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鳴尾浜で行われた社会人チームとの練習試合《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
2試合ともフルでマスクをかぶったルーキー・藤田健斗選手。勉強、勉強の毎日です。

 今週前半の阪神ファームは公式戦が組まれておらず、6日と7日に社会人チームとの練習試合を行いました。6日の相手はNTT西日本で、先月行われた『第91回都市対抗野球大会近畿地区第2次予選』を第1代表として突破。6年連続31回目の出場を決めています。本大会は11月22日から東京ドームで開催されます。

 そして7日は、元阪神の穴田真規さんが2014年から2017年まで所属していたクラブチーム・マツゲン箕島硬式野球部(2018年まで和歌山箕島球友会)が相手です。穴田選手も現役で出場していた2017年10月以来、久しぶりの対戦となりました。

 まだ無観客で、取材人数の制限もあるため選手のコメントなどは取れていませんが、試合を見られなかった方もいらっしゃると思いますので、結果と経過だけ書かせていただきます。また練習試合ゆえ、成績についても公式記録が発表されません。あくまで参考程度にご覧くだされば幸いです。

四死球の走者を生かして得点

 NTT西日本とは6月20日にも鳴尾浜で練習試合をしたのですが、この時は島田選手と井上選手にホームランが出たものの、投手陣が2本のホームランと2本の2点タイムリー二塁打など14安打を浴び、さらに9四死球(四球7、死球2)を与えて計12失点…。12対6のダブルスコアで負けました。今回は安打数で相手を下回ったものの、前回とは逆にこちらが12四死球をもらって、8対4で勝利しています。

《練習試合》10月6日

阪神-NTT西日本 (鳴尾浜)

 NTT西 003 000 100 = 4

 阪 神 201 022 01X = 8

◆バッテリー

【NTT】大江(4回)-松尾(2/3回)-田村(1/3回)-宅和(1回)-大道寺(1回)-萩原(1回) / 小泉-辻本(6回~)

【阪神】牧‐伊藤和-横山-小野-福永-尾仲 / 藤田

◆本塁打 N:日下部ソロ(小野)

◆三塁打 N:野村

◆二塁打 N:山田、藤井、濱田 神:遠藤、藤田

◆盗塁  N:日下部 神:板山、奥山

◆打撃     (打-安-点/振-球/盗/失)

 1]二:板山   (2-1-1 / 1-3 / 1 / 0)

 2]遊:遠藤   (4-1-1 / 2-1 / 0 / 0)

 3]右:小野寺  (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0)

 〃走右:伊藤隼 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) 

 4]左:井上   (1-1-2 / 0-3 / 0 / 0)

 5]指:上本   (2-0-1 / 1-0 / 0 / 0)

 〃打指:俊介  (1-0-1 / 0-1 / 0 / 0)

 6]一:片山   (2-0-0 / 0-2 / 0 / 1)

 7]三:藤谷   (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0)

 8]捕:藤田   (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0)

 9]中:奥山   (4-1-1 / 0-0 / 1 / 0)

◆投手  回 打者 (安-振-球/失-自)

 牧   3回 14人 (5-3-1 / 3-3)

 伊藤和 1回 4人 (1-0-0 / 0-0)

 横山  1回 5人 (1-0-1 / 0-0)

 小野  2回 11人 (5-1-0 / 1-1)

 福永  1回 4人 (1-0-1 / 0-0)

 尾仲  1回 3人 (1-1-0 / 0-0)

《試合経過》※敬称略

 阪神は1回、四球を選んだ先頭の板山を、遠藤が右中間への二塁打で還して1点先制!遠藤は送球の間に三塁へ進み、井上の四球などで1死一、三塁となって上本の二ゴロで2点目が入ります。先発の牧は1回、2回とヒットを許しながら0点に抑えていましたが、3回に先頭を四球で出し、続く1番・酒井に左中間へのタイムリー二塁打。1死三塁になったあと3番・野村の中越え三塁打で同点、2死後に5番・景山の右前タイムリー。この回3点を失い逆転を許しました。

 しかしその裏、またも先頭の板山が四球を選んで、2死三塁となったところで井上の中前タイムリーで追いつきます!5回にはNTT西日本2人目の松尾から、2死後に板山が3打席連続の四球、遠藤と小野寺は連続死球(小野寺に代走・伊藤隼)で満塁とし、3人目の田村に交代。井上と代打・俊介が連続の押し出し四球で、2点を勝ち越しました。6回は田村から四球の藤谷に続いて藤田がレフトへタイムリー二塁打!送球エラーで三塁へ進んだ藤田は1死後に板山の中前タイムリーで生還して、7対3とリードを広げます。

 阪神投手陣は4回に伊藤和、5回に横山が登板して、ともに1安打ずつで無失点。ついで小野が6回は2安打されながら0点に抑えたものの、7回に先頭の日下部のソロホームランを浴びました。その後、二塁打や味方エラーで2死一、三塁とした場面は後続を断って1失点のみ。8回は福永が四球とヒットで作ったピンチを併殺でしのぎます。その裏に死球とヒットなどで1死二、三塁とした打線は、奥山のタイムリー内野安打でもう1点加えて、9回は尾仲が1安打されるも最後は併殺!3人で片付けて試合終了です。

 阪神は6安打ながら、2連続押し出しなど12四死球(四球9、死球3)で8得点。一方のNTT西日本には13安打、しかも6長打(本塁打1、三塁打1、二塁打4)を許しています。なお日下部選手には“2試合連続”のホームランを打たれたわけで、前回は川原投手、今回は小野投手でした。

7回に打者一巡の猛攻!

 7日のマツゲン箕島硬式野球部は昨年、和歌山箕島球友会から名称を変更しています。昨年も一昨年も練習試合がなかったので、新しいチーム名では初対戦ですね。水色を主体としたユニホームも、昨年から赤に変わっています。実はことし7月11日にも練習試合が組まれていたのですが、雨天中止となりました。よって彼らが鳴尾浜に来たのは2017年10月1日、穴田真規選手の現役最後の時以来ですね。その時の記事はこちら。メッセンジャー投手が先発していますよ。→<メッセ、小野、才木の150キロ超え継投に驚嘆!交流試合の和歌山箕島球友会>

 なおマツゲン箕島硬式野球部は昨年、2年ぶり5回目の優勝を果たした全日本クラブ野球選手権大会がことしは中止になり、社会人日本選手権もなく、都市対抗野球は大阪・和歌山1次予選で敗退してしまいました。その後、9月末から10月初めまで開催された『JABA近畿クラブ会長杯』では、惜しくも決勝で大和高田クラブに敗れて準優勝。この鳴尾浜が今季最後の試合だったそうです。

《練習試合》10月7日

阪神-マツゲン箕島硬式野球部 (鳴尾浜)

 マツ 020 000 000 = 2

 阪神 100 000 60X = 7

◆バッテリー

【マツゲン】坂田(4回)-森(1回)-竹中(2回)-楠岡(1回) / 水田-田中(6回~)

【阪神】呂‐守屋-高野 / 藤田

◆二塁打 マ:夏見、池島 神:藤田、井上、岡崎

◆盗塁  マ:高橋 神:板山

◆打撃     (打-安-点/振-球/盗/失)

 1]遊:板山   (3-0-0 / 0-2 / 1 / 0)

 2]二:遠藤   (5-1-1 / 1-0 / 0 / 0)

 3]左三:小野寺 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

 4]中:井上   (4-3-2 / 1-0 / 0 / 0)

 5]指:岡崎   (3-1-1 / 0-1 / 0 / 0)

 6]一:片山   (4-2-1 / 0-0 / 0 / 1)

 7]三:藤谷   (1-0-0 / 0-1 / 0 / 2)

 〃走左:伊藤隼 (2-1-1 / 0-0 / 0 / 0)

 8]捕:藤田   (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0)

 9]右:奥山   (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

◆投手  回 打者 (安-振-球/失-自)

 呂彦青 7回 30人 (4-2-4 / 2-1)

 守屋  1回 3人 (0-0-0 / 0-0)

 高野  1回 4人 (1-0-0 / 0-0)

 

《試合経過》※敬称略

 この試合も先取点は阪神でした。1回に前日同様、またしても先頭の板山が四球を選んで二盗成功。そのあと2死三塁になって井上が右前タイムリー!ところが、これも前日と同じく即逆転されます。1回は2安打1四球のピンチを0点で抑えた先発の呂彦青が、2回に四球と犠打失策で1点を失い、なおも無死三塁で内野ゴロの間にもう1点。ノーヒットで2点を献上してしまいました。

 しかし、3回と7回は二塁打、4回は振り逃げ、5回は四球と毎回のように走者を出しながら、要所を締め追加点は与えずに7回まで投げた呂彦青。その間の打線は、3回に先頭・板山の四球と小野寺、井上の連打でチャンスを作って得点なし。4回は先頭の片山の中前打と藤谷の死球(代走に伊藤隼)、藤田の犠打で1死二、三塁とするも後続を断たれるなど、なかなか反撃できない打線でしたが、7回裏に4連続タイムリーを含む7安打を集中させて大逆転します。

 まず先頭の藤田がレフトへの二塁打、奥山は右前打で一、三塁。続く板山の二ゴロで相手エラー、これで藤田が還って2対2の同点。なおも無死二、三塁で遠藤が中前タイムリー!勝ち越しです。小野寺は二直で併殺、2死三塁になりますが、ここから井上がセンターへの二塁打で1点!岡崎もレフトへ二塁打を放って井上が生還!片山の右前タイムリーでもう1点入り、片山は送球の間に二塁へ進むと、続く伊藤隼の左前打で還ってこの回6点目!4連続タイムリーでした。

 7対2として迎えた8回は守屋が登板。二ゴロ、遊飛、遊飛とわずか8球での三者凡退です。9回は高野が、先頭に中前打されるも後続をフライ3つで片付けて終了。試合経過は以上です。

守屋投手が復帰、伊藤和投手は昇格

 なお守屋投手は開幕を1軍で迎えましたが、6月25日に右肩痛で登録を抹消。7月28日のウエスタン・ソフトバンク戦(タマスタ)で1イニングを投げ、その後は8月7日の広島戦と同11日のオリックス戦で1イニングずつを投げたあと、再び試合から離れていました。今回はそれ以来の登板となります。このまま順調に戻ってくるといいですね。

 6日のNTT西日本戦でも投げた伊藤和投手が中田投手とともに8日、1軍へ昇格。さっそく広島戦で西勇投手のあとを受けて9回に登板し、ビシッと三者凡退で試合を終わらせていましたね。入れ替わりで斎藤投手と石井投手が戻ってきたんですけど、またファームで投げて再昇格を狙ってください!ことしの秋はまだまだ続きます。

   <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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