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3日間で世界で三番目に感染者が多い国になったイタリア 155人。

プラド夏樹パリ在住ライター
現在感染者数155人と発表されているイタリア北部(写真:ロイター/アフロ)

今日、2月23日(日曜日)、ロンバルディア地方で癌患者でコロナウィルスに感染していた年配の女性が亡くなった。これでイタリアでの感染死亡者は3人になった。とにかく恐ろしいのは感染の速度である。21日(金曜日)感染していたのは14人のみだったのに、22日(土曜日)には76人、今、日曜日の夜には155人と発表されている。現在、集中治療を受けているのは26人。たった3日間で世界で三番目に感染者が多い国になった。隣国フランスでも衝撃は大きい。

政府は感染者が続出している北部、ロンバルディア州の11市に今日、日曜日午後からの封鎖政令を出した。今朝、封鎖の直前まで商店には買いだめをする人々が殺到、大会社は職員に今週は自宅勤務するように通達した。感染者と接触があった人々は、現在、ミラノの兵舎に隔離されている。

現在約5万人の住人が外出禁止になっているが、武漢並みの厳しさということだ。警察が出入りを監視し、違反した場合には、3ヶ月の禁固刑と報道されている。

ところで感染経路は?

イタリアの厚生省が一番心配しているのは、いったい誰が感染源かがわかっていないことだ。不気味だ。

例えば、いま、イタリア北部、Codogno市で38歳の男性Mattia Maestri氏がコロナウィルスに感染し、重体、集中治療を受けている。隣市にあるアメリカの多国籍企業 Unilevernoに勤めていた管理職の男性だ。

彼が感染源となり、妊娠8ヶ月の妻、一緒にサッカーをしていた仲間の一人、行きつけのバーの客3人、入院していたCodognoの病院の医師数人、看護婦数人がコロナウィルスに感染した。

しかし、Maestri氏は中国への旅行歴はない。1月21日に上海から帰国した友人と会っていたが、検査の結果、その男性は感染していないことがわかった。では、Maesri氏はいったいどのような経路で感染したのであろうか?今のところ謎である。

またVenetie市で死亡した78歳の男性の感染経由も不明である。彼は村のバーにサッカーの試合を見に行き感染したと考えられているが、同じバーに通う8人の中国人は感染していない……

イタリアでは1月31日から中国からの直行便着陸を禁止しているが、中国から他の国を経由してイタリアに入国した人々を全員隔離するべきだったのではという声が上がっている。

イタリアでの感染者急増を受けて、隣国でも感染対策が今日から取られている。欧州は地続きなので、感染拡大の可能性は非常に高い。日曜日の夜、オーストリア政府はイタリアとの国境で、2人の乗客が感染している疑いがあるとして、ベネチア発ミュンヘン行きの電車OBBを国境でストップさせた。また、フランスでは、厚生大臣が、「これまでの38件に加えて70件の病院をコロナウィルス感染者受け入れに対応できるようにした」と発表した。イタリアとの国境閉鎖はしないのかという質問に対して「海路、航路で出入国できるのに、陸路だけ閉鎖するのでは意味ない」と返答した。

(注)フランスのメディア記事を参考にしました。

パリ在住ライター

慶応大学文学部卒業後、渡仏。在仏30年。共同通信デジタルEYE、駐日欧州連合代表部公式マガジンEUMAGなどに寄稿。単著に「フランス人の性 なぜ#MeTooへの反対が起きたのか」(光文社新書)、共著に「コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿」(光文社新書)、「夫婦別姓 家族と多様性の各国事情」(ちくま新書)など。仕事依頼はnatsuki.prado@gmail.comへお願いします。

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