ことしの阪神ファームは7月末から球団記録を塗り替え、ウエスタン・リーグ記録も、プロ野球のファーム記録をも超える18連勝を達成してリーグ優勝しました。さらに10月9日のファーム日本選手権では、イースタン・リーグを制したロッテを破り日本一に!

 シーズン後半の強さは圧巻で、特にオールスター明けの7月中旬から公式戦終了までのチーム成績が28勝3敗3分け、勝率9割超え!ビックリしますね。先制、中押し、ダメ押しという勝ち方だけでなく、後半での逆転劇がものすごく印象に残りました。諦めなければ何かが起きる、と確信できたシーズンです。

 そしてファーム日本選手権の2日後に始まった秋季教育リーグ『第18回みやざきフェニックス・リーグ』でも、その強さは変わりませんでした。まあ1軍クラスの選手もいたとはいえ、まさに“伸び盛り”の若手が成長ぶりを見せつけてくれたと思います。

 宮崎の各球場でお会いした他球団の編成担当(プロスカウト)の方々が口を揃えて、こんなふうにおっしゃいました。「12球団の中で今、阪神が一番バランスのいい状態。どのポジションにも欠けたところがない」。つまり、故障や不調で誰かが抜けても、遜色なく補える顔ぶれが揃っているのだそうです。

 「だからドラフトも、どのチームより自由に選択できたんじゃないですか?何が何でも補強しなくちゃいけない、という部分がないから」とも言われました。そうなんだ、と改めて実感。これが長く続き、さらに強くなっていけたら最高ですね。

 では、ことしのフェニックス・リーグ順位表をご覧ください。ウエスタンの4チームが上位を占める結果となりました。ゲーム差は1位との差です。(チーム名の「デ」はDeNA)

《フェニックス チーム順位》

  試合 (勝-敗-分) 勝率 ゲーム差

1 ソ 17 (13-3-1) .813

1 神 17 (13-3-1) .813 0.0

3 広 15 (8-4-3) .667 3.0

4 オ 16 (7-6-3) .538 4.5

4 日 15 (7-6-2) .538 4.5

6 ロ 16 (8-7-1) .533 4.5

7 中 15 (7-7-1) .500 5.0

8 デ 15 (5-8-2) .385 6.5

9 西 16 (5-9-2) .357 7.0

10 楽 16 (5-10-1) .333 7.5

11 巨 17 (5-11-1) .313 8.0

12 ヤ 17 (3-12-2) .200 9.5

 ついで阪神の、各チームとの対戦成績です。さすがに、1試合で27点を取ったヤクルト戦の総得点がすごいですね。

《阪神の対戦成績》

     (勝-敗-分) 得点 失点

ヤ 3試合 (3-0-0)  43  13

デ 3試合 (3-0-0)  23   5

ロ 3試合 (2-1-0)  15   5

日 3試合 (1-1-1)   7   5

巨 2試合 (2-0-0)  11   3

西 2試合 (1-1-0)  11   6

楽 1試合 (1-0-0)   8   5

 途中からトップに立ったソフトバンク、後半に追い上げた阪神と、最後はレギュラーシーズンと同じ2チームの争い。10月31日に阪神が追いつき、最終日の11月1日は両チームとも勝って13勝3敗1分け。まったく同じ勝敗数、同じ勝率でゴールしています。阪神は8連勝フィニッシュでした。

 両チーム優勝だと思いきや、「同率で勝利数も同じ場合は、前年度のフェニックス・リーグ上位チームを優勝とする」というフェニックス・リーグ特別ルールに基づき、ソフトバンクが優勝となりました(2020年はソフトバンク3位、阪神5位)。というか初めて聞きました!特別ルール。

 過去に同じ勝利数、同じ勝率で終わったのは一度だけあります。10年ぶりに12球団が揃って参加のフェニックス・リーグとなって2年目、2006年のことです。最終日に日本ハムとインボイス(西武ファーム)が10勝3敗1分けで並びました。前日の時点でインボイス(10勝2敗1分け)が首位、日本ハム(9勝3敗1分け)は2位にいて、最終日の直接対決で日本ハムが勝ったものです。

 それで両チームが話し合った結果、賞品である“宮崎牛20キロ”はこの日勝った日本ハムに贈られました。賞品を譲ったインボイスも『1位』と書いてあります。だけど今回は『1位・ソフトバンク』で『2位・阪神』と表示してあるんですね。まったく同じ成績でも。私はあえて両方を『1位』と書かせていただきました。優勝はソフトバンクでも、1位に変わりはないので。

10月24日、フェニックス・リーグの巨人戦は完封勝ち!きょうからのCSもこんな結果になってほしいですね。
10月24日、フェニックス・リーグの巨人戦は完封勝ち!きょうからのCSもこんな結果になってほしいですね。

復帰即絶好調の高寺

 現地で聞いてきたコメントをまとめてご紹介します。最初は1年目の高寺望夢選手。左股関節の張りで8月15日に戦列を離れ、ファーム日本選手権出場のチームとともに宮崎入りしてフェニックス・リーグに参加。10月17日、自身19歳のバースデーに行われたロッテ戦でサンズ選手の代走として復帰すると、9回の初打席でいきなり中越えの2点タイムリー三塁打を放ちました。

 その後もヒットは出続け、23日の楽天戦後に平田勝男監督は「高寺がなあ!」と言及。この日は5回に藤田健斗選手の代走として出場し、7回の先頭で四球を選んで江越大賀選手の二塁打で一塁から生還!8回には左腕・佐藤智輝投手の初球を左前へ。「簡単にフォアボールとヒットでしょ?故障で2か月くらいブランクあったのに、感じさせないよな。打席数をたくさんあげたいよね」

 その言葉通り、翌24日には初めて先発出場、26日以降は1軍メンバーが参戦した最終クールも含め、すべてフル出場です。「いや~凡打の内容もいいんだよ!左ピッチャーに対してもね。ブランクはあったけど、ミート力、バットコントロールが非常にいい。鍛えがいがあるね。守備もだいぶ安定してきている」と平田監督も絶賛しています。

 では26日に聞いた高寺選手本人のコメント。まず「バッティングは結構いい感じです」とのこと。フォームを変えて、始動も早くしている?「そうですね。フォームを変えて、今はしっくり来ていると思います。タイミングをいつもより早めにしています」

 打球が強くなったのでは?自分でも感じていますか?「それは、少し。練習とかでも。はい。トップの位置も、今までよりさらに(後ろに)引いて取っているので」。それで前も大きくなった?「そうですね。それが強い打球になっているのかも、と思います」

 故障中、いろんな動画などを見て研究した?「はい、そうです。平野コーチと日高コーチにも相談しながらやりました」。どうですか?この高打率。「いやまだ打席数が少ないですね」。それでも5割前後ってすごいですよ。「この打率で終われればいいと思います。最後まで」

 そう、この打率と言っていたのが5割を切った10月26日。そこからまた上げて、最終的には.552という打率でした。すごい!来年はケガなく、1軍でも活躍してほしいですね。

平田監督が「凡打の内容もいい」とほめる高寺選手。10月26日の日本ハム戦、左の福田投手に対しての左飛もそうです。
平田監督が「凡打の内容もいい」とほめる高寺選手。10月26日の日本ハム戦、左の福田投手に対しての左飛もそうです。

小幡、失敗なしの9盗塁!

 小幡竜平選手の名前も、平田監督の口からよく出ました。23日には「スチールが見事よ。スタートもよくて。スチールだけでなく、最初の熊谷のヒットでサードへ行ったりね。バッターがファウルを打った時でも、ずっとスタート切って、その精度が格段に上がっている。熊谷も、あのサンズのサードゴロの間に三塁へ行った走塁といい、そういう集中力ってのは1軍へ行ったら求められるところやからね。非常に精度が上がってきてるわな」という言葉。

 26日にも「小幡のスチールの精度。熊谷も素晴らしい、いいスタート。このへんはもう本当にレベルが上がった」と平田監督。「ことし(ファームは)盗塁、何個した?」…すみません、すぐ答えられなくて。116個でした!「その中で島田が盗塁王を獲ったけど、走る意識ってのは身についてきたね」

 このフェニックスで盗塁はサインですか?「いやいや、公式戦も何もストップかけない。みんなフリーでいっていいんで。そういったところの小幡のスタートといい、スチールの勘っていうのは非常にレベルが上がってる」

スタートも精度も素晴らしい!!と平田監督が絶賛する小幡選手のスチール。
スタートも精度も素晴らしい!!と平田監督が絶賛する小幡選手のスチール。

熊谷は「隙あらば」の好走塁

 小幡選手は話を聞けるタイミングを逃してしまって…。でも23日に熊谷敬宥選手のコメントは取れました。この日の6回、相手エラーで出て二塁まで行った先頭の熊谷選手は、次のサンズ選手の三ゴロで三塁へ!続く高山選手の三ゴロで生還したのです。

 熊谷選手の足で奪った得点だと言ったら「僕が1軍にまた上がるためには、そういうところを求められるので。(塁に)出たら、そういうところを意識しながらやっています」という答え。

 特にサンズ選手のゴロで三塁へ行ったのが大きいでしょう?「もう隙あらばで、やっていくしかない。1軍でもなかなか点を取れない時に、ああいう走塁ができたらいいですし。そういった部分、フェニックスなので思いきりいけたというのは、すごくよかったです」

10月23日、二塁にいた熊谷選手はサンズ選手の三ゴロで三塁へ!
10月23日、二塁にいた熊谷選手はサンズ選手の三ゴロで三塁へ!

サンズ「最後までチャンピオンとして」

 変わってサンズ選手。平田監督いわく「サンちゃんは3-2からも、きっちりライト前に打っているし。強引にいかず逆方向というのは、若い子のいい手本になってくれているんでね。また、きょうもアップから全部メニューをこなしてくれるねん。ランニングも全部ちゃんとやるしさ。そういうところが非常にありがたい」とのこと。

 この言葉を伝え聞いたサンズ選手は「チームメートにいい人が多いので、そういう面でもちゃんとしたいと思うし、練習でもちゃんとするのが当たり前と思っています。給料もいただいている以上、しっかり何でも取り組んでいきたい」と、とてもジェントルマンな受け答えです。

 24日には2試合連続タイムリーで、続く陽川選手の二塁打で一塁から生還!「あとで陽川に『あれは(フェンスを)越えてくれないと困るよ~!走らせるなよ~!』とジョークを交えながら言いましたが(笑)、まあしっかり走ることができて、体も動かせたのでよかったです」。表情豊かに話してくれるサンズ選手。

 やはり優勝したいという思いは強いですか?と、これは1軍の最終戦前に聞いたことですが、サンズ選手は「タイガースに来て2年目で、みんな仲のいい選手なので、私は今こっち(宮崎)にいますけど、変わらずチームメートですし。一緒にチャンピオンになりたいなと。まだ家に帰るのではなく、最後までチャンピオンとしてできたらいいなと思います」と話してくれました。

陽川選手の二塁打で一塁からホームまで激走中のサンズ選手。10月24日の巨人戦です。
陽川選手の二塁打で一塁からホームまで激走中のサンズ選手。10月24日の巨人戦です。

攻守で急成長の藤田

 次は2年目の藤田健斗選手です。26日の時点では全部スタメンでの出場、打率は3割前後、プロ1号も放っています。まずバッティングについて「毎日、試合に出ていく中で、その日に出た課題をしっかり練習から修正していくことができているので、結構充実しています」と振り返りました。

 とらえた当たりも増えてきた印象ながら、本人は「まだまだです」のひとこと。キャッチャーとしては「試合でしか起こらないプレーもあるので、それを経験できているのはいいかなと思います」と藤田選手。

 残りの試合に向けて「課題であるスローイングの方で、いいプレーもできてきているんで、そのへんはプラスにとらえて。ダメなところは、あす取り返します」と笑顔で引き揚げました。その“あす”が大きいんでしょうね、きっと。毎日続けて試合に出ることで、反省→確認→修正がしっかりできるのかもしれません。

 山田勝彦バッテリーコーチに、藤田選手は日々成長していますねと言ったら「日々じゃなくて、急成長ですよ!だって盗塁なんか刺しているとこ、あんまり見たことないんじゃない?」と笑います。「ケガした選手もいて、出るチャンスが巡ってきて、そういう運を持っているのかな。まあ、その前に努力やね。ちょっとずつ試合に出て、どんどん自信もついて」と目を細めました。

 そのあと「だって甲子園ベスト4の選手やからね!」と山田コーチ。そうでした。2019年夏の甲子園では中京大中京の4番キャッチャーとして、同校初のベスト4進出に貢献した藤田選手です。まだ、その片鱗を垣間見たに過ぎないのでしょう。

毎日が勉強という藤田選手。ことしの成長ぶりは目を見張るものがあります。
毎日が勉強という藤田選手。ことしの成長ぶりは目を見張るものがあります。

湯浅のフォーク、井川さんも絶賛

 続いて投手陣です。湯浅京己投手は10月13日(日本ハム戦)の9回1イニングを三者凡退。同17日(ロッテ戦)で先発、3回1安打無失点。同24日(巨人戦)も先発して、4回無安打無失点で、この日の試合後に話を聞いた際は「最初のフォアボールが痛かったですねえ」と悔やんでいました。1回に与えた四球がなければ4回パーフェクトだっただけに…。

 「真っすぐのボール自体は悪くないけど、ちょっと浮いていたかなと思って。低く投げられたらよかった。やっぱりスライダーが、最後の陽岱鋼の見逃し三振はよかったんですけど、それ以外が全然納得いくボールを投げられなくて、修正も最後の最後でやっとできたという感じ。次はそのスライダーと、真っすぐの高さを意識してやっていきたいです」

 シュートも投げていますか?「リリーフの時は投げていなかったんですが、握りとかを変えて前回の3イニングの時から、フォークとツーシームを練習のつもりで投げました。それで…ツーシームと言っていたんですけど、山田(バッテリー)コーチに『相手バッターにとったら、シュートのある方がイヤやし、絶対シュートって言った方がいい』と。だからシュートって言ってるだけです」

 “言ってるだけ”って(笑)。じゃあシュートとツーシーム、どちらにしますか?「どっちでもいいんですけど、シュートで」。本人もそう言いながら笑っていましたね。

10月24日の巨人戦で先発した湯浅投手。4回無安打無失点でした。
10月24日の巨人戦で先発した湯浅投手。4回無安打無失点でした。

 今季は1軍も経験しました。「1軍で投げて、思うような結果が出なくて。でも、あの時があったからと言えるように、来年は自分の武器だと思っている真っすぐが生かせるよう変化球を磨いて、先発でもリリーフでも1軍で必要とされる戦力になりたいと思います」

 1軍で印象に残っている試合は?「…大暴投。右足が滑って(笑)」。あー、ありました。9月7日のヤクルト戦(甲子園)、9回1死一、二塁、バランスを崩して転倒し、結果は暴投。確かにかなりのインパクトだったかも。それから「印象に残っているのは、やっぱりあれですかね。1軍で初めて投げたオリックス戦の吉田正尚さん」と。

 初昇格した時のプロ初登板、6月3日のオリックス戦(甲子園)ですね。1死一、三塁で吉田正尚選手に、150キロのストレートを左中間へ持っていかれたタイムリー二塁打。「あれは忘れられないです。これが吉田正尚か。これがパ・リーグの首位打者か、と」。そういって苦笑い。まさにプロの洗礼でしたよねえ。ぜひ来年、感謝の倍返しといきましょう!

 ちなみに最終日の11月1日(ロッテ戦)で先発した湯浅投手。3回に1点取られましたが、今季最長の5回を投げて3安打1失点で、プロ初参戦だったフェニックス・リーグを終えています。

 この試合で4番・西川選手からは真っすぐで2奪三振。その2つ目(4回)は空振り三振を取りながらメチャクチャ不満そうでした。脱いだ帽子を叩きつけそうな悔しがり方に、テレビ解説の井川慶さんが「本人は納得いかないんでしょうね」と。その通り、思った球じゃなかったみたいです。とはいえ井川さんが絶賛した真っすぐやフォークは、本人も自信を深めたに違いありません。

先発した次の試合前、練習で笑顔を見せる湯浅投手。
先発した次の試合前、練習で笑顔を見せる湯浅投手。

目指すは“虎の岩田”

 次は1年目の岩田将貴投手。平田監督が「よくなっているね!右だけにしかシンカーを投げないという固定観念はダメだよと言った。きょうみたいに左バッターにも、ツーシーム以外のシンカーを試してみろと。何球か投げてたやろ?真っすぐや変化球のキレ、シンカーも交えて非常にテンポもいいし、成長していっている」と高く評価しています。

 ただし「フォアボールだけは反省やけど。フォアボールのあとの初球ボカンね」というひとことも忘れずに。これは10月26日の日本ハム戦で登板した際、1イニング目は三者凡退だったのに2イニング目で1死から四球を出し、次の打者にタイムリー二塁打を浴びて、フェニックス5試合目での初失点を喫したところ。そこは本人も「フォアボールを出したのがもったいなかった」と反省。

 それでも「インコースにツーシームとか投げる練習をするよう言われたので、ボールだったけど投げられたことに関してはよかったと思います」とも話していました。シンカーも投げている?「シンカーとツーシームの両方です。118キロから123キロくらいの」

 9回、先頭の左打者・田宮裕涼選手を遊ゴロに打ち取ったのは?「ツーシームです」。うーん、見分けが難しい…。「難しいです、ほんとに」。110キロ台のはスライダー?「スライダーとシンカーです。シンカーの方がちょっと逸れる感じ」。なるほど。

 右打者でも左打者でもシンカーを投げろという平田監督の指令?「はい。1イニング目は投げていなかったんですけど、2イニング目から左のインコースに投げるよう言われたので。そこは試せたのでよかったと思います」

 このフェニックスで試し始めて、投球の幅が広がった?「インコースがだいぶ使えるようになったってのは大きいと思いますし、公式戦は8試合くらいしか投げてないんですけど外中心になって、最後の方は踏み込まれるケースが多かったので、そこは来シーズンに向けてのいい材料かなと」

 ストレートもだいぶよくなってきた?「そうですね」。スピードがすべてじゃないですもんね。「そうですね。本当は欲しいですけどね」。自身で球速も上がりそうな感覚はある?「押し出せていない分、ちょっと垂れたりしている部分もあるので、最後に伸びるようなストレートが投げられれば、自然と空振りも取れるだろうし、数字も上がってくるだろうと思います」

 奇しくも、話を聞いた10月26日は岩田稔投手の引退セレモニーが行われる日でした。「同じ岩田ということで声をかけてもらったし、あだ名もつけてもらった。自分も小さい頃から知っている選手だったので、練習の姿とか勉強になった部分も大きかった。本当に感謝しかないです」。どんなあだ名?「ガンツです。岩がガンで、2号で」。ああ、ガンツーからのガンツね。

 岩田稔投手もスライダーが武器だったし、投球面でも学ぶことは多かった?「球速よりも、球の質というか球を動かすというのは、自分も求めなくちゃいけないところで、後ろで見ていたりしていても勉強になることはたくさんあったので、短い期間でしたけど本当に勉強になりました」

 同じ左腕として“虎の岩田”を受け継ぎたいですね。「ある意味、同じ苗字だからこそ岩田さんの思いを背負える部分もあると思うので、それも含めて今後は自分がそう言われるように頑張りたいです」。岩田将投手が支配下登録される時に、もし21番が空いていたら?「まあ21は左のかたの番号ってイメージが強いので、かっこいいなと思いますね」。“虎の岩田”を背負っていけるよう頑張ってください!

122から21になれたら…「かっこいいですね」と控えめな岩田将投手。10月26日の日本ハム戦にて。
122から21になれたら…「かっこいいですね」と控えめな岩田将投手。10月26日の日本ハム戦にて。

ファームからCS、日本シリーズへ!

 そして11月1日の最終戦後、平田監督は「全員が課題に取り組みレベルアップに取り組む、ファーム選手権から始まるフェニックス。非常に充実したフェニックスやったね」と、ことしのフェニックス・リーグを振り返りました。

 定番の質問、MVPについては予想通りの答えだったみたいです。「MVPなんかないよ。課題に取り組んでやっているんだから。君らはすぐそういうことを。誰だと思うんだ?じゃあ」と逆に聞かれ、記者陣は「高寺とか」と答えたら「そうそう、そういうことよ。途中からやけど高寺や遠藤や、小幡にしても成長している」と話が進みます。

 「ピッチャーも打たれてええねん。浜地もチェンジアップをあえて試して打たれた。岩田(将)なんか左バッターから三振をいかにして取るか、右バッターにはフェニックスから試しているシンカーを来季に向けてどうするか、という各選手の課題があるからな。岩田なんか完璧や。最後は三振で、左バッターには前に飛ばさせるなという課題を。岩田も、このフェニックスですごく成長したで」

 そのあと「クライマックスだからね、選手たちは。とにかくクライマックスで、1人でも多くね。板山はファーム選手権が終わってから(1軍に)行ってさ、あとこれだけ(数十センチ)のところで届かないのが板山のいいところよ。島田も成長しているもん。ファームから調子を上げた選手たちがクライマックス、日本シリーズと出てくれたら、うれしいわな」と平田監督。これはもうファーム監督として一番の願いで、何よりの喜びでしょうね。

10月26日の日本ハム戦。平田監督(左)のもとへ挨拶に訪れた元阪神・谷川昌希投手(右)。
10月26日の日本ハム戦。平田監督(左)のもとへ挨拶に訪れた元阪神・谷川昌希投手(右)。

阪神出場全選手成績

 では最後に、阪神のフェニックス・リーグ出場全選手の成績を書いておきます。繰り返しになりますが、教育リーグは非公式戦のため公式記録ではありません。あらかじめご承知おきください。

◆捕手

【長坂】

16試合(先発14)

50打数 13安打 7打点 打率.260

本塁打0 三塁打0 二塁打1

三振12 四死球10 犠打0 犠飛1

盗塁2(失敗0) 失策2

【藤田】

17試合(先発16)

46打数 13安打 6打点 打率.283

本塁打1 三塁打0 二塁打2

三振9 四死球6 犠打3 犠飛1

盗塁0(失敗1) 失策0

【原口】 30日~

3試合(先発3)

12打数 3安打 3打点 打率.250

本塁打0 三塁打0 二塁打1

三振1 四死球1 犠打0 犠飛0

盗塁0(失敗0) 失策1

【片山】

17試合(先発12)

50打数 11安打 6打点 打率.220

本塁打1 三塁打1 二塁打3

三振10 四死球6 犠打0 犠飛0

盗塁1(失敗2) 失策0

10月23日の楽天戦、6回に三塁打を放った片山選手。「一生懸命走りました!」
10月23日の楽天戦、6回に三塁打を放った片山選手。「一生懸命走りました!」

◆内野手

【熊谷】 13~28日

13試合(先発12)

52打数 13安打 7打点 打率.250

本塁打1 三塁打0 二塁打2

三振13 四死球6 犠打1 犠飛0

盗塁2(失敗2) 失策0

【佐藤輝】 30日~

3試合(先発3)

11打数 2安打 2打点 打率.182

本塁打0 三塁打0 二塁打0

三振2 四死球3 犠打0 犠飛0

盗塁0(失敗0) 失策3

【北條】 ~18日

6試合(先発5)

18打数 6安打 5打点 打率.333

本塁打1 三塁打0 二塁打0

三振5 四死球6 犠打0 犠飛0

盗塁0(失敗0) 失策1

【小幡】

17試合(先発17)

67打数 23安打 9打点 打率.343

本塁打1 三塁打1 二塁打2

三振14 四死球7 犠打1 犠飛1

盗塁9(失敗0) 失策2

【遠藤】

14試合(先発10)

44打数 14安打 8打点 打率.318

本塁打0 三塁打0 二塁打1

三振6 四死球3 犠打3 犠飛0

盗塁2(失敗0) 失策1

【サンズ】 ~27日

11試合(先発11)

32打数 8安打 9打点 打率.250

本塁打1 三塁打0 二塁打1

三振5 四死球5 犠打0 犠飛0

盗塁0(失敗0) 失策0

【陽川】 ~28日

12試合(先発9)

32打数 10安打 7打点 打率.313

本塁打1 三塁打0 二塁打2

三振12 四死球4 犠打0 犠飛2

盗塁0(失敗0) 失策0

【高寺】 出場は17日~

13試合(先発7)

29打数 16安打 9打点 打率.552

本塁打0 三塁打2 二塁打0

三振1 四死球10 犠打0 犠飛0

盗塁0(失敗3) 失策1

10月26日の日本ハム戦で、セカンドライナーを好捕した遠藤選手。
10月26日の日本ハム戦で、セカンドライナーを好捕した遠藤選手。

◆外野手

【高山】

17試合(先発15)

62打数 14安打 11打点 打率.226

本塁打1 三塁打0 二塁打2

三振11 四死球2 犠打0 犠飛1

盗塁3(失敗0) 失策0

【江越】 ~24日

9試合(先発9)

36打数 13安打 7打点 打率.361

本塁打1 三塁打0 二塁打7

三振10 四死球3 犠打0 犠飛0

盗0(失敗0) 失策0

【島田】 30日~

3試合(先発3)

12打数 4安打 6打点 打率.333

本塁打0 三塁打2 二塁打0

三振2 四死球3 犠打0 犠飛1

盗塁0(失敗0) 失策0

【板山】 11日、30日~

4試合(先発4)

17打数 7安打 6打点 打率.412

本塁打1 三塁打0 二塁打2

三振2 四死球1 犠打01 犠飛0

盗塁0(失敗0) 失策0

【小野寺】 30日~

3試合(先発3)

11打数 2安打 1打点 打率.182

本塁打0 三塁打0 二塁打1

三振1 四死球3 犠打0 犠飛1

盗塁0(失敗0) 失策0

【奥山】 ~14日

3試合(先発0)

3打数 0安打 0打点 打率.000

本塁打0 三塁打0 二塁打0

三振1 四死球0 犠打1 犠飛0

盗塁0(失敗0) 失策0

10月24日の巨人戦。二塁打のあと小幡選手の中飛でタッチアップ!!チャンスを拡大させた江越選手。
10月24日の巨人戦。二塁打のあと小幡選手の中飛でタッチアップ!!チャンスを拡大させた江越選手。

◆投手

【西純】

3試合(先発2)

16回 失点7(自責7) 防御率3.94

安打17 本塁打0 三振14

四球9 死球1 暴投1 ボーク1

【西勇】 28日のみ

1試合(先発1)

2回 失点0(自責0) 防御率0.00

安打2 本塁打0 三振1

四球0 死球0 暴投0

【岩貞】 11日のみ

1試合(先発0)

1回 失点2(自責2) 防御率18.00

安打3 本塁打1 三振1

四球1 死球0 暴投0

【藤浪】 ~18日

2試合(先発2)

8回 失点4(自責4) 防御率4.50

安打8 本塁打0 三振6

四球4 死球0 暴投3

【伊藤将】 31日のみ

1試合(先発0)

3回 失点1(自責1) 防御率3.00

安打3 本塁打0 三振2

四球2 死球0 暴投0

【小野】

6試合(先発0)

6回 失点1(自責1) 防御率1.50

安打3 本塁打0 三振4

四球2 死球0 暴投0

【佐藤蓮】

3試合(先発3)

16回 失点6(自責4) 防御率2.25

安打7 本塁打2 三振12

四球12 死球1 暴投0

【二保】 ~18日

2試合(先発0)

4回 失点0(自責0) 防御率0.00

安打2 本塁打0 三振4

四球0 死球1 暴投0

【浜地】 18日~

5試合(先発0)

6回 失点3(自責2) 防御率3.00

安打8 本塁打0 三振2

四球2 死球1 暴投0

【及川】 31日のみ

1試合(先発0)

1回 失点1(自責0) 防御率0.00

安打2 本塁打0 三振1

四球0 死球0 暴投0

【尾仲】 ~26日

5試合(先発0)

7回 失点3(自責3) 防御率3.86

安打5 本塁打0 三振9

四球3 死球1 暴投0

【村上】 28日~

2試合(先発0)

3回 失点0(自責0) 防御率0.00

安打0 本塁打0 三振3

四球1 死球0 暴投0

「カメラにはちゃんと応えないとね」とポーズしてくれた佐藤蓮投手、ありがとうございました!
「カメラにはちゃんと応えないとね」とポーズしてくれた佐藤蓮投手、ありがとうございました!

【エドワーズ】 11日のみ

1試合(先発0)

1回 失点0(自責0) 防御率0.00

安打0 本塁打0 三振0

四球0 死球0 暴投0

【守屋】 ~26日

5試合(先発0)

7回 失点1(自責1) 防御率1.29

安打4 本塁打0 三振10

四球3 死球0 暴投2

【斎藤】

6試合(先発0)

7回 失点3(自責2) 防御率2.57

安打4 本塁打1 三振8

四球3 死球1 暴投0

【ガンケル】 31日のみ

1試合(先発1)

3回 失点0(自責0) 防御率0.00

安打2 本塁打0 三振1

四球0 死球0 暴投0

【加治屋】

6試合(先発0)

6回 失点0(自責0) 防御率0.00

安打4 本塁打0 三振6

四球2 死球1 暴投0

【小林】 31日のみ

1試合(先発0)

1回 失点0(自責0) 防御率0.00

安打0 本塁打0 三振1

四球0 死球0 暴投0

【望月】

6試合(先発2)

9回 失点1(自責1) 防御率1.00

安打5 本塁打1 三振6

四球2 死球0 暴投1

【湯浅】

4試合(先発3)

13回 失点1(自責1) 防御率0.69

安打4 本塁打0 三振9

四球3 死球0 暴投1

【小川】 31日のみ

1試合(先発0)

1回 失点0(自責0) 防御率0.00

安打0 本塁打0 三振2

四球1 死球0 暴投0

【石井大】

5試合(先発1)

13回 失点1(自責1) 防御率0.69

安打4 本塁打0 三振15

四球3 死球0 暴投1

【岩田将】

6試合(先発0)

7回 失点1(自責1) 防御率1.29

安打3 本塁打0 三振6

四球1 死球0 暴投0

【牧】

3試合(先発2)

12回 失点6(自責6) 防御率4.50

安打14 本塁打2 三振5

四球5 死球0 暴投2 失策1

10月23日に先発した牧丈一郎投手。今試しているチェンジアップで、立ち上がりに連続奪三振!
10月23日に先発した牧丈一郎投手。今試しているチェンジアップで、立ち上がりに連続奪三振!

 <掲載写真は筆者撮影>