「金正恩元山行」は休養? 潜水艦進水式に出席?

新型潜水艦の前で随行者らに指示を出している金総書記(朝鮮中央TVから)

 バイデン政権は検討が終わった北朝鮮政策を説明するため北朝鮮に接触を求め、これに北朝鮮が「承諾した」と伝えられているが、実際に対米担当者が接触の場に出てくるかは依然として不明だ。

 北朝鮮が米国との接触に応じるかは金正恩総書記の決断次第だが、米国の北朝鮮ニュース専門媒体「NK(ノースコリア)ニュース」は金総書記が近々、元山を訪れるかもしれないと、伝えている。

 日本海に面した江原道の元山には父親(故金正日総書記)から「相続」した「招待所」と呼ばれる豪華別荘がある。「NKニュース」が数日前に撮影された衛星写真を分析した結果、元山海岸に金総書記の豪華専用ヨットが停泊していることが確認された。

 米朝の緊張が高まった2017年以降、この豪華ヨットは元山湾では19回偵察衛星によって捕捉されているが、「このうち15回は金正恩が元山を訪れていた時期と重なっている」と、同媒体は報じている。

 元山から車で1時間半の距離には咸鏡南道・新浦が位置している。新浦沖の馬養島の地下には要塞化された北朝鮮最大の潜水艦基地がある。

 新浦造船所で北朝鮮はSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を3基搭載できる3千トン級の潜水艦を建造していた。潜航能力は70日間で、太平洋に出航すれば、ハワイやグアムなど米国の戦略要衝地を射程圏中に置くことができる。

 金総書記は2019年7月23日に建造中の新型潜水艦を2012年のテポドン(人工衛星)発射に関与した金正植・党軍需工業部副部長とミサイル開発を主導している張昌河・国防科学院長を伴い、視察しているが、この時も元山招待所近くの海岸に金総書記の専用ヨットが停泊していた。

 新型潜水艦はすでに完成し、後は進水式を待つだけである。一部で進水式だけでなく、潜水艦からSLBMが発射される可能性も取り沙汰されていることから米国は偵察機を頻繁に飛ばし、警戒監視を強めている。

(参考資料:進水式目前の北朝鮮の新型潜水艦とSLBM(北極星1~5)の全容)

 なお、米国国家情報局(DNI)のアブリル・ヘインズ局長と韓国国家情報の朴智元(パク・チウォン)院長が来日し、日本の瀧澤裕昭内閣情報官との間で日米韓3か国の情報機関長会議を開くが、9日後には米韓首脳会談が開かれることもあってこの10日間は金総書記の動静から目が離せない。

(「米朝ハノイ会談」決裂後の北朝鮮の短距離ミサイル発射の全容(2019年5月4日~21年3月25日))

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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