝統を継承して敵対勢力の政治的・軍事的威嚇と恐喝を根源的に取り除き、国の尊厳と平和と安全を守るためのロシア人民の偉業に固い連帯を送る」と、ロシアのウクライナ侵攻を「国の尊厳と平和と安全を守るための偉業」と位置づけ、北朝鮮はロシアとの「戦略的かつ伝統的な朝露友好関係が時代の要求と両国人民の根本利益に即して絶えず強化され、発展する」との確信を表明していた。

 北朝鮮はロシアがウクライナ侵攻に踏み切る前から米国がNATOを拡大してロシアへの軍事的威嚇を強めているとして、ロシアに肩を持つ論評をウェブサイトに掲載していたが、侵攻が始まった翌日の2月26日には「ウクライナ政府によって虐げられてきた人々を保護するためだ」とロシアを全面的に擁護し、さらに2日後の28日には「他国に対する強権と専横に明け暮れている米国と西側の覇権主義政策に根源がある」と欧米批判を展開していた。

 先月26日のホームページでも「ウクライナ事態は米国の代理戦・・・NATO、アジア太平洋支配野望」との見出しの記事を載せ、再び米国及びNATO批判を展開していた。

 今月もすでに6日にフィンランドとスウェーデンがNATOに加盟する意向を表明していることを強く非難する論評を載せ、ロシアを擁護していた。

 「高い代償を払う危険な動き」との見出しの論評の中で北朝鮮外務省は「ロシアと1300km国境を接しているフィンランドとその隣接国であるスウェーデンのNATO加入が現実化されれば、バルト海地域の軍事パランスが崩れ、ロシアとNATO間の軍事的対立が激化するのは目に見えている」と主張し、そのうえで「実質的にこれら国々がNATOに加入して利益を見るのは対ロシア包囲網の完成を追求するNATOである」と断じ、「米国と西側のこうした策動は必ずロシアのより強力な対応を誘発するだろう」と警告を発していた。

 この日の外務省のホームページには「無益限りない対ロシア制裁策動」との論評も載っていたが、欧米諸国がロシアに経済制裁を科していてもロシアの第1分期の貿易黒字が580億ドルに達したとして「制裁は失敗に終わった」とロシア側に立つ記事を載せていた。

 ロシアのウクライナ侵攻に関する外務省の一連のロシア支持はこれまで労働党の機関紙「労働新聞」に一度も掲載されたことはないが、金総書記のこの祝電は今朝の労働新聞に載っていた。

(参考資料:世界潮流に逆行し、世界で唯一、一貫して「ロシア支持」表明している北朝鮮はいつ軍事支援に踏み切る!?)