Yahoo!ニュース

秋山投手の奪三振と、江越選手の一発が沸かせた甲子園《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
この写真は3月6日、奈良学園大との練習試合(鳴尾浜)で投げる秋山投手です。

 14日から阪神甲子園球場で予定されていたウエスタン・リーグの中日3連戦は、15日が雨で流れて14日と16日の2試合で終了しました。2015年から中止試合は再編成されなくなったのですが、それ以前でも追加日程分は甲子園でなく鳴尾浜に振り替えての開催。そのため相手チームの監督や選手が、とても残念がっていたのを思い出します。そういう場所なんですね、甲子園って。野球選手にとって特別な場所。これから夏へと向かう季節、ほとんどのプロ野球選手の胸に熱くよみがえる記憶があるでしょう。

 さて、そんな甲子園で行われた16日のウエスタン・阪神-中日戦は、秋山投手と吉見投手の先発で始まりました。相手のエラーが絡んで先制した阪神は、またしてもモヤ選手の1発で追いつかれますが、江越選手の3ランで勝ち越し!お互いに追加点をあげながら、リードを保った阪神が逃げ切り、成績は1勝1敗となっています。

 この日は試合後にタイガースアカデミーと、月刊タイガースのイベントが室内練習場などで開催されました。私は取材があったので様子はわかりませんが、OBの鶴直人さん、若竹竜士さん、白仁田寛和さん、柴田講平さんとは準備中に会えて、懐かしかったですねえ!その時は今成亮太さんがいなくて残念。でもさすが、イベントは盛り上げていたみたいですよ。

 では試合結果と経過をどうぞ。試合後のコメントは、秋山投手と江越選手の2人だけですが、のちほどご紹介します。写真は撮れていないので、この日の試合以外のものを掲載しました。ご了承ください。

《ウエスタン公式戦》6月16日

阪神-中日 14回戦 (甲子園)

 中日 012 000 000 = 3

 阪神 130 000 10X = 5

◆バッテリー

【阪神】○秋山(7勝1敗)-岩崎-石崎-飯田-S福永(1勝3S) / 坂本

【中日】●吉見(4勝1敗)(4回)-小熊(1/3回)-三ツ間(2/3回)‐藤嶋(1回)‐鈴木博(1回)‐伊藤準(1回) / 桂

◆本塁打 中:モヤ12号ソロ(秋山) 神:江越4号3ラン(吉見)

◆二塁打 神:中谷

◆盗塁 中:石垣(2) 

◆打撃  (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]中:江越 (3-1-3 / 2-1 / 0 / 0) .268

2]二:熊谷 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .220

3]左:俊介 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .273

4]三:陽川 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .273

〃三:森越 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .219

5]右:中谷 (3-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .250

6]指:片山 (2-0-0 / 2-1 / 0 / 0) .243

7]一:板山 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .204

8]捕:坂本 (2-0-1 / 0-0 / 0 / 0) .200

9]遊:小幡 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .225

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

秋山 5回 86球 (6-5-1 / 3-3 / 2.03) 144

岩崎 1回 17球 (0-1-1 / 0-0 / 3.21) 142

石崎 1回 23球 (1-3-1 / 0-0 / 0.00) 149

飯田 1回 11球 (0-1-0 / 0-0 / 2.84) 142

福永 1回 9球 (0-1-0 / 0-0 / 0.39) 151

《試合経過》※敬称略

 1回、先発の秋山は10球で三者凡退という上々の立ち上がり。その裏の攻撃は1死から熊谷が三ゴロ(ファースト・モヤの捕球エラー)で出塁すると、2死後に陽川の左前打で一、三塁として中谷が右前タイムリー!この打球が落ちた内野と外野の間あたりは、前日までの雨を含んでいたのか、ほとんど転がらず記録は二塁打。あわてて前進してきたライトが捕り、三塁へ送って陽川がタッチアウトになりましたが、1点先制です。

 しかし2回、秋山は1死からモヤに初球のカーブをライトスタンドへ。前日から2打席連続、この2試合で3本目となる12号ソロを打たれました。アウトをすべて三振で取った秋山ですが、これで同点に。するとその裏、打線は簡単に2死を喫しながら坂本が遊ゴロエラー、小幡は右前打で一、二塁として続く江越が勝ち越しの3ラン!

 3回に秋山は9番の近藤から連打と四球で1死満塁として、3番・石川駿に左前タイムリーを打たれて2点返されます。後続は断ったものの4対3とリードは1点となりました。4回、5回と1安打ずつ許した秋山ですが、要所を締めて追加点は与えず。6回は岩崎が登板して1四球のみの無失点。7回は石崎が連続三振で2死を取ってから四球と安打で一、三塁とするも最後はまた三振で無失点でした。

 打線は3回以降ノーヒット。5回に中日・2人目の小熊から江越が頭部への死球(初球の真っすぐ、141キロがヘルメットへ…。小熊は危険球により退場。江越は問題なく一塁へ)で出ただけで、それも代わった三ツ間に併殺を取られるなど、6回まで3人ずつで終わっています。ようやく7回、鈴木博から片山が四球を選び、板山の中前打(バスターエンドラン!)で無死一、三塁として坂本がライナー性の右犠飛を放ち、1点を追加しました。

 8回は飯田が4番・アルモンテからを三者凡退に切って取り、その裏の阪神も伊藤準の前に三者凡退。9回は福永が登板して、これまた三者凡退締め!5対3で試合終了です。

数字、内容よりも球の質に満足

3月20日、鳴尾浜に中日を迎えての“開幕戦”に先発した秋山投手。
3月20日、鳴尾浜に中日を迎えての“開幕戦”に先発した秋山投手。

 試合後、まず平田監督は江越選手のホームランついて「まあ江越の魅力だな。吉見から打ったっていうのを大事にしてほしいよね」と言い、秋山投手には「(前回)淡路でもあまり良くなかったし、きょうも馬場を先発させるか悩んだけど、ここは秋山にリセットさせようかなと思って。でも調子が落ちているのではないと思う。秋山に関しては心配することはないよ」とのことでした。

 秋山投手は「今までは、かわしながら何とかっていうピッチングで、きょうもヒットとか打たれていますけど、真っすぐがよくなった。(試合の)内容とは比例していないんですが、よくなってくるんじゃないかなと感じました」と話しています。「真っすぐがよくなったので、もう一段階上に行けるんじゃないかな、という感じですね」

以前にも載せたと思いますが、3月29日のウエスタン・広島戦で打席から戻ってくるところです。
以前にも載せたと思いますが、3月29日のウエスタン・広島戦で打席から戻ってくるところです。

 真っすぐやフォークで奪った5三振も、すごくよかったのでは?「真っすぐでの見逃し三振や空振り三振が増えてきました。それが僕のバロメーターやから」。確かに、秋山投手らしい。「ファームの選手なので変なヒットとかもあったりするけど、そこは仕方ないですね」

 全体を振り返って「数字よりは満足しています。内容ではなくて、球の質に満足している。真っすぐの質がよくなってきたから、その球を投げつつ結果を出していきたい」と締めくくっています。

契機にしたい、吉見投手からのHR

 続いて江越選手。ホームランは、まず打った瞬間にお客様がどよめいて、そのあと着弾を待たず拍手と歓声が上がりました。もちろん勝ち越しの3ランということもありますが、あれだけスタンドを沸かせるのも江越選手ならでは、と言えるでしょう。

3月16日の社会人・ジェイプロジェクト戦での江越選手。華麗にバットが飛びました。結果は惜しくも中飛、残念!
3月16日の社会人・ジェイプロジェクト戦での江越選手。華麗にバットが飛びました。結果は惜しくも中飛、残念!

 「打ったのはシュートか、フォークが落ちずにきたんじゃないかと」。おそらくフォークでしょう。確かに落ち切ってはいなかったような気がします。手応えは完ぺき?「完ぺきでしたけど、切れるかなーと思っていたら、戻ってきました」

 これがきっかけになりそうですか?と尋ねたら「おとといまでの2試合、あんまり打てていなかったんですけど、きのうの練習あたりから、ちょっと感じがよかったので。それで、きょうヒットになった」とのこと。誰もが“えぐい打球”という江越選手のアーチ、また楽しみです。

 なお試合後のヒーロースピーチも江越選手でした。最後まで固辞していたけれど、促されてマイクを手に叫んでいます。

 「皆さん、きょうは応援ありがとうございました。きょうは父の日ということで…」と少し間を取ったので、何かいい話?と思ったら「世の中のお父さん方、いつもありがとうございまーす!」と続け、自分でも大笑い。そして「火曜日からまた鳴尾浜で試合があります。お時間のある方は鳴尾浜へ足を運んでください!」で締めています。

これは3月15日の大商大戦(鳴尾浜)でホームランを打ち、ベンチに迎えられたところです。
これは3月15日の大商大戦(鳴尾浜)でホームランを打ち、ベンチに迎えられたところです。

 それと5回に頭部へ受けた死球は「痛かったけど、大丈夫です。かすっただけなので」と江越選手。試合後、トレーナーさんに聞いたら「あれは避け方がうまいですね。ちゃんと避けたから、かすった程度で済んだ」と絶賛です。それを伝えると江越選手はひとこと。「だって当たったら痛いですもん」。おっしゃる通りです。

    <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事